写真を撮られるのが苦手だった

遠足とか、運動会とか、社会科見学とか。小学校には色んなイベントがあるよな。いつもと違う特別な日。その一日を、みんながどんな風に過ごしたか気になってる人たちがいる。そう、キミたちの両親だ。

「まーくんは元気に楽しめたかしら」
「リンちゃんはいじめられてないかしら」

それを写真という形で確認できるように、そしてキミたち自身が後で思い出を振り返れるように、イベントの日にはカメラマンがついて回る。デカいカメラを持った大人が、事あるごとにシャッターを切って歩く。保育園は知らないけど、幼稚園の頃にもあったから、きっとキミにも覚えがあるよな。

ここで自分語りをするけど、俺はこの写真撮影が好きじゃなかった。カメラが苦手だったんだ。シャイだったせいもあるけど、「カメラに向かってポーズを取る」ってことの意味が理解できてなかったんだと思う。
友達はみんなピースしたり笑顔になったりする。でもそれはなんの意味があるんだ? ただ記録したいなら声なんかかけないで静かに撮ればいい。ハイチーズって、一体なんのこと? 右手をチョキにしてどうしようってんだ?

今となっては考えすぎだったと思うけど、納得いかないまま何かをやらされることがイヤだって気持ちは今でもわかる。

で、今日のテーマ。
【誰もが同じように思ってるわけじゃない】

みんながみんな目立ちたいわけじゃない。でもそんな簡単なことだって、目立つのが好きなやつにはわからない。料理もそうだよな。カレーが大好きなやつは、カレーが嫌いで仕方ない奴のことは理解できない。むしろ、そんなやつがいるなんてことを考えたこともないかもしれない。だってカレーだぜ? こんなにおいしいのに、キライなわけないじゃん! ってね。

確かに、たくさんの人から注目されることが嬉しくて仕方がない目立ちたがりの小学生って多いよな。キミのクラスにもきっといるはず。でも一方で、注目されるなんてまっぴらだって子もいるんだ。カメラマンが近づいてくると逃げたくなるような子がね。

これは一つの例だけど、こういうことはいくらでもある。誰か好きな子がいるはずだとか、芸能人に会いたいはずだとか、遊園地に行きたいはずだとか、 算数よりも体育が好きなはずだとか。絶対にそうだとどうして言い切れる? 世の中、例外なんていくらでもある。それを決めつけてしまうことで、誰かを傷つけることだってあるのに。

「みんなテレビに出たいに決まってる」って思い込んでる大人も多いよな。そんなわけないだろうって思いながらこの文章を書いてみた。みんなに見られるなんて、考えただけでウンザリなんだけどな。不思議だぜ。

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