肌黒いからこそ日傘さしてんだよ。わかる?

私は地黒で生まれた瞬間から肌が黒かった。


幼少の頃はとくに気にはしていなかったけど、世間が色白至上主義であることに気づき、高校生くらいから段々肌の黒さをコンプレックスとして感じ始めた。


そして、「元々肌が黒いんだから日焼けは絶対したくない」と思い、日焼け止めを塗って登下校するようになった。

次第に日焼け止めだけでなく、日傘もさしたい思うようになってきた。



だけど、通学時に日傘をさすことはなかなかハードルが高かった。

朝の通学路で日傘をさしている生徒はまず見ないし、いても、すごく美容に気遣っている肌の白い女子だった。

色黒で特に美容に気を遣っていた訳でもない私が日傘をさすと違和感が生じるのだ。
そんなキャラではないと自分でも思っていた。


だけど、友達も少なく登下校は一人でしていたし、周りに流されない一匹狼のような性格の高校生だった私は、勇気をだして日傘をさして登校した。

日傘をさして登校していると、視線を感じることもあったが、学校内の人間関係について鋼のメンタルだった私は全くそれを気にしなかった。




ある時、日傘をさして投稿していると後ろを歩いている男子生徒たちが話しているのが聞こえた。



「すげえな」
「ね。傘」
「でも、黒くない?」
「だよね?」
(笑い声)


それを聞いて私は振り返って



「黒いと日傘さしちゃダメなんですか?黒いからこれ以上黒くなりたくなくて将来シミを作りたくないし、普通に日差しが暑いから日傘さしてるんですけど」


と言った。









心のなかで。





さすがに、そんなことはできなかった。

あとから本当に言ってやればよかったと後悔した。

純粋に彼らがどんな反応をするのかを、見てみたかった。





今でも街中で日傘をさすのには気が引けることがある。

「あの人、黒いのに日傘さしてる」

そんな声が聞こえる気がして。


「日傘さすほど気を遣って対策してるのに黒いじゃん」

というような考えから、黒いのに日傘をさしている人に違和感が生じてしまうことは理解できる。 



 だけど私は地黒でこれ以上黒くなりたくないしシミ対策のために、あとは単純に暑いから日傘をさしている。 


周りの邪魔にならないように気をつければ、日傘は誰でもさしていい。
どんな肌色でも。どんな年齢でも。どんな性別でも。


あの日の彼らに、彼らと同じような考えを持つ人に、言いたい。

「肌黒いからこそ日傘さしてんだよ。わかる?」

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