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何でもないけど何でもある-20200817

コンビニでアイスを買うのが好き。

私にとってのコンビニは、昔から少しだけ特別な場所と設定されている。
田舎に住んでいると、近くのコンビニまで車で5分以上なんて言うのはザラ。今は自転車に乗って数分で行けるところにできたので物理的にも近い存在になったものの、徒歩ではちょっとだるいぐらいの距離感を保っている。

私にとってコンビニは『どこかに出かけたときだけ寄れる場所』だった。
夜中の静かなコンビニにロマンがあるように、私にとってはコンビニが持つあの雰囲気すべてが特別な存在なのだ。

私の母は夏になると"母親を全うする"という使命のために、私と弟を色々な場所へ連れて行ってくれた。これは母本人が言っていたことなので特に他意はないです。
海に2~3回、花火大会、友人たちとBBQ、親戚の住む土地で毎年行われる大きなお祭りにも、地元のお祭りにも行った。まだまだたくさんどこかへ行ったが、どこへ行っても帰る際に必ずコンビニへ寄る。
私はそれが大好きで、疲れて眠かろうがコンビニに寄るまでは必ず起きていた。母曰く「コンビニに寄らないとこいつらが寝ない」と思っていたらしい。おかげで娘は立派にコンビニが大好きな人間になりました。

特に海の帰りに食べるアイスが好きだった。
いつも15~16時ごろには撤収するスケジュールだったので、まだ明るい時間帯にシャワーを浴びて日焼けした体を冷やし、道が混む前に帰路につきながら海水浴場の近くにあるコンビニでアイスを買う。コンビニに着く頃には夕暮れに差し掛かろうとしていて、ひぐらしの鳴き声にちょうど変わるぐらいだったと思う。
私にとっては海よりもコンビニがメインイベントだったかもしれないと錯覚するほど、鮮明に記憶に残っている。
海でお湯を沸かして食べるカップラーメンも好きだったけど、帰り道のコンビニには勝てないなあ。

何でもない日常であるのに、非日常を感じることもできるのが愛おしい。思い出と紐づきやすいが故の特権なんだろうと思う。
だから一人でどこかへ出かけても、必ずコンビニに寄ってアイスを食べながら帰る。これが一つのルーティン。
そういう小さい思い出と幸せをいつまでも忘れないように生きていたいし、これからも深堀りしていきたいなと思う。
そして個人の持つ少しだけ特別でささやかなものを、誰かと共有できるともっと幸せだなと少し思った。


こんな世の中ではあるものの、色々な人たちとみんなでご飯を食べることが増えた。
1回こっきりの限定家族のような食卓。とても楽しい。
ご飯が美味しいというのは幸せなことです。

夜に自転車に乗り、肺の隅々まで空気を吸い込むのがたまらなく気持ちがいい。
夏、終わらなければいいのにな。







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