アンチはどこにでも

すごく上手に描けた絵をクラスのみんなに見せた時、ほとんどの人はキミの絵をほめてくれるかもしれない。

「おお、すげーじゃん!」
「うまくなったねー」
「ワタシこの絵好きだわさ」
「ここの服のシワが、良いよね」

後半のやつはよくわからんこと言ってるけど、おおむね好評ってやつだ。ところが——

「そんなにうまくないね。シュウくんの方がうまいよ」
「ここの色なんかおかしいよ」

少ない何人かは、どうやらキミの絵をみとめる気はないらしい。
せっかくうまく描けたのに。
みんなすごいって言ってくれたのに。
なんでこんなこと言うんだろう。キミは少し悲しい気持ちになるかもしれない。
でも待ってほしい。これは別に落ち込むべきことじゃないんだから。

ってことで今日のテーマだ。
【どんなに良い物も嫌いな奴はいる】

良い物は良い。好き嫌い分かれる物は別としても、これを嫌いなやつは、まずいないだろう。そんなふうに考えてしまうことってあるよな。カレーライスとか、一万円札とか、ポケモンとか、バック・トゥ・ザ・フューチャーとか。でも案外そうとばかりは言い切れないんだよ。

例えばヒカキンだ。いや、ヒカキンのことを嫌いなやつもいるよな。それはわかってる。でも、あの人が一億円寄付したって話は知ってる? 新型コロナが流行ってる中で、お医者さんや病院を応援するために一億円差し出したんだ。そしてみんなも寄付しようって呼びかけた。
とんでもなく良い人だ。良い人すぎて、銅像が建てられてもおかしくない。
で、その呼びかけに20万人以上が動かされた。結果、ヒカキンの一億円を抜きにしても二億円以上のお金が集まった。
生ける伝説か? この人は現役の偉人なんじゃないのか? 俺は正直おどろいた。ヒカキンを嫌いな人たちも、この行動に対してはみとめるしかないだろ。そう思ったんだけど……。

募金のことを説明したヒカキンの動画、今見たら20万人以上が「グッド」を押してる。すごい。でもね、5千人以上が「バッド」を押してるんだよ。信じられるか? 世のため人のため、自分のサイフから一億円寄付した人の、さらに寄付しようって呼びかけてる動画に「バッド」って。どんなロジックだ?
これはもう俺の想像力じゃ答えが出なかった。そしてシンプルな答えに行き着いた。
どんなことにも。アンチは、いるんだ。

だから、ちょっとくらい「バッド」なこと言われても全然気にする必要はないってこと。キミの絵は素晴らしいよ。それが真実だ。服のシワについては、俺にはよくわからないけどな。

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