化学療法中に氷を舐める

化学療法ネタ・口腔ネタ

化学療法中に氷を舐める:
癌化学療法に関連する口腔粘膜炎の予防における経口凍結療法の有効性:メタアナリシスと試行逐次分析による系統的レビュー
Efficacy of Oral Cryotherapy in the Prevention of Oral Mucositis Associated with Cancer Chemotherapy: Systematic Review with Meta-Analysis and Trial Sequential Analysis
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8395421/#app1-curroncol-28-00250

以前から気になっていた。

方法は、こんな感じ。
凍結療法は、メルファラン注入の30分間の開始の30分前に開始され、治療に応じてさらに1.5時間(合計2時間)または6.5時間(合計7時間)中断することなく継続されました。腕。患者は、凍結療法中は他の経口摂取を控え、口の中にある大さじ1杯の砕いた氷をすぐに補充して溶かすように指示されました。最終的な分析は治療群に基づいて治療することを意図していたが、凍結療法の実際の期間はすべての患者について登録された。
https://www.nature.com/articles/s41409-019-0468-6

結構、つらいじゃないかと思って、躊躇するが、害はない。

第1段階:SRの質:PRISMAなのでOKだが・・・。やはりこれはダメだな~と思う。後で説明。質は低いのでは。

第2段階:エビデンスの確実性:
C:対照群は、プラセボ、無治療、または他の積極的な介入を受けました。
O:主な結果はOMの発生率でした。評価された副次的結果は、入院期間、疼痛スコア、および鎮痛薬の必要性でした。

リスクオブバイアス:ブラインドできないので、それは仕方がない。痛みでなく発生率なら、ブラインドのリスクは少ないかも。

非直接性:化学療法の違いで変わるのかな~。RCTなので、差がないはずだが2群間で化学療法の違いがあるとだめだな(これは、RoBですが)。サブグループ分析でいろいろ書いてある。

非一貫性:これは、あるとされている。しかし、1をまたいでの違いでなく、1以下の中での違いのようだ。ここもサブグループ分析で記載あり。

不精確さ:TSAで充分だったとなっている。
TSAの図の見方:相原先生が説明しています。
http://aihara.la.coocan.jp/?p=3920
TSAのソフト: https://ctu.dk/tsa/

出版バイアス:なさそう

でも、そもそも、たとえば、Yin Luの論文は4つのアーム。それを、1つのメタに3つの組み合わせで組み込むと、Yinの論文の重みが大きくなるので、基本的に行わないはず。

メタ分析のウェイトをみても気になるな。また、これでTSAを解析しているのなら、同じ研究を外すと症例数が少なくなり、TSAの解析結果が違ってくる可能性もある。

また、GRADEアプローチで中等度とあるが、付録の、Table S6: summary of findings and level of evidence for OC meta-analysis をみても本文を見ても、一体、どの要因で1ランク下げたのか不明。RoBなのか、非一貫性なのか?

そんなこんなで、中等度というより、低ぐらいのが良いのでは?その前に、第1段階のSRの質が低いのでは。だったら、読むなとなる。よって、エビデンスの確実性は非常に低としておこう。

重複研究を外しての再解析は、どのアームを使うのか元論文にもどらないといけないので面倒くさいのでやりません。

第3段階:結果:氷療法で、粘膜炎の発生率減少。エビデンスの確実性非常に低

第4段階:適応:害もないので、患者が受け入れたら行ってもよいと思う。

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