もらったみかんがあまかった-20231222
怒涛の約2ヶ月が終わった。
もう10月からの記憶が全くない。というかもはや今年の記憶が全て塗り替えられてしまったぐらい毎日全部がすごかった。同じようで同じような日は1日たりともなかったけどほとんど記憶がない。脳に何か問題でもあるのでは?というぐらい記憶がない。嘘です、楽しかったことがたくさんあったのはちゃんと覚えている。
辛いことと嬉しかったこと、悲しいこと、幸せなこと、全部味わったと思う。
パートナーに裏切られて夜逃げして、面倒見てた後輩にもびっくりすることされて、引越し作業しながら過労死ラインまで働きまくって事故ったり。
人生を凝縮したような2ヶ月間。仕事について、生活について本当に考えたし、人間関係についても全〜〜部考えた。
泣きながらすでに閉まってるおでん屋のドアを叩いてお母さんに店を開けさせ、オエオエしながら話をして聞いてもらった日のこと、絶対に忘れないんだろうな。あんなに「限界」の2文字しか出てこなかったことがかつてあっただろうか。
体が丈夫で本当に良かった。
毎日毎日同じルーティンをこなして、ただ守るべきものと大切にすべきものだけを見て走り続けた日々を終えた今日、久々にいつも行っていた公衆浴場へと足を運んだ。
浴場へ向かい先客に挨拶して体を洗う。ざぶんとお湯に浸かった瞬間に全身の血が巡り出し、自分のいる場所がどこなのかやっとわかった気がした。
つま先の感覚、肌に触れているお湯の温度、全部をちゃんと感じる余裕がやっとできて、あああ〜と思っているうちに先客のおばちゃんに「あんた久しぶりね、○○の子でしょ?」と声をかけられた。銭湯の自治を教えてくれたおばちゃんだった。他愛もない話をして、お湯に沈む。
次に入ってきた人とも話をして、その人の店でバイトを募集している話をされてとにかくお店に来るようにと言われた。行ってみよっかなと思った。
久々の浴槽に浸かり、血が巡りすぎて気持ち悪くなる。ひんやりとした外気を吸って自宅へ帰る。玄関に入るとつけっぱなしのエアコンが暖かく迎えてくれて、その瞬間に「生活」に戻った自覚が急に湧いてきて涙が出た。
こんなに暖かい家に帰ったのは何年ぶりだろう。全部自分だけのもので、自分だけの時間で、スタッフの私ではなく、私の人生の中の私にやっと戻ることができたのだなと実感してさらに涙が出たし、嬉しくてどうにも踊り出したい気持ちだった。
やっと私の、私の人生が始まったのだ。
今日この気持ちは忘れてはいけないものだと思うのでここに残します。
おしまい
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