見出し画像

ダサイと思ったことが実はカッコいいこともある

例えば混んでる電車の中で。やっと座れたと思ったら、目の前にヨボヨボのおじいさんが。これって席をゆずるべきなんじゃないか!?

でもそこでキミは迷うんだ。お年寄りに席をゆずるなんて恥ずかしい。まるで「僕は良い子です」って叫ぶみたいじゃないか。

これは極端な例だけど、ルールに従うことが恥ずかしいって気持ちは色んな場面で顔を出す。

廊下を走らないなんて。
図書室で静かにするなんて。
校長のスピーチをしっかり聞くなんて。横断歩道を渡るなんて。食べる前にいただきますを言うなんて。

良いことするのがカッコ悪い、そんな風に思ったことがキミにもあるんじゃないか?
俺にはある。思春期特有の妙な感覚だよな。
なんて言いながら、今でも老人に席を譲るのが恥ずかしいって思う時がある。恥ずかしいことに慣れてきてもまだ、そいつは時々顔を出す。
ってことで今日のテーマだ。

【素直になるのは難しい】

マジで、凄く難しい。特にキミらみたいな年頃の子にはね。

みんないつだって「ダサくなる」のを恐れてる。
英語の授業で外国人ぽく発音する奴は笑われる。笑われないのはカタカナ棒読み。
それが正解? そんなわけあるか? でも学校だとそれが普通だよな。納得いくかは別として。
本当に英語を勉強したかったらちゃんと発音するべきだけど、失敗するのは恥ずかしい。

素直になるには勇気がいる。
恋心を告白するのもそう。素直な気持ちを伝えられないなんてのは、恋愛モノでは基本中の基本。特に初恋なんかは自分の気持ちもよくわからずに、相手に意地悪したりする。そんなの逆効果だっていうのにね。

素直になるのはカッコ悪い。でも本当にそうか?

掃除の時間にきちんと雑巾掛けするやつかはダサイのか?
夏休みの宿題を前半できっちり終わらせるのはダサイのか?
ゴミのポイ捨てをしないやつはダサイのか?
弱いものイジメをしないやつはダサイのか?

くだらない思い込みだ。こういう行動は全部カッコいいし、なんなら異性にモテる。やらないやつは損してる。マジだぜ。

そしてもしかしたらそれをみんなわかってる。わかった上で恥ずかしがって動けないでいる。こんな勿体ない話があるか? 損してるってわかってるのに変えられない。キミの体はキミだけが動かせるのに。

オトナになるにつれて、みんな段々気付いていく。周りが冷やかさなくなるから、自分もそのうち素直になれる。
できればキミには早く気付いてほしい。

むかし読んだ漫画でさ、「俺すげーケンカ弱いぞ」ってセリフがあって衝撃だった。

ケンカが弱いなんてことを年下の仲間にあっけらかんと言っていいんだ!
思ったこともなかった。でもその姿が不思議とめちゃくちゃカッコよかった。
自分の弱さを見せるなんてダサイと思ってたのに。でもそれは思い込みだった。素直になることはカッコよかった。

こんな話をしてもいきなり素直になれるとは思わない。
でもとりあえず、素直にしっかりやってるやつを笑うことだけはやめてほしい。
それはダサイことなんかじゃないから。そして、それを笑うことこそ何よりダサイことだからね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?