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【X-T4】NOKTONのボケがとろとろ過ぎて気持ちいい #015

妻と神戸布引ハーブ園に行ってきました。妻ははじめて、ぼくも数年前に行ったきりでカメラを本格的に持つようになってからは初の訪問でした。

自然をたくさん感じられて本当に気持ちの良いところで、妻はかなり気に入ったようです。ぼくも過去の記憶以上に楽しめました。

ぼくは久々にX-T4を持って行きました。カメラというよりは、植物を撮るのにNOKTON 23mm F1.2を試したくてというのが一番の理由です。

実は最近、この前買ったNikon Z6IIIにつける単焦点としてVoigtlanderを調べてまして。NOKTONかAPO-LANTHARのどっちが良いのか、手持ちのレンズでまずは試してみたいななんて思ったりして。

いや、改めてVoigtlanderは恐ろしいレンズですね。どっぷり沼に引きずり込まれています……。

ということで、ハーブ園に持ち出して良かった写真をいくつか紹介させてください。

とろとろのボケと曖昧なピント面の美しさ

まずは似た構図の2枚。どちらも開放F1.2で撮影しています。

ACROSS
Lightroom

NOKTONはVoigtlanderの中でも明るいF値を持つレンズにつけられる称号。換算35mm画角でこのボケ感というのが、やはり最大の特徴です。価格やサイズを考えると唯一の明るさだと思います。

どうですか、このとろとろのボケ。どちらも草が入り乱れたごちゃごちゃした背景ですが、雑味のない柔らかなボケが広がっています。

そしてもうひとつの特徴がこの曖昧なピント面。

たとえばSIGMAなどに代表されるような、現代レンズの特徴とも言える開放からキレキレという描写ではありません。しかし、ピント面が優しくボケと馴染んでいる描写は、作品に一切の嫌味を感じさせません。Voigtlander以外のレンズでは手に入れ難い表現力だと思います。

マニュアルフォーカスというメリット

Voigtlanderのレンズを検討する中、一番のネックになるのはやはりMF(マニュアルフォーカス)という点かと思います。ぼくも、最初は扱えるか不安でした。

ただ、今のデジタル一眼機には基本的に、ピーキング(ピントが合っている場所の輪郭を強調する機能)やピント拡大機能が搭載されているため、想像よりも難しくないかもしれません。

Pro Neg. Hi

またもや同じような構図ですが、この写真はMFの良さを存分に活かして撮影しました。

この写真ような被写体であれば、やはり光の当たっているお花を主題として捉え、正確にピントを合わせたいもの。しかしこういった、複雑に入り組んだ草木をAF(オートフォーカス)で捉えようとすると、狙ったひとつの小さい花にピントを合わせようとしても、あちこちに迷子になってピントがうまく合わないことも多くあります。

その点MFであれば、自分がピントを置きたい場所に正確に合わせられます。もちろん多少の経験と慣れは必要になりますが、MFアシスト機能があればそれほど難しいことではありません。

Lightroom

こういった最短撮影距離での撮影もMFならではの良さを発揮できます。

フォーカスリングを最短まで目一杯回し、被写体にレンズをグッと近づけてから、少しずつレンズと被写体の距離を離していけば、ピントの合う場所が見つかるはずです。そこが最短撮影距離となり、被写体が最も大きく写せる場所です。

AFだと上記の手法は取れないため、感覚で最短の場所を探るしかありません。これらのようなシーンでは、AFレンズよりもスムーズに撮影を行うことができます。

ちなみに、NOKTON 23mm F1.2は上の作例の通りかなり寄れて、なんと0.18mとのこと。これはやはり植物撮影に向いていますね。

絞った時の描写力は一級品

先ほど、曖昧なピント面がクセになると書きましたが、これはあくまで開放の使い方。

個人的な体感としてはF2くらいから、かなり明確なピントを得ることができると感じました。

Lightroom F2.0
Pro Neg. Std F4.5

ポートレートはやはりF2がおすすめですね。

風景写真はセオリー通りF8〜11くらいまで絞るのももちろんいいですが、F4.5の明るさと曖昧さを活かして雰囲気を残すのいいかなと思います。

ちなみに半絞り(F1.4〜1.8くらい)の良さも十分感じられます。半絞りの場合は周辺減光がほとんどなくなるため、減光を味と捉えるか雑味と捉えるかで、開放との使い分けをするのが良さそうです。

PROVIA F1.4

カメラの楽しさを再発見する

正直NOKTONが手持ちのレンズで一番好きです(たぶんころころ変わりますが笑)。

撮影する楽しさと、開放描写のクセが好みすぎる。ハーブ園で撮った作例をいくつか置いておきますので、参考になれば嬉しいです!

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