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よく「上司でもないのに、上から目線」などと揶揄することがありますが、もうこのご時世、上司だって「上から目線」だけでマネジメントできると思ったら、時代から置いていかれますよね。特に20代はついてこないでしょう。応援ではなく共感してほしい世代ですから。

組織においても、家庭や友人の間でも「無意識に上から目線」の発言をしていないか、ご自身でも気をつけてみてください。本気で気をつけてください。かくいう私も自戒を込めて、愛される中高年になるために心がけたいポイントです。


1 話の途中なのに自分の基準で判断して突っ込んでくる

こちらが「◯◯なんですよ」と話しかけているときは、何かしらその人とそういう気持ちを共有したいという背景があります。

それをいきなり「そんなの◯◯じゃないか」で、自論を突っ込んでくるのが「上から目線」のコミュニケーションです。自分の評価で会話を中断させる。その人がなぜその話を始めたのかの背景まで気を配ることができたら、もう少し会話になるんですけどね。

人によって価値観が異なる話題、政治、宗教は当たり前、金銭感覚や教育論なども要注意です。

「高い、安い」「買う、買わない」「公立か私立か」「注意するか、褒めて伸ばすか」その辺りは個人差が大きく出るので、断定的な言い方は避けて、円滑に会話してくださいね。

2 教えたがる

「アメリカではさ・・・」「グローバルでは・・・」「歴史上いつも・・・」「過去の前例では・・・」「ビジネスでは常識・・・」

いいんです、いいんですよ。あなたのその豊富な知識を無料で教えてくださるなんて、本当にありがたいです。でも、「言い方」、気をつけてくださいね。

「知ってるかもしれないけど・・・」の枕詞つけてみるとか、レクチャーが上下関係ではなく、give and takeの関係で、あくまで対等であることが重要では?

「知識を与える」「与えられる」の関係にならないように、自分も相手の知識や経験を引き出すような質問で会話が一方的にならないように気をつけてくださいね。

3 ブランド、学歴、経歴、人脈など自慢を挟み込む

聞いてもいないブランド、学歴、企業名や錚々たる経歴、華麗な人脈などを挟み込んでくるのも不快ですね。

上から目線の人の特徴は、自分より優位にいると判断する相手にはこのような手法を取りません。あくまで、自分が優位にいるという前提があって、無意識にマウントを取りに行ってしまうので、不自然さが残るわけです。見下してる感がもうあふれちゃっているのです。

本当に知的な人はその辺りはむしろ謙虚なのですが、そういうネタを挟み込んで会話をする人は「この人はここにしがみつくことがプライドなのだな」「お気の毒に」と思って、やり過ごすことにしています。

4 「知ってる?」質問で試してくる

相手の知識をまるで「試すような質問」が上から目線になることがあります。


このパターンは「ねえねえ、知ってる?◯◯なんだって」と共有したい気持ち前提の「知ってる?」ではなく、「(君は知らないだろうけど)◯◯って知ってる?」です。

そのカッコの部分がまるで聞こえるように感じるから、大抵カチンときます。

結局、その後に続くのは自身の意見の裏付けとなる主張なのですから。

特に「知ってる?」と上からかぶせてくる分野が、相手にとっての不可侵エリア(本人が得意と思っている分野)だと、相手にとっては「はぁ?知らないとでも思ってるんですかね・・・」となり、余計こじれます。(組織の場合、案外上司より部下の方が実情に詳しかったりしますからね)

もしくは「知っていることで優位性をアピール」しているように捉えられないか。

「はいはい、あなたはなんでもご存知なんですね。下っ端はそんなこと知るルートもありませんよ」となりがちです。

逆に相手の苦手エリア(相手が興味ない分野)の場合、話しかけてる側は「共有したい欲求」なのに、話しかけられている側にとっては「知ってる?と試されている」というミスコミュニケーションになります。

特に40代以降の人々、本気で気をつけて

若い頃の生意気は「若気の至り」で済みますし、「自分も通った道」でむしろかわいらしいものなのです。問題は中高年ですよ。

中高年が上から目線でモノを言ったら「憎らしさ」しか生まれません


上司たる者、「可愛げがあるかどうか」が部下が支えてくれるかどうかの分かれ目です。(もちろん、圧倒的尊敬で可愛げ不要の方は別格)

うっかりミスをする。モノを忘れる。同じ間違いを何度もする。

そのとき、間違っても逆ギレしたり、ごまかしたりしてはいけません。

素直に非を認められる。すごく大切です。

「もう、しょうがないなぁ」

くらい抜けている上司(でも肝心なことはしっかり判断できる)のほうが、確実に部下のサポートを得られます。むしろ隙のない完璧人間より人間味があって、部下も伸び伸びと能力を発揮しやすい、心理的安全性が保たれるので。

私が過去相性のよかった上司を思い浮かべると、本当に皆さん「優秀なのに、全然上から目線じゃなかった」人ばかりです。上から目線だったとしても、親分肌、姉御肌というような、頼もしさだったら話はまた別。それはそれでご本人のキャラとして、ガンガンツッコミを入れられる関係が理想です。

上から目線の人が一番気をつけなければならないことは、「誰からも突っ込まれなくなる」ことです。これはもう周囲が諦めて、会話する心を閉ざしてしまう時。こうなると修復はかなり困難になりますよ。


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