私的国語辞典~二文字言葉とその例文~ セレクション21『絵馬(えま)』
セレクション21『絵馬(えま)』
私は毎朝、神社の絵馬に描かれた願いを一枚一枚見て愉しむのが日課になっている。
たかが絵馬と馬鹿にしてはいけない。
絵馬こそ人間の精神構造のコピーなのである。
人に見せる面は見せる為の体裁を整えておきながら、人に見せない裏側には自分の勝手な願いを、それこそ手書きの雑な字で書きなぐっているものなのだ。
そう考えてみれば、誰もが絵馬に興味を持つのでは無いだろうか。
だから私は絵馬を愉しむ。
だから、今手に取ったこの絵馬にもビビらない。
例えその裏面に
『これを見た人が呪われますように』
と血文字で書かれていたとしても、ビビらない。
背後の人の気配も、気にはならない。
(255文字)
『絵馬(えーま)』
祈願や報謝のために、社寺に奉納する絵の額。生きた馬の代わりに絵に描いて奉納したのが始まりといわれる。屋根形の小絵馬や大形の額絵馬などがある。
(大辞林より引用)
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