衣食住という当たり前のこと-20231209

引っ越しました。
インスタでも書きましたが、まずひとつめ、御殿場を完全に離れます。
ふたつめ、知っている人は知っている、熱海の工事していた家も離れます。

2021年1月、家族が解散というより私が家族ごっこから抜けました。
そこからバックパック一つでマウント劇場に転がり込み、私のこの約3年がスタートします。
そこから様々な文化圏の人たちと出会い、今の私まで繋がってくるというわけです。恐ろしいね人生って。本当にたくさんの出会いがありました。もちろん失ったものもたくさんあります。

まず一つは家ですね。家ってなくなることがあるらしい。
当初は「ホームレス笑」と笑っていましたが、今振り返るとホームレスでもないなんと中途半端な状態なんだろうなとは思う。でも間違いなくメンタル的には確実にホームレスそのものだった。家を失っているという確かな実感。屋根はあるけどそこはかとなくネコチャンのおしっこの香りがする熱海のベッドで眠り続けていたなあ。なぜ…?
家の3分の1が土で、トイレはあるが扉がなく、蛇口もあるが排水がないので排水をバケツに溜めてトイレに流すという方法で過ごしていました。お風呂はもちろんありません。これを文字に起こしていると、なんだそんなもんか〜あんまりおもんないか…とすら思ってくるぐらい私の中では当たり前になってた。
果たしてこれはホームレスなのか否かとは思うけど、でも家賃は発生しているのよ。哲学みたいだね。

御殿場の部屋も結局は母体が宿泊施設なので、最近の営業形態である「1日1組貸切」に変更されてからはお風呂も入れず、トイレもまともに流れず、ちっさい蛇口からバケツに水を汲んで勢いつけて流す方式の和式トイレで、キッチンもなくほぼ毎日外食と温泉に入りにいってました。人参湯がなくなってしまった皺寄せが辛かった。すごい勢いでお金がなくなっていきました。
しかも温泉に関しても同居人が「今日はお風呂いいや」というと温泉はなし。(私が酒を飲んでしまっているため運転ができない)そうなると思いつくのはそうです、ジムです。ジムをシャワー室として使ってました。マジですまないとは思っている。気が向くと運動してた。でも大体酔ってるから運動できなくて本当にシャワーだけ浴びて帰ってました。
お風呂が居住エリアについてからも「水の流れる音が防音できてなくてうるさい。宿泊者に聞こえてしまうからなるべく夜は流さないで。」と言われ、結局遅い時間にお風呂には入れず、朝起きてトイレに行ったら同居人の汚物がそのまま残っていて大発狂したことがあります。そこまでして流水音を宿泊者に聞かせないという理論が私には理解ができん。

というのは最近の話ですが、1日1組でなかった時のゲストハウススタイルの時も気を使うことがかなり多くて、慣れるまでに相当な時間を要し、かなりのストレスも受けていました。自分のコップを勝手に使われているとかそんなこともストレスだった。そんなことで大泣きしたりしてた。今考えると信じられないけど自分が限界だったことだけはめっちゃわかる。
宿の回転が上がり、売り上げが上がると嬉しいけど売り上げ上がったところで協力したとて私にはなんのバックもない上に住むのにはちょっとしたストレスがあり続けるという状況だった。まあこちらに関してはお家賃を実際は払っていなくて、そのほかのことで相殺させてもらってはいたけどそれ以上にストレスの方が強かったです。
元々そんな環境を良しとできるようなサバイバル人間ではなく、「宿泊と言ったらビジネスホテル、他人の影を感じたくない、共用とかマジで無理!」というマインドの持ち主だった私がこの環境に慣れるのには本当に時間がかかりました。
今ではゲストハウスとか全然大丈夫だけどね。当時は毎日少しずつMPが削られていく感覚でした。発狂しないわけがないね。

そんな生活を約3年送ってきました。
今思えば、もう少し楽しめたかもとか、動画とか撮っておけばコンテンツやエンタメに消化してこの気持ちを殺すことはできていたのかなとは思いつつ、それは多分心が健康でないとできないことだったと思う。
慣れきった今ならできそうだなとは思いました。限界キッチンの限界クッキング!みたいな。笑。
は?笑えんが。

結構色々書いたけど、それでも本当にここでは書ききれないぐらい色んなことがありました。
でももちろん嫌なことばかりじゃなかったです。
ゲストハウス時代はお客さんにご飯を振る舞って一緒に食べたり、仲良くなって一緒に飲みに行ったり、連絡先交換して今でもやり取りしていたり、旅行でそっちに行ったら連絡するね、とかお互いにやれるようなラフな関係をたくさん築くことができて本当に楽しかったし、今でもかけがえのないものだと思っています。
タコスパーティしたりヒレカツパーティしたり楽しかった。


と、ここまで超忙しくなる前(11月前半)に忘れないように書き留めたことに追記しています。
引っ越しが終わってちょうど1ヶ月くらい。怒涛の夜逃げスタイルで引っ越し終えて、先日やっと段ボールを全部開けた。
ブラインドも届いて、一人暮らししているという自覚がやっと芽生えてきて、こんなに嬉しいことはないと心の底から嬉しいです。床に座れて暖かいお湯が出て、コンビニのご飯で過ごさなくていい。
当たり前のことがあまりにも尊くて、苦しいほど嬉しい。本当に。

ずっと信じていた、信じようと努力していた人と、良いことも悪いことも辛いことも楽しいことも、食事も生活も共にしていたし、熱海の家を作って暮らすという大きな目標も立ててひたすら前に進んでいたけど、叶わずに終わってしまいました。
残念だけど、今ここで終わることができてよかったなと思っています。
終わることができる自分でよかったと自惚れさえある。

全部全部、こころの端からこぼれ落ちていってる。いつか本当に全部忘れちゃうんだろうか。
忘れたいから頭の中から言葉を引っ張り出しているのか、忘れたくないからここに残しているのか今もずっとわからないまま今日はここでおしまい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?