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ジェスカイメンター/ジェスカイアルカニスト2021 考察2

の続きです。

先日のデッキですが、ありがたいことに大変多数の反響を頂きました。優勝への祝福に加え、「使ってみたい」/「実際使ってみてレガチャレのTOP8に入賞した」との声、

更には複数のメディアに記事のメインとして取り上げられる等、冥利に尽きます。

ご存知晴れる屋メディアのUSA Legacy Expressによる特集。


>Last Saturday’s Legacy Challenge was dominated by mw_94gA, who went a clean 9-0 with an original brew, which is a very rare occurrence in Legacy, especially these days.

(スイス初戦で負けた所から這い上がっての優勝なので、実際には土付かずではないですが)それでも嬉しい評価です。

learntoloveことRich Callによるサイドボードガイド付きデッキ詳説。筆者自身、「かなり詳しいしデッキリストに込めた思考がきちんと伝わっていて嬉しい」との感想を持ちました。(sbにちょっと異論はあるものの。どうしても動きにムラが出る、FoW少量残しが筆者はあまり好きではないです)

ご存知イゼ速。

また、現レガシー神として知られるMOパンダさんの配信で実際動いている場面が見られます。

さて、本記事の内容ですが、前回はコンセプトの大枠を記述したのみだったので、今回はそれに追記した上で各カードについての私の意見を書いておこうと思います。とはいえ、実際お使いの方はそれぞれお好みでいじっているでしょうし、「そのカード/枠については私はこんな風に思います」位で緩くお読み下さい。意見には多分に私の嗜好によるバイアスがかかっていると思いますし。

コンセプトの続きは、散見された疑問への回答という形にしたので、見出しからお好きな疑問の所に飛んで下さい。

アルカが強いのは知ってる、相殺が強い(と私が考えている)のは前回の記事で分かった。メンターは?というか白である必要は?


このデッキは、自分の中では普段使っているURgデルバーの難点を克服するためのデッキという位置づけ。UR系デルバー(RUG, URg, UR)は環境最強デッキの一角ではあるものの、それでも一部不利がつく相手がいるのは広く知られた所。

具体的にはSnowko、デプス、ホガーク。ただしこの3デッキはUR系デルバーが不利になってしまう理由に差があり、

Snowkoは単純に全力でデルバーを殺すためのカード選択をしているので不利、デプスとホガークは、20/20や8/8等、UR系デルバーの構造的弱点である稲妻圏外の生物の早出しを突いてくるので不利、となっている。

Snowkoは一旦おいておくとして、デプスとホガークにはこの構造的弱点を解消すればとりあえずゲームにはなる。つまりソープロ。ただし、ソープロだけでは弱点を解消しただけで有利になったわけではないことに注意。

デプスは与えてしまった膨大なライフ=時間を活かしての再コンボ、ホガークは墓地からの復活生物によるビートプラン。これらを乗り越えて勝たねばならない。この点で、メンターは非常に効果的。40点だろうが容易に消し飛ばせる圧倒的決定力を誇り、ホガークに対しては横展開能力で相打ち要員を大量に生成、疑似的に全体除去として機能した上でゲームを決めてくれる。

Snowkoに対してこのデッキが非常に強いかと問われると、ソープロが一転、盛大に足を引っ張ってしまうので正直厳しくはあるものの、デルバー対Snowkoでは少しでももたつくと相手のウーロにライフゲインされて押し切り損ねることがしばしばあるので、メンターの大火力はこの点一応有効なことと、更にメンターは唯一の置き土産だけで人を殺せるクリーチャーでもあること、以上の点を考えればメンターは明確にSnowkoに対して強いパーツだと言っていいだろう。ヤンパイの1/1トークンではSnowkoはあまり死んでくれない。(デルバーミラーではヤンパイがちょっとトークンを残していくのは十分強いと思うけれども)

つまりUR系デルバーが苦手な3デッキとの相性改善を図る上で白とメンターが有効。実際、筆者が優勝した回のLegacy Challengeでは、スイス最終ラウンドと準決勝でホガーク(同じ人)に当たり、両方ともメインを取っての2-0で勝利。そのうち片方はこんな猛攻をしのいで勝っているので、「当たった時点でメイン負け」が嫌なら白の力を借りるのが良いかと。少なくとも勝負はできる。

キャプチャ111

スイスラウンド最終戦。先手2ターン目にして盤面パワー合計12。オーコでは絶対に間に合わない状況。

キャプチャ13

諦め顔でブレストを唱えると都合よくソープロを引いてきたので、ホガークをソープロし、その後メンターでバラ撒いて勝利。

キャプチャ13

G2もこんな感じ。(ホガークはソープロした)

一度紅蓮地獄で足止めしても戻ってくる恐血鬼によって相当に削られているので、メンターの横展開能力か、あるいは終末を奇跡できるか位でないと勝てなかったと思われる。

UR系デルバーでのミラーマッチに関する考察

このデッキそのものの説明とはズレるが、どういう理由でこのデッキを使ったのかの理由の一つなので述べておく。UR系デルバーでミラーマッチをする上では、

・ボルトの範囲外の緑クリーチャーが同系に強い。

・しかし緑に体重を載せる(RUG)とデュアランへの依存度が上がり、特殊地形嵌めでポロッと死ぬケースが増える。「相手のデルバーがたまたま不毛を複数引いている」は環境上で一番発生頻度の高い特殊地形嵌め。

・また、RUGには水没が刺さる。

・しかしURには勿論、URgにも水没はほぼ効かない。

・特にURgは、「トロピをG1で見たがG2は島山ボルカだけで動く」が普通に有り得て、サイドインした上で腐るとその差が致命傷になりうる。

と、同系に対してデッキ構築の段階で裏目を引かない優位を取るのが難しい。

《精神支配/Mind Harness》はUR系全般に裏目を引かない上に残れば1:2交換でそのまま勝てるため筆者は非常に好きなカードなのだが、現在UR系デルバーには《紅蓮破/Pyroblast》系が、少なくとも3枚、大抵4枚、多いと最悪メイン1+4の5枚採用されていて、強く使うことが極めて難しい。

5枚採用していてもデルバーミラーで5枚入った状態になっているかは疑問だが、G2で精神支配を見せてしまったり、あるいは自分が《スプライトのドラゴン/Sprite Dragon》を採用している場合、全力投入でもなんら不思議はなく……

そんな状況なので、安定感最高のソープロを使える白はテンポ系デッキで対デルバーへの意識を強めたいならば有益。裏目だらけの不毛な螺旋から降りたい。

何故土地が16枚なのか?メンターデッキは普通土地20枚位はあるはず


このデッキの基本思想はデルバーなので。経緯は前回の記事を。そして具体的な土地枚数の話についてだが、現在一般的なRUG/URgデルバーの構造は、3マナをマナカーブの頂点として、色の出る土地15+不毛4

対Snowkoにおいて、筆者は「どうせ腐る不毛を4枚抜いて、出てしまったウーロを戻すためと、一応のマナの総量の補正用にKarakaを足しての土地16」で戦うことがしばしばあった。(相手に応じて不毛を残すこともある)

筆者はこれで一応回るという認識を持っている。

ならば、
・デルバーの部分が色補正+キャントリップのアーカムになり
・デュアルランドをほぼ排除することで相手から不毛される危険性がほぼない

このコンセプトならば土地16で十分回ると考えて設定した。それなりに高い頻度でアルカニスト/相殺の所でDazeを(相手にによってはお互い)絡めたカウンター合戦が発生しそうなので、まっすぐ土地3~4枚まで伸ばす必要のあるケースはそこまで多くないのも加味。

また、少し前の奇跡のような、通常のメンターデッキには必ず入っている「枚数的アドバンテージを稼げるドロー」、例えば予報やAKやジェイスをこのデッキは採用していないため、マナフラッドしてしまうとガス欠になりそのまま負けそうだと思ったことも理由の一つ。

ただ、特に対コンボ等、序盤に必死にキーカードをかき集めねばならないマッチにおいて、更に土地も頑張って探さないといけないのは辛いなとも感じたので、もう1枚程足して17枚にしても良いかと思う

Rich曰くこんな感じ。

>This is a relatively normal snow mana base, but I want to draw attention to the fact that this deck only plays 16 lands. This might seem low but this deck doesn’t have a ton of uses for excess mana. It’s pretty important to hit your first three land drops, but playing 14 cantrips makes that relatively easy. Once you start drawing land four and beyond, it can be really easy for this deck to flood out. That’s weird to say about a deck with so few lands but it’s definitely true. In other decks, cards like Jace, the Mind Sculptor or Uro provide uses for excess lands in the mid-to-late game. Even in a deck like Delver, they have Wastelands to convert their lands into spells across the length of a game. Jeskai Arcanist doesn’t have access to any of that so mitigating flood is a really important aspect of the deck.

I wouldn’t necessarily fault anyone for adding in an extra land to this deck, but it’s a lot less necessary than it might look on paper.

超要約:キャントリップが山積みでスクリューは避けられるし、このデッキにはジェイスやウーロのような、マナフラ後に強くなるカードがないのでフラド避けが重要。なので、土地を増やしたくなるのが間違いとは言わないものの、理屈の上では追加の土地は必要ない。

デッキの速度、どの位がいい?

デルバーよりは遅く、Snowkoよりは速い、まさしく中速――所謂ミッドレンジ。何を当たり前の話をと思うかも知れないが、速度はそれなりに大事な問題で、デッキを遅く調整しすぎると、それSnowkoでオーコとウーロ使うんじゃ何がダメなの?という問題から多分目を逸らせなくなる。というわけで、PWを増やす等でどっしりさせる方向に振ることには懐疑的。メンターというカードを使った上で可能な限り軽く振った調整がこの位だと思う。

各カードの役割分類

・デッキコンセプト上4枚積むカード

FoW, Brainstorm, Ponder, Arcanist, StP, Mentor
ただし、メンターは重く、マナフラッドの終点としてトップデッキした時何もできないカードなのも確かなので、代替となる優秀な「青くない」クロックがあれば別に4枚でなくとも構わないとは思う。青いパーマネントは信頼性に欠けるのでNG。

・4枚とは言わないものの、コンセプト的に多めに取りたいカード

《相殺/Counterbalance》、《目くらまし/Daze》

・枚数に考慮の余地はあるが、数枚必要になるカード

《アーカムの天測儀/Arcum's Astrolabe》、《定業/Preordain》、《稲妻/Lightning Bolt》

経験上、アルカで安定してキャントリップを繋げていきたいなら定業は最低2、できれば3枚欲しい。3色に絞っているため、実は一応アーカムなしでも基本土地で回ることは回る。

・積極的に入れたいわけではないが、無いとオーコが通ったらそこでだいたい負けるのでやむなしで少量取っておきたいカード

《真髄の針/Pithing Needle》、《紅蓮破/Pyroblast》

・その他、好みに合わせて取るカード

《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》、

17~18枚目の土地、

《神秘の聖域/Mystic Sanctuary》や《不毛の大地/Wasteland》等、マナソースではなくスペル枠として換算する方が無難な土地、

《セヴィンの再利用/Sevinne's Reclamation》

個別カード考察:《アーカムの天測儀/Arcum's Astrolabe》


なくても3色出すことは可能。ただし1マナ密度が下がるのと、《相殺/Counterbalance》のUUと基本土地マナベースとの両立が難しくなる。1マナ密度をメンターの最大火力及びナチュラル相殺のヒット率のために高めたいのが筆者のリストで土地16-天測機4にした理由なので、つまり相殺をあまり重視しないなら必ずしも固定するカードではない。

競合するカード:普通の土地、あるいは定業3-これ3など。

《相殺/Counterbalance》

・2マナと比較的軽く
・青い割には多少REBに耐性があり
・アルカ相手の後出しが許され、擬似的に無力化することもある

という非常に希少な特性を持った脅威。(このカードは脅威枠。回答としては運が絡んで不安定なので) 相殺と同等レベルに対テンポ、対コントロールの両面で相手に対応を迫る脅威は2マナでは他にないかと。強いて言うならヤンパイ。

競合するカード:《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》?(強いて言うなら。また、ヤンパイを単に相殺に替えて入れるとブルーカウントが崩壊するので構成全体を相当弄る必要あり。アーカム0で定業増やす等。)

《目くらまし/Daze》

不毛がないので4枚は流石に厳しい。Daze入りメンター系なら2枚のリストも見かける。このデッキはより軽くシフトして、低マナでの攻防を重視しているので3枚。デルバー相手のサイド後後手でも抜くべきではないように感じる。

《否定の力/Force of Negation》


このデッキは初手チャリスX=1で完全に停止してしまうのでやむなし。アルカとメンターは相性がいいが、弱点も完全に被っているので。というわけで現在の青フェア標準の2枚。

ただし、特にデルバーに関して、本当にFoN2枚が正しいのかには最近疑義が出てきているように思う。このデッキにはオーコがいない&デルバーより相対的に遅いので、チャリス等での即死を少しでも防げるように2枚にした。

コントロールにしばしば見られるFoN3枚構成は、このデッキには能動的にカードアドバンテージを稼ぐ手段が無いのでやめた方がいいかと。メインはこれでアルカやメンターへの除去を弾いて強引に勝つこともあるが、サイドアウト頻度はそれなりに高く、これに追加で更に何かしら青いカードを抜くような相手だとFoWのピッチコストが相当怪しくなる。筆者は割と6枚セットで全て抜いていた。

《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》

脅威をREBで簡単に処理させないことを重視して非青のクリーチャー2種を看板にしているが故に、ブルーカウントが実は怪しい(テフェリー抜きだと22)ので、

・青い

・一応ささやかでもチャリ1即死への対抗策を用意しておきたい

・除去として働いてくれると嬉しい

という要素を求めてのテフェリー。

この点、カルドハイムの鴉变化(2U+予顕の除去)はかなり有望そう。尚、REBが当たらない状態で出てきて、かつそのままインスタントタイミングの除去をさせることなく動くことができるため、テフェリーはセヴィンで釣ると非常に強い。

競合するカード:青い何か。《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》、船殻破り、追加の定業、新カード等。

《セヴィンの再利用/Sevinne's Reclamation》

・他の弱いカードを無理に採用するよりは、元々採用している強いカードを増やして使い回す方が強いはず
・更に5マナで2枚釣りという決定打にもなりうる
・青くないので、相殺やテフェリーを釣るとREBを一旦無視して通せるのは大きい(特に自衛しうる相殺)

というのがメリット。デメリットは

・相手のメイン除去が追放だとクリーチャーが墓地に落ちず、単に土地を釣るだけになってしまう
・コンボ相手に完全に不要

と、相手を選ぶカードな所。大きな売りとなる対REB性能はサイド後に求められる話だし、除去されたアルカやメンターを釣る役割も、除去が増えがちなサイド後の方がより重要。つまりメインよりはサイド後の戦いで強いカードではある。じゃあ何故メインに入れたのと問われると、サイドに枠をこれ以上作るのが難しくて、サイド風のカードの中では一番汎用性がマシだったから。

競合するカード:そもそもメインにこの消耗戦用カードは不要で、土地を増やして安定感を増す方が良いという考えも自然。ただし結局3マナを要求している聖域をマナフラ受けとして入れる位ならこれを入れる方が強いかと。


《真髄の針/Pithing Needle》か《紅蓮破/Pyroblast》

対オーコに焦点を絞っての採用をする場合、後者の「とりあえず青ければ何にでも当たる」ことはむしろうっかり使ってしまいやすい罠でもある。針はオーコ1枚目を対処できたやった、と思ったら2枚目を出されて吐くことがないのも魅力。

大抵3枚取られていて、残るとゲームが終わってしまうカードを1枚だけカウンター/除去できるカードを入れて対策したつもりというのは虫が良い話ではないか?ということと、青以外に対しては針の方が当然有用で、相手によってはサイドインしたいレベルで強く働けるケースもあるため、メインに入れるなら針だと考えている。

針の難点は先置きするとオーコを手札に温存されてピッチコストにされ、それを嫌って抱えていたらオーコに1回仕事をされること。ただ、パイロをカウンターとして構えていても相手のDazeに引っ掛けられる可能性を考えると結局待って除去する方が安全だが、そうすると1回仕事をされてしまう、というジレンマは発生しうるため、この点が大差だとは考えていない。

《神秘の聖域/Mystic Sanctuary》

対《不毛の大地/Wasteland》デッキ:当然基本土地3種を並べる方向で動く。

対Snowko:《アーカムの天測儀/Arcum's Astrolabe》をコントロールしている場合、サイド後は《花の絨毯/Carpet of Flowers》での加速を極力避けるために山と平地を優先してフェッチする方が良いと考えている。

対コンボ:相手に対する有効牌を増せるのでここでは有用。ただ、そもそもきちんとキーカードを引いてゲームを長引かせなければならないのが前提で、その間にうっかり引くと邪魔で仕方がない。

対チャリスやポスト:特殊地形対策をサイドインしたいので、デュアランが絡みがちなこれはちょっと。相殺を抜くのでFoW/Nを戻す位にしか使えないのも難点。

と、能力を強く誘発させられる状況がそもそも限られる上に、素で引いた時の弱さが尋常ではないので入れたくない。試さずに否定するのもよくないよなと思って1リーグ使ってみたものの、これのタップインが致命的になって負けたマッチもあり、強い場面がなかったので評点が辛くなっている。ウーロを取っていて、相当量の土地が元々入っている上で加速もできる、という前提でのカードなのではないかと。

競合するカード:普通の土地あるいは《セヴィンの再利用/Sevinne's Reclamation》

《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》

このカードは基本的に対青でドローに嫌がらせをするのが目的だと思うが、
https://www.mtggoldfish.com/deck/3666651#online

など、SnowkoはREB系を4枚取るのが普通。

軸をずらさず、お互いREB系を4枚入れあってアドバンテージの軍拡競争を挑んでも、結局ウーロやオーコの方がこちらが使うカードよりも単体で強い分の差で最終的に負けそうだと思うので試していない。ナーセットはコアトルに殴られて落ち得るのが特に……

前回記事で少し書いたが、相殺とテフェリーは(ナーセットや船殻破りと比べると)相手がREBを有効に使いづらいので多少マシ。

《騒乱の歓楽者/Bedlam Reveler》

稲妻と衰微を避けるクロックにして消耗戦を制するアドバンテージカードでもあり、更に非常に重要なことに青くなく、RRも雪玉のおかげで問題なく出せる、とかなりの噛み合い。

難点はこのデッキのメイン除去が、対象がいない場合そもそも撃てないソープロであること。ソープロが多数手札に溜まって軽減もできない、という形で詰んでしまうことは有り得そう。

何相手でも出れば強いのが売り。可能性は感じるものの、最適バランスがどのあたりなのかを模索中。手札を一旦脇に逃せる鴉变化と相性が良さそうなので、カルドハイムの後に試したい。

経験上、アルカとの「共存に関しては」全く問題視する必要はない。アルカで呪文を多数FBできて墓地がない状態なら1枚位腐っても勝てているし、ブレストがそのうち見つかるだろうからライブラリに混ぜ込めばいい。

低マナのクリーチャーが即座に除去されていって、キャントリップで引き当てても次も除去されて、というデッキの燃料たるキャントリップを消費していってしまうジリ貧を覆すカードとして頼りになる。

ただし「強烈な墓地対策をサイドインされて諸共に腐ってしまう」可能性は否定できない。《安らかなる眠り/Rest in Peace》や《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》等。

《船殻破り/Hullbreacher》と《一日のやり直し/Day's Undoing》

実際強いコンボだとは思う。問題はREBが盛大に直撃すること。筆者が組むならこんな感じだが、

https://www.mtggoldfish.com/deck/3695458#online


・CMC1が減るので相殺が弱そう

・しかし相殺のCMC2でREBを引き出してCMC3のHull→Undoingに繋げるのは重要そう

・最悪Undoing単体で使ってお互い7枚引いた時、相殺を置けていれば相手のカードが何枚か腐るかも?

・でも相殺のUU出すの無理なんですけど

と色々と悩む所があり、正直、これだ!という確信はない。このリスト、動きが重すぎないか?という気もするし。

かといって少し前話題になったこれのように墳墓を入れるのは、「氷雪カウント12の分際でアーカムがあるから色マナ自在なんだぜって顔するのおかしくない???」となってしまうのであまり気が進まず。

https://www.mtggoldfish.com/deck/3654796?


こちらのように、メンターよりも石鍛冶の方がマナカーブ的に良い気はする。REB問題はセヴィンをメインから入れることで解決を図っている模様。

サイドカード各種比較:墓地対策枠

候補は以下の4枚。

《外科的摘出/Surgical Extraction》
《魂標ランタン/Soul-Guide Lantern》
《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》

キャプチャ15

これら墓地対策の、自分の使うカード(アルカ、メンター)との噛み合いや、対策したい相手への強弱は筆者の感覚ではこんな感じ。これらを踏まえて好きなカードを2~3枚どうぞ。

補足:
メンターとレリックが相性×になっているのは、動作が一々重いレリックがメンターの重さと相性が悪いから。メンターとサージカルが◎なのは、必要な瞬間まで抱えておけるサージカルの特性とメンターの能力との噛み合いを評価して。ランタンも対ウーロに関しては似た運用になることと、一応1ドロー可能なので○にしておいた。

サージカルの対ウーロが×なのは、「根絶できるとは言えアド損がどうしてもきつい」と感じた経験があるため。

このデッキそのものに関する話を少し離れて環境の潮流(2021年1月時点)を少し述べると、

・デルバーがウーロ対策に《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》+《運命の神、クローティス/Klothys, God of Destiny》体制になる

・Snowko側がクローティス+アルカ対策に《地の封印/Ground Seal》を取り始め、更に多分ミラーを意識して出すのに1マナかかる《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》を墓地対策の主力とする

=つまり墓地対策が低速化した
→遅い墓地対策を無視できるスパイの隆盛

と、墓地対策関連の流れは現状こうなっているように思う。最近スパイが勝っている(レガチャレ優勝、ショーケースチャレンジでTOP8)のは偶然ではない。

サイドカード各種比較:特殊地形対策枠

候補は《血染めの月/Blood Moon》、《基本に帰れ/Back to Basics》、《不毛の大地/Wasteland》(2枚位)。

キャプチャ16

不毛を対土地単で×にしているのは、不毛の大地を採用すると必然的に自分のマナベースの不安定化を招くことが理由。対土地単に限って言えば悪影響の方が大きいと思う。

筆者はRUGとホガークに対しても(先手なら)強く使える点を好んで月を採用した。この辺は好みだろう。RUGとホガークを強くメタりたいならそもそも特殊地形対策よりも《流刑への道/Path to Exile》を取る方がいいだろうし。

サイドカード各種比較:全体除去枠

候補は《紅蓮地獄/Pyroclasm》、《猛火の斉射/Blazing Volley》、《至高の評決/Supreme Verdict》、《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》の4枚。

キャプチャ111

表中、「対ヤンパイ」、「対単騎」は、ヤンパイ型デルバーと、非ヤンパイ型(=単騎で押す)デルバーの意。

デルバーを巻き込めるのでヤンパイ型デルバーに対して複数枚サイドインしやすいこと(仮に斉射を2枚とっていても2枚は入れづらい)、対デスタクでこのデッキにとって最大の癌になる《聖域の僧院長/Sanctum Prelate》を殺せること、それでいて自分の展開と全体除去を無理なく両立させられることを評価しているので筆者は《紅蓮地獄/Pyroclasm》が好み。実際、対ホガークでメンターを出した後に紅蓮地獄を撃ったシーンがある。

現在考えているのはこんな所です。何か質問等があればtwitter:@mw_94gAに気軽にリプライで聞いていただければ。

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