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人気のピエール・ジャンヌレのヴィンテージ家具。その楽しみ方についてー
対談
Gallery Cilulu 徳島佑 × LAPIN ART 坂本大
「わたしの部屋」モデルルームに設置した象徴的なダイニングテーブルとチェアはヴィンテージ家具でピエール・ジャンヌレデザインのオリジナルです。
ピエール・ジャンヌレ作品を中心としたヴィンテージ家具のギャラリー「Gallery Cilulu」オーナー徳島佑さんに、「わたしの部屋」のディレクションを担当するLAPIN ART坂本大さんがお話を伺いました。
充実した内容になりましたので2回に分けてご紹介します。今回は、家具の説明とヴィンテージ家具の楽しみ方についてです。
次回は徳島さんのキャリアと、そこから話が広がり、それぞれの自身の仕事へのアプローチについてなどです。ぜひ楽しみになさってください。
〈前編〉
1.ピエール・ジャンヌレについて
2.日本でのピエール・ジャンヌレについて
3.モデルルームに設置したダイニングテーブルとチェアについて
〈後編〉
4.使って楽しむ
5.投機的な楽しみ
以下にて文字にしておりますので、お好みでそちらもお読み下さい。
ピエール・ジャンヌレについて
坂本:皆様こんにちは。今日も阿佐ヶ谷ハウス「わたしの部屋」の中から撮影しています。今回はGallery Cilulu(ギャラリーシルル)の徳島さんをお招きして家具についてお話していこうと思います。
徳島:よろしくお願いします。
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坂本:最初に僕がInstagramで発見して、問い合わせさせて頂いて西荻窪のお店に伺いました。そしたら山のようにジャンヌレの家具が置いてあって、そこで、今回「わたしの部屋」へ設置したダイニングテーブルとチェアを選びました。ピエール・ジャンヌレについて徳島さんからご説明をお願いできますでしょうか。
徳島:ピエール・ジャンヌレは有名建築家のル・コルビジェのいとこになります。一緒の事務所で仕事をしていて、コルビジェが有名ですが、実は支えていたのがジャンヌレという関係になります。コルビジェもジャンヌレが一緒じゃなきゃダメだというほど信頼を寄せていた人物で、今までコルビジェの影に隠れて有名にはなっていなかったのですが、20年程前にフランスのギャラリーがインドに行った際にかっこいい椅子があると発見しました。その都市はチャンディーガルといいます。コルビジェとジャンヌレが街自体を設計したところで、その時に、ジャンヌレが公共施設のために家具をデザインしていました。これはすごい!となり、オークションハウスを中心にジャンヌレ作品を紹介していき、人気が高まっていきました。
日本でのピエール・ジャンヌレについて
坂本:フランスのギャラリーが最初火を点け、その後、本が出ましたよね。ジャンヌレの本が出版されてそこから日本の雑誌でも紹介されることが多くなりました。
徳島:現在、第二次ブームくらいで2007年から11年くらいまで家具好きを中心に人気が出てそれが一度ひと段落したのですが、2018年くらいからアパレルされている方とかデザインされている方とかアートコレクターとか注目されてきていま第二次ブームとなっている感じですね。
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モデルルームに設置したテーブルとチェアについて
坂本:今回選んだ家具は50年代くらいのものですか?
徳島:そうですね。机が50~60年代に作られたもので、椅子はオイチョギーさんという人が事業を継続する中で作られたものです。ジャンヌレオリジナルのものよりも補強されています。本来はここのパーツはジャンヌレオリジナルだとつかなかったりするのですが、そうするとめちゃくちゃ壊れやすくて、50~60年代のものは鉄のパーツがバンバンバンと直されていたりするのですが、壊れやすいので、少しデザインが変えられいます。フレームのデザインが斜めになっていたり、横の支柱が継ぎ足されていたり・・
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坂本:このあみあみはやはりインドは湿気が多いので通気性をよくするためにとかどこかで読みました。
徳島:籐網ですね。ほんとに暑いですからね。
坂本:ジャンヌレを語る上で外せないのがこのステンシルでしょうか・・
徳島:PHはパンジャブの略で、公共にあったものなのですがインドの人は持って帰っちゃうらしく、それを防止するために所属が書かれています。この椅子は自分が調べたところによると銀行や市役所で使われていたようです。
坂本:行政で使われていたまじめな椅子なのですね。
徳島:だいたい行政系ですね。
坂本:都市計画だから・・
徳島:学校とか市役所とか・・あと個人宅に使われていたものもあります。
使って楽しむ
坂本:最近はリプロダクトも多く作られていて、オリジナルかリプロダクトかで各々考え方があると思うのですが、ひと昔前は絶対オリジナルじゃないといけないとか、僕がやっている焼き物の世界でも骨董だったら珍しいものをひたすら集め、飾って、自慢して悦に入るというスタイルがあった中で、今ちょっとコロナもあってなんとなく変わってきていると感じています。ただのメンコ遊びというよりも、どうオリジナルと向き合うか、生活空間ありきでどうコーディネイトしていくのかという方向へみなさんシフトしていっている様に思います。
徳島:レアだから集めるというよりかは道具としてちゃんと付き合っていこうとか使っていこうという流れには変わってきているとは思います。
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投機的な楽しみ
徳島:もちろん、かっこいいレアだという楽しみ方もできますが、ちょっと下世話な話になってしまいますが資産価値、不動産もそうだと思いますが、いいものだと値段も変わらなかったりすると思いますので、毎年、株とはほほどではないのですが、毎年1%位ずつ値段が上がっているので、上がったり下がったりして、ゆるやかに上がっていて、10年後に1.5倍くらいで売れたり、人気のモデルだと3・4倍で売れたりというのはあります。そういう投機的な楽しみ方もできます。
坂本:アート業界もそうですし、Rolexが買えなくなっていたりとか、皆様いいものに価値を見出すというのは顕著なように見られますね。投機的な目的については批判する人もいると思いますが、それは絶対そうなので致し方ないというか、悪い意味ではないのかなとは思っています。
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徳島:裏を返せば、それだけ評価されているということでもあるし、損をしないという賢い買い方の一つではあるのかなと思います。若い子が、今メルカリでそれをやっていたりもするので世の中的にはそういう流れになっていくのではないかなと思います。買ったものを絶対大切にして売らないという考え方ももちろんあるとは思いますが、使わないものについては売ったり買い替えたりしてもいいのかなという流れにはなってきていると思います。
※モデルルームに設置された家具・調度品はオプションです。
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徳島佑 Gallery Ciluluオーナー
大手アパレルでデザイナーを勤めた後
高円寺にヴィンテージショップ2店舗、
西荻窪にヴィンテージファニチャーを取扱うギャラリーを経営。
(おわり)
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「わたしの部屋」は阿佐ヶ谷ハウスの一室に生まれました
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