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8月31日 鳳凰木

日向夏の「生蜂蜜」をいただく。

むかし宮崎の母の郷からおくられてくる日向夏が楽しみだった。
1センチはある厚い皮の白いぶぶんを残してスライスし、砂糖を少々まぶしてたべる。フカフカした白皮に柔らかくすがすがしいレモン色の果肉とツブツブざらざらのあまさ。他のどんな柑橘よりも太陽の薫りがして、幼心にもすごく贅沢なものを味わっているかんじだった。実家を離れてからはもう何年も口にしていない。そんな日向夏の花から採られた日向夏色の生蜂蜜は、かつて食べた日向夏そのモノの味がする。色は薄く甘さは軽やか。果実そのままに結晶化して蜜の中に閉じこめてしまうミツバチって、なんて偉大なんだろう。

冷夏の西日本から戻った台湾は、やっぱりウッと来るような蒸し暑さだけれど、それでももうずいぶんと日ざしが優しい。夏休みもあといちにち。
公園の空いっぱいに枝葉をひろげた鳳凰木がちらちらと赤い花をつけている。



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