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#8 鳥居の前で一礼

鳥居をくぐる前に一礼して入る。
その行為がなんなのかいまいちよくわかっていなかった。
とりあえず鳥居をくぐる前、帰りのくぐった後に一礼する形式だけのもの。
そんな認識でいた、
一礼するにしてもなんだか恥ずかしいと言う気持ちでいた時がある。

ある夏の頃
会社の友人と山に行こうという話が出た。
結構話が合い、ちょこちょこいろんな場所へ行っていた時に話していた流れで
3時間くらいのハイキングをしようと言うことになった。
自分も子供の頃によく山に歩きに行かされてたので、久しぶりだなーと言う感覚だった。

場所はどこだったか。
秩父の山だったような気がする。
秩父の山を登っている途中、
友人「あ!鳥居あるよ!入ってみようよ」
そんなことを言って教えてくれた。
山道の途中で鳥居を見たのはその時が初めてだったので
へー道の途中に鳥居とかあるんだな〜
と見ると、わ・・・と思った。

鳥居から先のエリアの空気が全然違う。
鳥居から手前の自分たちがいるエリアは空気がゆるっとしてるけど
鳥居から先のエリアは空気がピンと張り詰められている空気に感じた。

伝わるかわからないけど、例えるなら
学校の廊下は誰かが話していたり走って怒られてたりザワザワ空気がゆるゆる流れているけど、ある教室の中だけめちゃくちゃ先生が怒っていて生徒全員シンといて空気が張り詰めてる感じ。

このシンと張り詰めてる空気感が鳥居の先のエリアにはある感じに思えた。
うわーこわー・・行きたくねぇ〜・・・
鳥居の前で躊躇する。
鳥居の先は長方形の大きめな石畳が続いており、先がカーブしていて祀られているお社は見えない。
なんの神様なんだろうかと思うと脳裏にバッと浮かぶ。
白いでかい狐と子供っぽいのが2匹くらい。

脳裏に浮かんだ映像


狐さんか!こっわー!!!スッゲー見られてる!
(でも神々しく輝いてる感じはありました。)
めちゃくちゃ厳しいマナーの先生に睨みをきかされていて、変なことしたらお前わかってんだろうな?な空気感をバシバシ感じる。
先に鳥居をくぐってしまった友人に続く。
視線が怖く、鳥居の前で(おじゃまします。。。)と軽く一礼してから入った。
友人「え、えらいですね。一礼ちゃんとして」
わい「あーいやいや・・」
友人は楽しそうに散策する。わいは、あまり言葉を発せないでいた。
(一挙手一投足見られてる感じで怖いんじゃ泣)
張り詰めた空気の中一通り見て鳥居を出てから(おじゃましました)と一礼して
ハイキング再開し無事帰路につきました。

この事があってから、鳥居は玄関みたいなもので
おじゃまします、おじゃましましたの一礼なんだな
と言う認識になりました。
勝手に思っただけというか、この狐さんに教えてもらった感覚なので、実際には違う教えかもしれませんが、今ではそのような気持ちで一礼しています。

おわり

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