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暮らしレシピ#13 季節を感じる昼呑みのうつわ。和食。

梅雨が明けて、夏の天気になってきました。

前々回の暮らしレシピ#11 友達とおうちでランチ・食事とうつわ、に引き続き今回は夏の季節を感じる昼呑み和食。です。

◯季節感を家庭でも

季節感を出そうと思ってもなかなかお料理屋さんの様に家庭でするのは難しいですよね。

夏の友人を招いてのランチ、最初に思い浮かんだものは冷奴です。

冷奴は演出一つで涼やかに、夏を感じる事ができます。

ガラスの鉢に氷を入れ、水を張りその中に豆腐を浮かべます。


◯うつわも涼しげに

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使用したうつわは明治期のガラス鉢

この頃のガラスは鉛分が多く含まれていて、弾くとカァーンといい音が鳴ります。

揺らぎのあるラフな手吹きの作りで、今のガラスにはない味があります。

ガラスの鉢に合わせたものは染付の吹き墨です。

ストローのようなもので染付の顔料を吹いて器全体に景色を作ります。

よく有田焼などは山水や草花が描かれたお皿が多いですが、この様な抽象的なデザインの吹墨皿はより清涼感があり涼しげな演出をしてくれます。

◯日本のカトラリー

豆腐をすくう道具として今回は銀製の匙を合わせました。

すくう部分はで、柄はで出来ています。


竹のもの以外も、様々なタイプがあり、デザインも面白いので少しずつ集めています。

こういった匙は夏は冷奴に、冬は鍋料理に活躍してくれそうです。

スプーンやフォークなどのカトラリーは西洋のものがよく取り上げられますが、日本のカトラリーも探してみると新たな発見があり楽しいです。

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◯シンプルな鉢盛

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今回も、3種類ぐらい料理鉢にドンドンと盛って、銘々でお皿に取って食べてもらいます。

お酒を呑むのであれば一鉢ずつゆっくり出しても良いかと思います。

この日のメニューは筑前煮、酢の物、さわらの西京焼です。

田舎な料理ですがそういう力が抜けた料理が普段には落ち着きます

こういう時は少し日本酒も頂きたくなります。

酒器の紹介は後程。

〆は焼きおにぎりにしてみました。

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おにぎりにするとぱくぱく食べてしまえて、なんだかハッピーな気持ちになります。なぜなのでしょう。不思議。焼きおにぎりにするとさらにハッピーです。

◯今回のうつわ

実は前回のワインを飲む時と色味はあまり変わっていないです。

基本はモノトーンガラスの器です。


黒い鉢 青木亮

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白い平鉢 田鶴濱守人

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ガラスの鉢 明治手吹きガラス

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焼きおにぎりの平皿 鶴見宗次

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箸置 中里隆

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挿し色に吹墨の皿。

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うつわだけみると地味なのですが、盛る料理が絵付だと考えると、自分の気持ち良いバランスはこの辺かなと思います。


◯夏の酒器を楽しむ

和食ならやはり日本酒。となると日本の酒器のセットを考えなくてはなりません。

酒器と考えると、まず徳利と盃、になりますが、もう少し気軽な感じにすると片口を用います。

片口は本来はお酒用の道具ではなく、本来液体を他の容器に移す道具ですが、徳利と比べ洗いやすく手軽に使える事がメリットですね。


合わせた50’sのTiffany製。アメリカで作っていた頃のもので、元はお茶用ですが、日本酒を呑む盃にサイズがピッタリで、もう何年も愛用しています。

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もう一つの70's の金沢の窯元、九谷青窯さんのものです。

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酒器を乗せるのはなんて事ない無地のお盆です。

ここでポイントなことはお盆縁の立ち上がりが低いものを選ぶことです。

立ち上がりが低いと、お盆の縁が道具達を邪魔せず綺麗に見えます。

ぜひお盆をお探しの時は意識して見みて下さい。


◯オクラととろろ

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もう一品、これもポン酢(最近美味しいのを頂いたので)の上にとろろオクラを乗せたものですが案外イケました。

ウィスキー用ロックグラスがちょうど小鉢にいいサイズで、我が家でちょっとした発見でした。

夏なのでガラスをたくさん使ってみたくなります。

器を起点に、何を盛って見たらいいだろう、とあれこれ考えることも楽しみの一つですね。


◯おわりに

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はより涼しくはより暖かく演出するためにはやはり器の取り合わせによる所大きいと思います。

ベースとなる、黒、白のモノトーン、にガラス。そこから小皿カトラリー季節感を出せるものを取り合わせていくといい感じに収まり良くなると思っています。

今回だと吹墨のお皿と銀製の匙ですね。夏なのでガラスの量も増やしても良いと思います。

逆になら鉄絵の描かれている器や暖色系の器を増やすと良いですね。

基本のうつわ季節感のある器を分けて考える事がお互いを引き立てる事にもなるので、ぜひ皆様も試してみて下さい。

おわり

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LAPIN ART 坂本 大
現代のうつわと古美術骨董を取り扱うLAPIN ART OFFICE ディレクター。本プロジェクトを通して、自分の大切な物との向き合い方を、自らが描く理想の暮らし方とギャラリストとしての知見を掛け合わせながら提案する。
⬛︎ LAPIN ART ウェブサイト

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