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潮の味-20200816

この歳になると『海に行く=海に入る』という概念がなくなる。
そもそも海に入るって何?入ってどうするの?みたいな気持ちにすらなる。
海は大好きだし昔は海水浴が大好きだったのに。大人になるって悲しいね。


友人から「明日海行くけどどう」みたいなラフな連絡がきたので「行けたら行くわ~」ぐらいのラフな返事をした。
母の熱いリクエストに応えてバターチキンカレーを作るミッションをクリアしなければならないので、それがうまくいけば行こうかな~という軽い気持ちだった。
なんやかんやバターチキンカレーランチがサクサクとうまいこと行ったので「行こっかな~」と海への切符を買った。
ちなみにナンもバターチキンカレーも百点満点の美味しさでした。やったぜ。

友人たちと合流し車に乗り込む。
会話の中でさらっと出てくる「水着」というワードに思考が硬直する。海に行くということと海に入るということがうまくイコールで結ばれず「そういうこと?!」と驚いた。そうか、海に行ったら海に入るのか。まあ何とかなるっしょと海へ向かう。
到着即海にダイブする知人。ひとりふたりと水中へと消えていく。

私に至ってはスポサンで来てよかったね!ぐらいしか海と対峙できるアイテムがなかった。タオルもないからね。何をやっているのかな。
濡れたら服が乾かないから、タオルがないから、という理由で足踏みをするつまらない大人になってしまったと思った。
晴天のディズニーで水浸しになった時に、こんなにも晴れているのに全然乾かなかったな、という体験が足を引っ張った。なぜなら大人だから。
というか何ならそもそも水着を持っていないな。1着くらい持っててもいいのでは?とも思うが、水着を使うことが10代以降全くないのでもう着ることもないだろうしそこはまあいいや。

海に入るアイテムが無いなりに意味不明な石垣のような場所に横になり「あ~日焼け止めすら塗ってないな~」と一瞬眠りに落ちる。極寒の中眠ってしまう人もこんな感じなのだろうか。違うか。
誰もいないので夏のプレイリストを再生し、波の音と蝉の鳴き声を全身で浴びた。暑いのは好きではないが、こういうシーンにおいては暑くてもいいと汗だくになりながら思った。
あとビールがあったら良かったなとも思った。

海に対してフラットでシームレスな付き合いをしている人たちがすごいね、という話をした。


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ひとしきり海を満喫して、The Old Busでお酒を飲んだ。
ジリジリと鳴いていた蝉の声は、いつの間にかカナカナと夕暮れを告げていて気持ちがよかった。

The Old Bus
https://www.instagram.com/theoldbus/

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この上ない贅沢だった。
あんまり言葉にしたくないな。


中華を食べて1日を締めくくる。生ビールの助かること。
「今日失ったすべてがここにある。」と唐揚げを食べた。

今年の夏は死んだも同然だと思っていたのだけど、なんだかんだしっかり夏を感じている。
顔にかかった海水の塩辛さを思い出してそう思った。




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