ベロ姉の妹

『 B面 』アユニ、ウチかしら ★ ウチ、誰だろね

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  • 【みんなで創る】クロサキナオの運営マガジン

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  • シン ★ 大日本人 - 1日目

    アンニュイ & 超絶ストレス(≧▽≦)最凶コーデ

最近の記事

第11話

逃げたくなって腰が引けまくってる 経験値皆無なスライム女子 でもそんなジレンマが行動力になるわけもなく あたしB面の仕組みは 同級生の皆さん方が 行動力の起源になるはずの 若さ溢れ出て 悔しい!!みたいな感情が あたしのようなB面女子にとっては 自分の身とは無縁の 漫画の世界のような絵空事みたい この先の将来を 身近に感じられるほどの バイタリティが備わってないから なんて言うか HSP気質な余計な気づけるパワーが 頭をフル回転させてしまってる だからリーダーって人より

    • 第10話

      クラスメイトのルミカがよく言ってる 友だち登録数4桁いったって そんなのゴキブリの繁殖並だよ あたしなんて ちゃんと名前把握できるの 天衣スズエちゃんその一人 誰かって? その子の話はまた今度 あたしのスマホやPCは パパが職場の忘年会で ビンゴで当ててもらったものだとか でもそれ多分嘘 色だってあたしの好きそうなピンクだし どうせ買ってくれたんだよね この小さい部屋にしか居場所のない あたしのB面の要素を危惧して 例えこの機械の中でもいいからコミュニティ作れたらって せ

      • 第9話

        そんなあたしB面は 担任や大人たちからしたら 積極性に欠けるし コミュニケーション取れなくて 将来のニート候補だって それもうあたし自身が一番に自覚してる そうなってしまってるから 変わろうにももう無理でしょう? 今の世界でバランスとるのにいっぱいいっぱい 年相応の引き出しなんてない バイタリティも皆無だし 自発的に動くスタミナも欠けてる 欠けたものが多い不良品だから それがみんなにバレないように 『いかにもひとりが好きなんです』 そうラッピングして武装して 友達作る機会も

        • 第8話

          あたしだけが誰とも会話しないそんな毎日が続いても みんなが違和感なく教室で過ごせますように その禁忌に担任が気づくことがありませんように 息をひそめて ひっそりと B面のあたしは存在してる あたしの存在が クラスに波風立てたりしないように ひたすらに『読書中』っていう 武装してる そうでもしないと 授業中いたたまれなくて 『本読んでる人に  あえて声かけて邪魔したりしないよね  だからみんなは  あたしのこと無視してるわけじゃないんだよ』 そんな空気を纏いながら 得意の存

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        • シン ★ 大日本人 - 1日目
          8本

        記事

          第7話

          クラスメイトを気付かないよう見渡すと キラキラ輝いてる 『ウカツなポジティブさ』 ズカズカと他人の敷地に踏み込んでく 『ガサツなフランクさ』 その無限に生まれる海のしぶきのように輝く それが恨めしく羨ましく感じる あたしのようなB面は まるでパンドラの箱だ 誰ひとり近づいてこない 公開処刑のような生活 それが当たり前になってるから 誰も気にかけないし あたし自身も波風たてたくないから あたしという寂しい存在に注目されたくもない 授業中のが楽だ 休み時間はなにをしたらいい

          第6話

          周りを見てたらね 自然にともだちがともだちになってくさまが 目に入る 『ともだちになろう』 『よろしくね』 そんな言葉はなくても 自然に輪が広がる でもそれってあたし『B面』にとってはこなしがたい 『努力』 なかなかできないこと 普通の人は気軽にできること あたしには相当の勇気と努力が必要 テレビ番組でよくある 南米の部族が 東京の都会にやってきて 文化の差にあたふたしながら 順応していく あたしたちが『B面』が 学校で生活していくには そのくらいのパワーが必要なんだ 背

          第5話

          昼休みの時間は 読書したり 誰かに手紙書いてるふりしたり そんなことしてなきゃ ぼっちがみじめで仕方ない 同情の眼差しが情けなくて 不要ですって イキってみる でもそれが更にクラスメイトとの間に壁作ってる コミュ障で社交性ゼロだけど 自分ではわかってても 他人からそう思われたくない こんなことしてちゃだめだ 自分が辛いだけだって わかってるのに もうむり 他人と向き合う代わりに この友達ひとりも作れない できそこないの自分が周りからどう思われてるだろうか そんなことばかり

          第4話

          時計を見るとAM8:15 パパとママが起きてくるまでは この空間で 大好きな食べ物たちでお腹を満たしながら 安心して幸せな時間を過ごせるんだ こんなに寂しい青春してるけど あたしには それを伝える友人も知人もいない LINEのともだち ずらずらと並んでるけど ID交換して よろしくのスタンプ押したあと なんのやり取りもしたことない そんなんばっか 何が『ともだち』だ ただ連絡先交換しただけの人が みんな『ともだち』なら 世の中争いごとなんて起きないんだよ 教室の隅でひっそ

          第3話

          世の中がざわめきだす午前10時のリミットまでは 自分だけの空間で夢見心地で過ごしたい そんなあたしの楽しい気持ち以外 全部なければいいんだ 全部全部きえてしまえ そんなことを考えながら ちょっとトイレに行きたいことに 気づいてしまった残念な時は まるで忍者みたいに 家族が起きないようにそろそろと 息を殺してゆっくり歩く 嬉しくない特技だけれど 『気配を消す』 それ得意満喫してる時間ほど 存在感溢れでちゃうから あたしの存在感って常に希薄 そろりそろりと家族を起こさずに 部

          第2話

          学校にいるとき 働いてるとき 友達と遊んでるとき みんなが行動してる時間は なんだか息苦しくって 周りの生き生きとした輝きに あたしのモチベーション全部 根こそぎ持ってかれる気がして 気持ち悪くなったり めまいしたり こころからくる体の不調起きちゃったり とにかく社会っていうくくりに モチベーション全部持ってかれる 塾に通ったり カラオケ行ったり 先輩の部屋にたむろったり 彼氏の話で女子トーク盛り上がったり 同じ年の子たちが 青春を謳歌してる時間に あたしだけひとりぼっち

          第1話

          あたしは安仁屋アユニ パッと見普通なおんなのこ 『幸せとは ゆとりのこと』 なんだそれ 斜めから 日常世界を客観視してる それを『B面』て表現する思春期真っ盛りの ひとりっ子 たとえば 学校行かなくていい休日 早起きして OLの朝活かのように オリジナルの漫画を描いてみたり 撮り溜めたDVDを永遠と見続けたり ぼーーっとした時間を過ごしてみたり 休みの日はみんなで 集まってカラオケだとか 友だちと買い物行ったり 彼氏とデートしたり なのにあたしはこの箱の中で 知り合いのイ

          プロローグ

          安仁屋アユニちゃんが心の中を淡々とつぶやきます。 病んでる? いや、まだあたしはそこまでいってない。 こころに効くクスリも必要ないし、学校だってちゃんと行ってる。 でもなんだろう。 この国は、この世界は、とても生きづらい。 生まれてきてハッピーだなんて感じられない。 辛いんだけど、 何が辛いかって具体的に言えない。 あたしが誰かを必要としてないのと同じで、誰もあたしを必要としてない。 あたしが消えてもきっと誰も泣かない。 そんな世界であたしは生きてる。 ----