雪村紬

こんにちワンコ。

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最近の記事

その13池田凛3

神様 あなたは世界を創造したらしいですね そして、人々はあなたに救いを求めるらしいですね じゃあ、 俺の願いも叶えてくれよ 俺の小さな願いを叶えるくらい訳ないだろ * 【次のニュースです。昨日の日曜日の深夜、都内の雑居ビルから若い女性が転落しました。被害にあった女性は、〇〇○さん、22歳。その雑居ビルの飲食店に勤務していました。警察の調べにによると、屋上の鉄柵が経年劣化のため崩れ、そこにもたれかかっていた女性がそこから転落したと見られています。】 いつものうどん屋

    • その12河原シズカ2

      「なんだ?」 「あ?なんだじゃねぇだろ!お疲れ様です!富田サン何かありましたか?だろが!」 津川は、電話口から聞こえる富田の声にウンザリしている。 「で、何か動きがあったのか?」 「だからー!、、、もういいやめんどくせぇ、、、桜井を乗せた車が京都から大阪に向かってると、部下から連絡が入ったんだよ!」 【ピクッ】 大阪? 津川は、一瞬で思考を巡らせている。 「他にその車に乗っている奴は?」 「ハッキリとは分からないが、3名だ。桜井は確定で、もう1人は恐らく服部

      • その11服部文彦2

        「あははははは!ほんとあの顔!たまらんなぁ!」 服部は腹を抱えて、アルファードのハンドルをバンバンと叩きながら、運転している。 「ちょっと服部。笑い過ぎー!」 「だって文音様も見たでしょ?あの顔?今年イチ面白い顔だったでしょ!文音様も笑い堪えてるじゃないですか!」 そう、文音の目は涙が今にも溢れそうになっているが、結局耐えられなくなったのか、2人で笑い始めた。 車内には、顔を真っ赤にしている曽根と、2人を笑わす事になったヨツバも乗っている。 ヨツバは笑っている2人

        • その10大石海星2

          ちっ。無視か。 留守電に繋がる前に電話を切った。 軽い舌打ちのせいで、残りの2人は大石の方を見ていた。 何見てるんだ。 軽く睨むが、2人とも視線を切る事なく大石を見たままだ。 コイツら何だ? 気が強いのか? それとも、ただ何も考えていないだけか? まぁいいと、目線を切ると同時に、大宮の机の電話が鳴った。 「大宮です。はい、かしこまりました。大石に伝えます。」 それが聞こえているはずの春日は、無視して机の中をゴソゴソと触っている。 「何の電話だ?」 「××市の

        その13池田凛3

          その9真山雲雀2

          天井の大きな扇風機がゆっくりと回っている。 その優しい風が静けさをつくる。 窓からは都会の灰色の風が入り、その静止した時間を動かそうとしている様であった。 その狭間で、雲雀は眠っている。 先日の出来事から、今日で10日経とうとしていた。 右腕=骨折 肋骨二本=骨折  加えて、原因不明による意識不明。 これが雲雀が病院の個室のベッドで眠っている理由である。 意識不明である事も影響し、ここ数日はお見舞いの数もパタリと減っていた。 毎日必ず訪れるのは、雲雀がモデルの仕

          その9真山雲雀2

          その8曽根初2

          【まもなく京都です。】 【東海道線。山陰線。湖西線。。。】 曽根は、新幹線のアナウンスを聞きながら、席を立ち、降りる準備を始めていた。 「曽根選手ですよね。握手してもらえませんか!?」 凄まじいオーラを放ちながら、京都駅に降り立ち、タクシー乗り場に向かうまでの間、何人かのファンが勇気を出して声をかけてくる。 曽根はそれらの人々にとても丁寧に接し、ファンたちだけでなく、周りの人々も、その立ち振る舞いに感心している様子であった。 タクシーに乗り込み、運転手に場所が書かれ

          その8曽根初2

          その7河原シズカ1

          シズカは赤が好きな女の子だった。 * 神戸の海が見えるその家の庭に風が入ってくる。 その風で髪がなびいていた。 「シズカ様、客人がお見えになりました。」 シズカは、庭にあるお気に入りの椅子から立ち上がり、部屋に向かった。 「シズカ様、海からの風はまだ冷たい時もあります。お願いですから、上着を羽織って下さい。」 シズカは何も答えず、廊下から見える空を見ながら、前を歩く男について行く。 「ごきげんよう、シズカ様。この度は時間を割いていただき、誠にありがとうございます

          その7河原シズカ1

          その6池田凛2

          「りんさーん!これここでいいですか?」 だから、、、とりあえず声が大きいのよ、、、 それにしても、何でも聞く子だな、、、 池田は、ふぅと、ため息を一つ吐いた。 彼女が来てから、雑用は減るかもしれないが、人と話す時間が長くなって、ストレスになるかなと、最初は感じていた。 しかし、それはなかった。 むしろ、逆のことを感じていた。 理由は、彼女は仕事の話しかしなかったのと、天性の明るさからのものであったかもしれない。 「これで今日の仕事は終わりですね!じゃあ私は上がって

          その6池田凛2

          その5大石海星1

          窓から外を見ている。 窓はパチパチと音を鳴らしていた。 また雨か。 そんなことを考えながら時計を見た。 《11:25》 椅子から立ち上がり、指定されていた部屋に向かった。 何となく薄暗い廊下をあるいていると、後ろから声が聞こえた。 「大石さん、こんな所を歩いてるのは珍しいですね。どうかしたのですか?」 「何でしょうね。呼ばれたもので。」 左手の人差し指を上に向けた。 「上から?それもまた珍しい。」 それは、お前が知らないだけだろ。 男はそう思ったが、口に出さ

          その5大石海星1

          【ショートショート1】どえす

          僕は頭を全速力で回転させようとしていた。 これは、ヤバい、、、、どうしよう。 * 僕は塾の先生をしている。 この仕事をしていると、色々な生徒と出会う。 その中で、1人の男の子の話をしたい。 その男の子は、中学一年生だが、まだまだ小学生の雰囲気を残している生徒であった。 どこの学校にも一人はいるような、少しぽっちゃりとしていて、友だちからお腹をポヨポヨポヨと触られ、やめろよーと、みんなで笑いながらいる様な男の子であった。 話し方も、おっとりとしており、せんせー、あ

          【ショートショート1】どえす

          その4服部文彦1

          「毎度ありございまー」 【ピシャ。】 最後まで店員の言葉を聞かずにドアを閉めてしまった。 まぁ、いいか。 【カチッ。】 男はタバコに火をつけた。 さて、どっちだったかな? 男は右に歩きだした。 うどんを食べ過ぎてしまったので、ちょっと迷子になっても、腹ごなしにちょうどいいか。 しばらく行くと、少し古めの商業ビルが右手の方に見えてきた。 ここか。 【グゥン。】 入口にある大きく透明なドアを開けた。 エスカレーターに乗って、5階のカフェに向かった。 カフェに着くと

          その4服部文彦1

          その3真山雲雀1

          「ひばりー、帰ろー!」 いつもの友だちからの、いつも通りのお誘い。 「ごめーん、今日も撮影があって難波まで行かなあかんねん。」 「またー??しつこない??ほんまに撮影されとる??」 「されとるわ!ちゃんと給料もろとるわ!!時給420円やけどな!」 「え?吉本所属?」 「芸人さんなんかなれるわけないやろ?あの人らほんまにすごいねんから。」 二人でケタケタと笑った。 これもいつものことである。 * 雲雀が校門を出ると、そこにはマネージャーが立っていた。 「おは

          その3真山雲雀1

          その2曽根初1

          【午前5時45分 起床】 物心ついた時から毎日この時間に起きている。 男の名前は、曽根初(そね はじめ)。 193㎝ 108㎏ 柔道の金メダリストであり、現在三連覇中である。 今はプロの総合格闘家に転向。 その総合格闘技界でも世界最強と呼び声が高い。 それもそのはず。 男は、午前5時45分に起きる様になった時から、あらゆる格闘技に触れてきた。 触れてきた? そう、叩き込まれてきた、ではない。 男は、父親の仕事の関係でアメリカで生まれた。 最初、平凡な両親は、何か

          その2曽根初1

          その1池田凛1

          「ストレスの80%は対人関係である。」 うそつけよ、90%以上だろ。 その記事でさえストレスだ。 男はネットの記事を見ながら、思っていた。 なになに? 大抵は他人からケンカを売られる様な感じか? 全くその通りだ、、、 相手が自分にケンカを売ってる自覚がある場合ならまだしも、自覚がない場合が、一番うっとおしい。 男はそう感じた。 なんだよ、俺は永世中立国だぞ。スイスだ。 こちらからは、攻めないから攻めてくるなよ。 でも、攻められた場合のスイスって対抗するよな? スイス

          その1池田凛1

          はじめに

          はじめまして、みなさま。 とりあえず、何となく、意味もなく、色々なことを書いてみようかなと、思っております。 よろしくお願いします。

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