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8月16日 台北発京都行

京都五山的送火。看「妙法」「大」的字、想一想這一年去了那一邊的人。

16日の晩は五山の送り火。
前夜からの大雨で開催をあやぶまれたぶん、余計にひさびさの嬉しさが胸にこみあげてきた。どきどきする。

点火。

目の前の暗いひくい山であかあかと燃える「妙」の字を眺めながら 、この一年のあいだに逝ってしまった人たちを想う。
そして日本の夏の美しさの正体は闇にあるかもと考える。あかいちょうちんの境界線。じりり、ぽたり。線香花火の燃えつきたあとのしずけさ。どんな季節よりからだが夜にやさしく馴染むかんじがする。「夜」は「液」になり、じぶんのなかの子供の冒険心が突如、かけあしになる。

ひとごみの北山通沿いをはやあしで東へ泳ぐ。むこうには比叡のかげ。右手にちいさく「大」文字を仰ぎみて「法」の字に追いついたと思った瞬間、火が消えた。
闇がまた山をつつむ。


さようなら、いましばらく。

そちらでまた、逢う日まで。


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