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小説 オレンジライン

仮に100人の知人がいたとする。そのまた知人にも同様に100人、すると知人の知人は1万人になる。1本の中央線に乗る人の数は混雑時で約3000人。知人の知人が2、3人は乗っている計算になる。 

僕らは必ずどこかで繋がっている。
隣の席の男は友人の父親かもしれない。
席を譲った老婆は恩師の母親かもしれない。
駅前のコンビニ店員は恋人の幼馴染みかもしれない。
路上で歌う男は上司の息子かもしれない。

東京駅からはじまる二十四の小さなストーリーは、一見、まったく関わりのない人々の、さまざまな時代のエピソード。
主人公、鷺坂裕一と平沢由香を取り囲む十数人の登場人物は、約70年にわたる時代の中、必ずどこかで繋がりを持っている。 流れる時と移り行く場所は一本の線路に沿って、終着駅の高尾で2042年に結ばれる。これはそんな物語である。


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