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掃除がキライなワケ

掃除の時間。小学生の頃、俺は本当にこの時間がキライだった。
キライになるにはいくつか理由があるけど、一番大きな理由は馬鹿にされたことだな。

何しろ掃除ってやつは退屈だからな。いつも掃除の時間はユウウツだったよ。でも、ホウキを持って廊下の階段に立ったとき、その日はなぜか気が向いた。たまにはマジメにやってみようじゃないか。
ひょっとしたら神様が教えてくれたのかもしれない。今日だけでもキチンとやった方がいいぞ、ってね。

それから一週間ほどたったある日のことだ。給食の時間に流された映像を見て、俺は腰を抜かすほどおどろいた。だってそこには階段を掃除する俺の姿が映ってたから。

そのビデオは(今でもビデオって言う? 昔はVHSっていうビデオテープで映像を録画してた)正しい掃除のやり方について説明するものだった。
そして、掃除する俺の映像にはお手製の味気ないテロップが付けられてた。

「悪い見本」

信じられるか? 勝手にコッソリ撮影しておいて悪い見本だぞ、わるいみほん。そんなイジワルな話があるか?
俺は自己主張の苦手な少年だったから、先生に文句を言うことなんてできなかった。あの日はいつもよりちゃんと掃除してたのに! それは周りから見ると「悪い見本」でしかなかったらしい。

掃除するのが下手だった俺がいけないのか。今でも納得はできてない。ただ、そんなことが一度でもあると、もう掃除を好きになんてなれないよな。

てことで今日のテーマ。
【学校や先生が正しいとは限らない】

掃除の話と思わせて、こんなひねくれたテーマでごめんな。何しろ書いてるうちに怒りが心を満たしてきた。早めにコイツは知っておいた方がいい。

と言っても、先生の言うことはたいてい正しい。キミの何倍も長く生きてるだけはある。小学生よりはみんなずっと賢いんだ。
でも、時々ウソみたいにバカなことをやるやつもいる。それは残念だけど本当の事だ。

そうそう、もう一つ納得いかない出来事を思い出したよ。俺が中学生だったある日、なにかの式の練習だったと思う。先生が見てないときにちょっかい出してくるやつがいたんだ。別に痛くもないし放っておいたんだけど、あんまりにもしつこいんで、ついに俺は追いかけた。そいつは慌てて逃げ出したよ。
そしたら何が起きたと思う? 追いかけっこする二人に気づいた先生が、俺の肩をがしっと捕まえた。そして振り向かせてキツイ張り手を一発! バチンと音がしてするどい痛みが顔に広がる。俺はなぜ自分が張り倒されたのかわからずに放心した。先に手を出してきたやつは、おとがめ無しだ。

ビックリだよな。相手の言い分なんか聞きもしないで、自分が絶対正しいと思ってる。そんな困った先生も世の中にはいるわけだ。

きっとこれから先、キミの人生にはいろんな先生が登場する。中にはとんでもない先生もいるかもしれない。
もしかしたらひどい目に合うかもしれないけど、必ず自分が間違ってるとは思わないでくれ。先生も人間だからな。よくわからないミスをすることもある。
先に知っておけば、ショックも少ないだろうから、何かあったら思い出せ。それで解決するかどうかはわかんないけどな。

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