来たクルセイダーズ南から

<茫漠たる手前勝手なCD名盤ご紹介>#9

このアルバムも今年40周年であった・・。

ザ・クルセイダーズ(The Crusaders)1976年発売『Those Southern Knights』(南から来た十字軍)。

70年代LAのJAZZ・フュージョン・クロスオーヴァーの旗手として、またメンバーはファーストコールのスタジオミュージシャンとして縦横無尽の活躍をしていたザ・クルセイダーズの超名盤。

*ザ・クルセイダーズとして8作目『Those Southern Knights』

もともとジャズ・クルセイダーズとして活動していたウェイン・ヘンダーソン(Tb) ウィルトン・フェルダー(T.Sax・Bass) ジョー・サンプル(Key) スティックス・フーパー(Dr) の4人は1971年に「ザ・クルセイダーズ」と改名し怒濤の70年代を、ほぼ年一枚以上のペースでアルバムを量産し発表していく。

そのスタイルはある程度一貫していて、まずはウェイン・ヘンダーソンのトロンボーンとウィルトン・フェルダーのテナーサックスによるテーマがあり、そこに各楽器の名手たちが絡んでいくというパターンが飽きる事のないサウンド感を醸し出している。
とにかくメンバーの演奏力が半端ないので、テーマやコード進行が月並みでもついつい体が反応してしまうのだ笑。

中でも1974年、当時はまだゲストの若きラリー・カールトン(G)とマックス・ベネット(Bass)を迎え、LAの有名なクラブROXYでライブレコーディングした『スクラッチ』はライブ盤としてあまりにも名作。

また1979年発表の『Street Life』はVoにランディ・クロフォードをフィーチャーし初めていわゆる「歌物」にチャレンジ。見事チャートインするヒット作となった。このタイトル曲をライブでカヴァーする人はホントに多く、スタンダード化している名曲だ。


*2003年モントレーでのライブヴァージョン。亡きジョー・サンプルのローズピアノは必聴。GはRay Parker Jr!

しかしどれをとっても名盤揃いの70年代ザ・クルセイダーズアルバムの中でどれか一枚としたら、異論反論多々あろうが僕はこの『Those Southern Knights』を挙げたい。

とうとうウィルトン・フェルダーがBassの座をロバート“ポップス”ポップウェルに譲ったのがこのアルバムであり、本作でウェイン・ヘンダーソンとラリー・カールトンが抜けてしまうので、6人が最後に揃った節目のアルバムなのである。

とにかく一曲目の”Spiral”のグルーヴたるやスタジオ盤でこれかよ!と目眩がしそうになる。ジョー・サンプル、カールトンのソロと続きポップウェルのBassソロはお見事と言うしかない。

*ただただ名演奏・・”Spiral”


また二曲目の”Keep That Same Old Feeling”も同じ歌詞を繰り返す、Voを楽器の如く捉えたリフ扱いのアレンジが秀逸で、全てがグルーヴィー、ヤバイですよホント。

その他も名演・名曲揃いの本作であるが、全体の印象として新加入Bassポップウェルに花道歩かせる感が強い感じ。

まあベース弾きは必聴中の必聴ですな。

ザ・クルセイダーズ何から聴いていいか判らないという方は、ぜひこのアルバムでまずヤラレて下さい・・笑。

この稿終わり。

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