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投手転向は成功か?様々な観点から見る根尾昂の投手転向の是非

先日、中日ドラゴンズの根尾昂選手が今季初先発を果たした。
しかし結果としては2回までに6失点とノックアウトされてしまった。
この結果を受けてTwitter(現X)に後述するような意見が多数見られた。

根尾を野手に再転向させるべきだ。

実際この試合では2回にセンターへのタイムリーツーベースを放ってることもありこのような意見が出て来ても不思議ではない。
投手に転向して2年半———
この転向は正解なのか、否なのか。様々な観点から見て私なりの回答を導き出したいと思う。

本文に入る前に私の意見を伝えると根尾選手の投手転向には賛成である。
その為、今から書く文章は「根尾が投手に転向したのは正解」という私の考えを前提に書いている。それだけは理解して読んで頂ければ幸いです。

1.打撃からの観点


根尾は投手の方が良いと自分がそのように考える理由の一つに打撃成績が挙げられる。
プロに入って2年間の二軍打撃成績を見てみよう。

2019 .210(410-86) 2 33
2020 .238(282-67) 5 33

念の為もう一度述べておこう、二軍打撃成績である。
1年目に関してはまだ慣れてないという事でなんとかなるだろう。
2年目もコロナの影響で試合数が減ったという事もあるのでまぁ長い目で見よう。
では、3年目の成績を見よう。
3年目は一軍での起用も増えたので一、二軍合算での成績で見ることにする。

2021 .170(277-47) 2 23

流石に擁護のしようが無い。
2年間とにかく実戦を積んでるにも関わらずこの打撃成績では野手失格と言われても仕方がないような気もする。
なんならこの成績でもしもドラフト指名順位が4位以下だった場合、育成落ちや戦力外もあり得るような成績ではないか。
ここで一旦、プロ3年目ながら最多安打のタイトルを獲得した岡林勇希選手の2年間との比較をしてみよう。

2020 .285(214-61) 0 15
2021 .264(197-52) 0 18

安打数は根尾には負けるが打率を見ると少ない打席で結果を残しているという事が分かるだろう。
野手だった時の根尾に似たようなリードオフタイプ(だと私は考えている)だけに良い比較検証にはなったのだろうか。
私は若手の打率を見る時は入団後4年以内に打率2割5分到達を一つの合格ラインとして見ている。
一軍では守備固めとして躍動した英智も、代走要員として活躍した高松渡も、青と夏の溝脇隼人も全員この4年以内の2割5分到達の合格ラインを一度は越えている。
一軍で打撃結果が残せなくても彼らはしっかりと二軍では結果を残しているのだ。
その合格ラインを越えてもらわないと話にならない。

2.チーム編成からの観点

では続いてはチーム編成からの観点で見てみよう。
根尾が入団した当初は根尾の守れる二遊間と外野の選手が20人いた。
では、今はどうだろうか。
二遊間と外野を守れる選手は29人までに膨れ上がった。
投手転向前の2021年のドラフトで外野手を3人獲得した上に2022オフに阿部、京田が抜けた事もありここ2年は二遊間を守れる選手を大量に補強している。
即ち二遊間、外野は既に容量オーバーに近いような状況なのだ。
今になって野手に戻したところでレギュラーを掴み取るのは以前より困難な事だろう。
これに関しては中日ドラゴンズのチーム編成がただ単にヘタクソなだけなのだがこれも根尾の野手再転向が難しい原因の一つとなっている

3.性格面からの観点

次は野球から少し離れるが根尾自身の性格から分析していこう。
根尾昂はイメージ通りの生真面目、勤勉な性格である。
だが、その性格こそが逆に打撃成績の低迷に結びついているのではないのかと、私は考えている。
活きの良い若手というのはキャンプから多くの野球解説者、並びにOBから挨拶をよく受ける。
そして挨拶と共に何かしら指導をするという行為がよく見られる。
その指導こそが根尾にとっては逆に仇となる。
根尾の性格上、恐らく彼はOBらから受けた全ての指導を取り入れようとしてしまうかもしれない。その結果、自分の打撃スタイルを見失ってしまい上記のような打撃成績の低迷に繋がっていったのでは無いのだろうかとも考える事が出来る。
実際本格的に投手になってからの打撃成績は6打数2安打と好調ではある。
これは即ち投手に転向したからこそ、今までのアドバイスを捨てて本来の打撃スタイルに戻ってきたと考える事も出来る。
今の打撃も投手転向によって得れた賜物だと私は考えている。

4.投手からの観点

さて、ここまでは打者・根尾について主に語ってきたが現在の本業である投手・根尾についてはどうなのだろうか。
では、2年間の二軍投手成績を振り返ろう。
ここでは防御率と奪三振数、そして奪三振率を載せる。

2023 3.43 64K 7.58
2024(8/5時点) 2.59 56K 8.54

大卒2年目と考えればとても上出来な成績ではないだろうか。
昨年も今年もウエスタン奪三振ランキング10傑に名を残しているだけあり奪三振率は大変高い数字を残している。
ただ、課題も見られる。
その一つが再現性の無さである。
10奪三振を奪い7回0封で抑えたかと思えば、次の週は3〜4回くらいにKOされているという事がしばしばある。
その影響もあり多少防御率が跳ね上がっている。
この再現性の無さによって起こるバラツキを小さくする事が出来れば投手としての一軍定着も近づいてくるのではないのか。
後は、野手時代の時に難しかったであろうアドバイスの取捨選択も大切になってくる事になるだろう。

5.まとめ そして根尾の未来予想図について

ここまで様々な観点から根尾昂について見てきたが皆様はどのように感じられただろうか。
私なりの結論を付けるならば今のように投手・根尾の方が良いと結論付けた。
ここからは根尾の今後の未来について話していきたいと思う。
私が思う一番最適なプランはやはり先発だろう。
二軍戦を見ていると、こちらが気持ちよくなるくらいに三振をバッタバッタと取っていく。
前述したバラツキの縮小をしていけば、もしかすると代表入りもあり得るレベルまで成長していくかもしれない。
とにかく、今はひたすら成長を見守ろう。

ここまでお読み頂きありがとうございました。
大変長くなりましたがそれだけ私が根尾に対する思いが強いのです。
一部拙い部分もあると思われますが応援よろしくお願いします。

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