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映画『12ヶ月のカイ』成長記録|2021/06/24

毎週木曜日は『ソムニウム』の日!!!

【#04_差異】から考える、人間とヒューマノイドの違い。

 PCHのOS開発を進める醒と冴弓さん。ある程度開発は進んできたようですが、「もう少し、人間らしい機能を拡張したい」と冴弓さんが相談します。ふたりが発見した”新しい機能”とは、なんなのでしょう? (ドラマ本編は、LINEアプリのNEWS内「VISION」から、もしくは下記のTwitterポストの中にあるリンクからご覧いただけます)

 まず、機械(あえてヒューマノイドではなく機械と言います)と人間の違いは何かといえば、さまざまな差異がもちろん考えられますが、「決められたプログラム通りに動く」vs「自らの意思で動く」が大きな違いのひとつに挙げられると思います。決められた筋書き通りにしか行動できないのが機械です。加えて、最新の研究状況は存じ上げませんが、これまでのところ、「プログラムは意味を理解しない」(言葉の意味を理解して行動しない)というのが通説だそうです。私は専門家ではないので詳細は省きますが、つまり彼らは常に「計算をしている」にすぎない、ということ。ただ、人間はそういった行動は取りませんよね。意味に基づいて判断を下し行動しますし、論理計算に基づかず感覚的に物事を決めることもしばしば。そのため、人間にとって都合が良い方向にPCHとの会話をチューニングする必要も出てくるだろう、と私は仮定しました。

 ドラマの『ウエスト・ワールド』のシーズン1では、ホストと呼ばれるアンドロイドの行動パターンの分岐が何千何万通りにも用意されていて、人間がどのような行動を取るかにあわせて、ホストの行動が計算され決定づけられる、というような描写がありました。『ソムニウム』#4_差異、の中で冴弓が思いつくこの"新しい機能"は、その分岐の一つとも言えます。(この"新しい機能"がのちのち、『12ヶ月のカイ』でも度々登場します)

 この話に関して、とても勉強になり参考にさせていただいた本があるのでご紹介しておきます。


違うからこそ愛せるのか。同じならば愛せるのか。

 ぱっと見、同じであればあるほど人間はヒューマノイドも同様に愛せるのではないかとも思えそうですが、まず、根本的に私たちと彼らは違います。見た目がいくら似通っていて、コミュニケーションが難なく交わせるとしても、自然物と人工物、有機物と無機物です。感情のよりどころとしてヒューマノイドに依存することはあれど、「やっぱり違う」ということに気づいてしまった時、人間は本当に「人間ではないのもの」を愛することが出来るのでしょうか?(この視点は少し『12ヶ月のカイ』にも繋がりそうです)

 「不気味の谷」と呼ばれる現象、ロボットに詳しい方・興味をお持ちの方はご存知かもしれません。

 この記事と並べられている写真をみて、皆さんはどのように感じますか?

 記事では話されているのはロボットの「外見」に関する部分ですが、「内面」にも似たような「波」があるのではないかと考えています。あくまでも仮定ですが、その微細な塩梅が「パーソナル・ケア・ヒューマノイド」という商品の品質を左右するものだとしたら…。あるいは「生活を共にするパートナー」なのか「人生のパートナー」なのか、人間に影響を与えるものだとしたら…。冴弓さんがこの微妙なバランスにこだわるのも頷けます。

 人間同士でも難しいテーマですね…。違うから愛せるのか、同じだから愛せるのか。この問いにどう答えるのかで、その人の性格診断もできそうです。笑

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