みやこ

文章一年生。 作文の課題を提出したことないです。

みやこ

文章一年生。 作文の課題を提出したことないです。

マガジン

  • 歪みの観測者

    田舎町の天才少年ジーンと、町に越してきた心理学者グレゴリー博士。互いの愛情と欲望が絡み合い、二人は複雑な関係を築いていく。

  • 玲の話

    優れた容姿と知性を持つ、敷島玲(しきしま あきら)のお話のまとめです。 玲は、目を引く美しい容姿を持ち、周囲からはその冷静さと合理的な思考で知られている。幼少期に感情を抑圧されて育ち、不遇な環境にいたため、冷酷な一面を持つが、恋人・恋の存在が彼の心に微妙な変化をもたらしていく。年を重ねるにつれ、その鋭い性格に少しずつ丸みが帯び、冷静でありながらも柔らかな一面が垣間見えるようになっていった。

最近の記事

連載小説「歪みの観測者」 二話-4

 美術は好き? と博士が問いかけた。  ジーンはその唐突に思われる質問は、メディチ家に関連するものだとすぐに思い当たった。 一族は金融や政治で得た財で、多くの芸術家をパトロンとして支えた。 特にロレンツォ・デ・メディチ。彼の支援でルネサンス文化は最盛期を迎えることになった。 「……あんまり好きじゃない。絵が下手だから」  勉強ではいつも一番だった。でも美術で一番になったことはない。 一生懸命描いても、描き上がったものを見れば似ていないことは自分でもわかった。 色を塗れば単調

    • 連載小説「歪みの観測者」 二話-3

      「すごい……学校より多い」 「きみの学校は本が少ないんだねぇ」 「ねぇ、見てもいい?」 「もちろん、そのために連れてきたんだから。……あ、研究のデータと資料だけは触らないでね」  あのあたり、と博士は指をさす。 入り口から一番遠い本棚には、本ではなくファイルとノート、束ねられた紙が差し込まれていた。 「一応、機密事項でもあるから。気になるんだったら、情報が解禁された後なら見せてあげれるよ」 「うん、わかった」 「それ以外は好きに見たらいいよ。気が散るなら、ソファに座ってよう

      • 連載小説「歪みの観測者」 二話-2

        「……こんにちは、博士」 「こんにちは、早いね。学校帰り?」 「うん、カバンは家に置いてきたよ」 「そうなんだ。どうぞ、あがって」  入るよう促されたジーンは、小さく「お邪魔します」と言って家に上がり、飴色の革靴の横にローファーを並べた。大きい博士は靴も大きい。   玄関からまっすぐに伸びる廊下を、博士の後ろについて歩く。博士の背中で部屋の中は見えない。 「ここがリビング。好きなところに座って」 「……散らかってるね、すごく」  通されたリビングは、昨日越してきたとは思え

        • 連載小説「歪みの観測者」 二話-1

           窓から光が差し込んだ。それは太陽の動きに合わせて、ゆっくりと壁紙をなぞり、ベッドに落ちた。 目元を照らされ、眩しくて目を覚ます。  前の家ではエンジン音やクラクションがビルの隙間で反響していた。 家の外からは鳥の囀りと、微かに木の葉が揺れる音が聞こえる。 田舎町での目覚めも、完全に無音ではないんだな、と思った。 この町に越してきた彼にとって、この家で初めての朝だった。  グレゴリー博士は手探りでベッドサイドテーブルから腕時計を手に取り、薄く目を開ける――九時三十六分。

        連載小説「歪みの観測者」 二話-4

        マガジン

        • 歪みの観測者
          9本
        • 玲の話
          2本

        記事

          連載小説「歪みの観測者」 一話-6

           そうしているうちにジーンの父親――ダニーも帰宅し、自己紹介と今日の顛末を語ると、彼は豪快に笑った。 「ジーン、よかったなぁ! 新しい友達ができて!」 ダニーが笑いながらジーンの頭をわしわしと撫でくりまわす。 「パパ、わかった、わかったから。ぐりぐりしないで」 ん? そうか、ごめんごめんと言いながら撫でるのを止め、博士に向き直る。 「グレゴリーさんもいつでもうちに来てくれよ、息子の友達だろ?」 彼はそう言いながら、博士の手を力強く握った。 その力強さと博士は少し驚きつつも、彼

          連載小説「歪みの観測者」 一話-6

          連載小説「歪みの観測者」 一話-5

          「ママ、ただいま」 「お帰りなさい。今日はちょっと遅かったわね」 ジーンが近づくと彼の母親はジョウロを傾けるのをやめ、息子に優しく声をかけ、隣の博士にも気がついた。  立ち上がったジーンの母は確かに彼に似ていた。 温厚そうに垂れたブルーの目や鳶色の髪は似ていないが、ジーンの小ぶりの鼻や唇、整った配置は母親譲りなのだろう。 「あら、そちらはだぁれ?」 「隣に引っ越してきた人だよ、前に話してた」 「ターナーさんですね。これは失礼、ご挨拶が遅れました。隣に越してきました、ウィリ

          連載小説「歪みの観測者」 一話-5

          連載小説「歪みの観測者」 一話-4

           「美味しかったです、ご馳走様です。僕は料理がてんでダメなのでまたすぐ来ますね」 博士が目を細めて言うと、おばさんも満足げに、そうかい! と嬉しそうに頷いた。  「ドクターはお客さんまで連れてくるから助かるねぇ……今日はタダでいいよ、その代わりまた来てちょうだいね」 「そんな、こんなに美味しいものを食べてただでは帰れませんよ」 恐縮した様子で博士が胸の前で手を振るとおばさんはいいの、いいの、と繰り返す。博士も負けじと、じゃあ楽しいお話に、と紙幣を彼女の手に押し込んだ。 「い

          連載小説「歪みの観測者」 一話-4

          ブルーピリオドを読め

           夏が終わる気配がする。昨日、気温の変化でお腹を壊した。 季節の変わり目は起きていられなくなる。ここ数日、半日以上は寝ている。 締め切りはあるけど、調節可能な在宅ワークでよかった。 「ブルーピリオド」映画見たい でも見れない 怖い  「ブルーピリオド」の劇場版が見たくて見れない。 ブルーピリオドの話させてください。 でもネタバレ全回避したいので私の話ばっかりになっちゃいます。  ブルーピリオドの原作漫画は全巻持っていて、読んでるんです。  私は芸大出身です。 芸大と美

          ブルーピリオドを読め

          連載小説「歪みの観測者」 一話-3

          「いらっしゃい! ドクターと……お客さん?」 奥から出てきたこの食堂の女主人――アニーおばさんは恰幅がよく、ところどころ白髪の混じったブルネットをシニヨンにまとめている。彼女が身につけている、柔らかな色合いのエプロンには、料理をしている証拠の小さな汚れが点在し、長年使いこまれた風合いが漂っていた。 「お邪魔します。ターナーさんの隣に越してきました、グレゴリー・ウィリアムズです」 「まぁ、あんたが噂の! ドクターが案内役なんだね、じゃあ心配ないね」 おばさんの笑顔には、どこか

          連載小説「歪みの観測者」 一話-3

          ChatGTPとした思考実験のコピペ

           これはChatGTPと思考実験(トロッコ問題)した時の対話内容のコピペです。 哲学的な対話をあなたとしたいです。なにか…例えば思考実験とか、質問して 面白い提案ですね。では、有名な哲学的な思考実験の一つ、「トロッコ問題」をベースにした問いから始めてみましょう。これに対するあなたの考え方をお聞きしたいです。 トロッコ問題 次のような状況を想像してください: あなたは線路の分岐点に立っていて、制御レバーを握っています。 目の前に迫ってくるトロッコがありますが、ブレー

          ChatGTPとした思考実験のコピペ

          AIと哲学する

           先週、友人に花火大会に誘われた。 久しぶりに会うので楽しみにしてたら、楽しみにしすぎて知恵熱を出しました。子供かよ。 ChatGPTと遊ぶ  みんな好きですよね「ChatGPT」 好感を持っているかは置いといて、SNSとかニュースでびっくりするほど見る。  私も出来立てほやほやの時に使ってみたことがあります。 でもほんとに生まれたてだったので日本語対応もしていませんし、会話も不自然だったのでGoogleの下位互換だな……と思ってすぐに辞めちゃいました。  この一年?

          AIと哲学する

          本とフォークダンスと炊飯器

           今日、ゴミを捨てに行ったら収集車が来てました。 走って間に合ったんですが、ドラマみたいなこと、本当にあるんだなぁ……と思いました。  小説書くときの資料  私がお話を書く時は参考資料をパラパラ読みながら書いてます。 この時は小説を見ながら書くのではなく、知識の再確認として読んでます。  知識の入手先が小説であることもあります。 その場合、ウェブで検索して裏どり、可能であれば論文を参照する。 そのようにして、自分の中で理解を落とし込みます。 そうすれば私の作品になると思う

          本とフォークダンスと炊飯器

          ジーンと博士の話

           これは夕方にいた猫。  今回は「歪みの観測者」の人物設計の話しま〜す。 何から作る? A. 見た目  元々、「歪みの観測者」は小説になる予定ではありませんでした。 というか、二人は別々に作ったキャラクターです。 おじさん描きたいな〜と少年描きたいな〜で描いただけです。 見た目が対になっているようで面白かったので並べました。 そうしたら、なんとなくストーリーが沸いたので漫画にしようかな、と思ったけど、長くなりそうだったので小説にしました。 二人の見た目の話  これが

          ジーンと博士の話

          連載小説「歪みの観測者」 一話-2

          「……うん! 僕と友達になろうか」 真剣に考え込んでいる様子だったのに、知識を持つ博士にしては、なんだか幼稚な提案だった。 「博士と?」 「そう! 僕は二十年近く大学で学んできたから、きみの手助けができるかもしれない。きみがわからないことは僕が教えよう。僕がわからなければ調べて君に教える。つまり、僕がきみの道しるべになろう。 僕には友達が出来て、この町のことを知ることができる。どうかな?」  そんな子供騙し、と思ったが少し考えてみる。悪い話ではない。だが、いい話かどうかも

          連載小説「歪みの観測者」 一話-2

          おはようございます

           画像は親戚の子供の夏休みの図工の宿題を手伝ったとき、ついでに描いたタマネギ。コピー用紙と24色鉛筆で一時間。 おはよ‼︎  よく寝ました。 バカタレなので11日? それぐらいで毎日更新できませんでした。 普通によく寝た。頭痛くないもん。 布団、好き。  私はお布団好きなんですよ。 普通みんな好きだと思うけど、人よりお布団好きだと思います。  おそらく多くの人が好きなのって実はお布団じゃなくて、睡眠とかリラックス空間じゃないですか? 私はお布団が好きです。  かけ

          おはようございます

          キーボード

          キーボードの話  今日も小説の続きを書きました。 パソコンのキーボードでぽちぽちぽちぽち。 カタカタカタカタとはいきません。  私のタイピングはそこまで早くないです。久しぶりに寿司打をしてみました。  遅いですね。だいたい1分間に100〜200回のキータイプが実用レベルといわれれているので192回はそれは一応クリアしているみたいです。  高校は授業の半分以上をパソコンカタカタする専門学科に通っていました。 当時は10分間に1200文字以上。ざっくり計算すると1分で2

          キーボード