わたしの部屋ができるまで #8 ふたつのキッチン
調度品を美しく見せる「わたしの部屋」キーワードは以下の3点です。
・緊張と緩和のバランスの中にある心地よさ
・ものを起点に自分をアップデートすることができる
・ひとを招き、写真を撮り、自分をプレゼンテーションする
これらを念頭におきながらキッチンの計画においては「おもてなしのシーン演出」に重点を置きました。
7月にインスタグラムアカウントにおいてフォローして下さっている皆様にご協力頂き実施したアンケートでは、なんと100%がうつわ好きと回答してくださいました。その約70%の方がひとを家に招きもてなすことが好き、また、約70%の方がコーヒーや紅茶を中心としてお茶の時間を大切にしていると回答して下さいました。
そして、本当に使いやすいことを大切に。今回は、うつわに関する記事を多く手がけるライターの衣奈彩子さんにもメンバーに加わって頂きました。「料理好きのうつわと片付け」の著者でもあり、うつわの作り手・使い手双方の声を知る強力な助っ人です。
こうしてうまれたものがメインの「隠すキッチン」とお茶を美しく淹れる「見せるキッチン」のふたつです。
①隠すキッチン
・クローズ型のキッチンで雑多な準備や片付けの様子は見せません おもてなしの時も緊張と緩和のバランスの中にある心地よさを保つためには、雑多なキッチンは見せたくありません。リビングダイニングには美しくしつらえたものだけが目に入るようにしたい。そのためにキッチンはオープンな対面型ではなくキッチンが部屋として独立したクローズ型を選びました。
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・キッチンの悩みを解消!
出来た料理を一旦置く・洗ったうつわを乾燥させる、ふたつの機能をもつスペースの確保。 アンケートで「うつわを取り扱う上で今の住宅に不足していること」について質問したところ、1位は圧倒的に収納量なのですが、同率で2位が「うつわを乾かすスペース」と「出来上がった料理を一旦置くスペース」でした。
そこで私たちはキッチンの吊戸の下にオープンな棚を設けてはどうか考えました。ここは、常設でものを置かず基本的にはフリースペースとします。作業スペースの延長というイメージです。調理時には出来上がった料理を一旦置くことができ、洗ったうつわを乾かすスペースとしても使うことができます。
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②見せるキッチン
ダイニングには「見せるキッチン」を設置します。水栓や素材などデザイン性にもこだわります。この「見せるキッチン」ではお茶を美しく淹れることができます。
うつわから始まった楽しみは道具集めへ。コーヒー、紅茶から、煎茶、中国茶、茶道。新古の道具集めとその流儀の学び、おいしく淹れる探求と、世界は広がっていきます。
茶事においても懐石料理でおなかを満たし、クライマックスは濃茶・薄茶へ。茶の湯の心を参考に現代のわたし達の暮らしに置き換えるならば、お気に入りのうつわで手作りの料理とおいしいお酒でもてなした後、最後はダイニングテーブルの上を一度きれいに片付け、美味しいお茶を淹れてふるまいます。お茶はその日の気分でコーヒーだったり、煎茶だったり。お気に入りの道具を組み合わせ、お茶を淹れる所作もゲストに見てもらうことができます。
ガスコンロやIHクッキングヒーターなどはミニキッチンには設置しません。うつわを並べお茶を淹れるスペースを確保します。また、ウォーマーなどのお湯を沸かす道具も設えのひとつと考えます。
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「ふたつのキッチン」がある部屋を提案します。
「わたしの部屋」の理念とうつわ好きのみな様の声を掛け合わせ「ふたつのキッチン」がある部屋を提案致します。「わたしの部屋」が大切にする「ほどよい緊張感の中にある心地よさ」とそれに相反するような「実際の暮らし」を両立させるために使いやすさにも配慮もしました。そうして、ひとを招きおもてなしをしたり、写真を撮ってSNSにアップしたりするなど、ハレの日も日常も、ものを起点としてひととつながり、自分をアップデートできる部屋となります。
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★アンケート結果をシェアします 7月にインスタグラムアカウントにおいてフォローして下さっている皆様にご協力頂き「キッチン・うつわ収納について」アンケートを実施しました。とても沢山のコメントを書いてくださり本当に感謝しております。せっかくですのでみな様のうつわ使いの工夫をこちらで紹介し共有させて頂きます。
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W:関電不動産開発 中平
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