2020/4/21 晴れ 東京

目を覚ますといつもと違う部屋にいる。当直室だと気付く。スマホで時間を確認する。遮光カーテンを閉め忘れていたが、7時間近く眠れたみたいだ。引き継ぎまであと1時間近くある。寒い時期にこの当直室を使うときは窓を全開にしつつ、暖房を最強にして眠る。冷気と暖房が混ざる。暑くなると遮光カーテンの下に頭をくぐらせる。冷たい空気が頭を冷却する。するとサウナのととのいに近い感覚を得られるのだ。コロナ禍で心から恨めしいのはサウナに行けないことだ。嗚呼、愛しの鶯谷のサウナセンター(ととのいの最深層)、駒込のロスコ(水風呂が甘い)、池袋のレスタ(最高のととのいスペース)、神田のセントラルホテル(最短でととのう)、豊島園の庭の湯(半日かけてととのう)。コロナが収束したら真っ先に足を運ぼうと思う。8時過ぎに出発し、高速を飛ばす。スピードを出したい気分だったのだ。冷房をつけて、車内を冷やす。レンタカーを返却する頃にはすっかり体が冷えている。しかし、ここ数日のマーク・ボラン熱は一向に冷めやらない。「Get It On」の異様な高揚感に熱狂し、「The Slider」の厭世観に魂を捧げる。「JITTERBUG LOVE」はマイナーだけど堪らなく好きだ。ジャリジャリしたサウンドに最高のシャウト、1:33~辺りのつんのめったギターのかっこよさ!

ロックンロールな気分で重役出勤する。何か仕事があるかい?バディに話しかける。何もないです!オッケー、今日ものんびりしよう。11時から17時までひたすら待機する。忙しいのも辛いが、これはこれで辛い。話題も尽きてくる。疲れているんだと気付く。家に帰りたくなる。あまり気が乗らないが論文をいくつか読んだ。途中うたた寝しつつ、漸く帰宅となる。しばらくぶりの家。うさぎに餌をあげ、洗濯機をまわす。料理は相変わらずやる気が湧かない。食べてくれる人がいないと作る気が起きないのかもしれない。Uber Eatsでまぜ麺を注文し、届くまで仮眠する。少し肩が軽くなる。寝不足だったんだね。食べてまた少し眠る。妻から長文のラインが届く。公的手続きでトラブルがあったみたいだ。電話する。夫婦間の経済事情について、妻に無自覚なハラスメントに気付き反省する。親にされた事を、冗談で加工し再生産することは避けたい。お金のことは難しい。親が子供に本当にしてあげられることは「お金を使う」以外ないんじゃないかと、心のどこかで思っている。でも、妻を見ているとそうでもない気がしてくる。

くるりの20曲というタグを見つけ、プレイリストを作成する。春から冬にかけて、「春風」で始まり「最後のメリークリスマス」で終わることは最初に決めた。「ばらの花」も「ワンダーフォーゲル」も削らざるを得なかった。大好きなチェンバーポップ期の楽曲の多くが漏れてしまったのは自分でも意外だった。『坩堝の電圧』からは1曲も選べず、確かにアルバムを通して聴いた記憶がない。湿っぽくて、意地っ張りで、泣き虫で、音楽しか信じられない若者の肖像。それがくるりだと思うのです。

#くるりの20曲

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