個人主義者であり世界市民主義者でもあるけれど、愛国心がないわけでもない

 私自身の哲学的思想は反国家主義的で、世界全体の繁栄を願うものだが、実際に全ての人間にその思想を持つことは不可能であるし、そもそも全体主義的思想の押し付けはほとんど最悪の結果を招く。
(世界市民主義もあくまでひとつのファシズムであることを否定できないのだ)

 私自身の政治的価値観は、個人主義と世界市民主義の両方を内包しているが、愛国心も多少は持っている。
 日本という国を郷土として愛しているし、この国の高い文化性や戦後育まれた争いを避けようとする傾向も、好ましい。あまり声がうるさくないのもいいし、綺麗好きなのも私の趣味に即している。

 もちろん悪い部分も目についてしまうが、そのことについては今は置いておこう。
 重要なのは、私にも確かに愛国心があるということ。

 現実的に考えて、あらゆる国家はある程度国内を優先すべきである。もし全ての国家が協調路線を歩み、世界全体の中で自分たちの役割を果たすことを最優先とするならば、それはかなり世界全体で理想的な生活が営まれるはずだが、それは単なる夢物語であり、ほとんど宗教の分野に属してしまう。
 実際の世界はあくまで「自分優先」がデフォルトであり、少しでも「自己犠牲」に走ろうものなら、すぐに食い尽くされるのが現実である。

 国家は自己犠牲的であってはならない。それは国内だけでなく、国外にも悪い影響を及ぼす。というのも、自己犠牲的な行動によって破滅した国家があると、近隣諸国は通常よりさらに自国第一主義に傾倒するからである。

 目指すべきは緩やかな協調。それぞれの国家がそれぞれの利益のために動きつつも、他国の利益を侵害しないように配慮をして進んでいく治世。

 今の文明のレベルなら、そこを目指すべきであると、私は考える。どの国家が強くなるとか、繁栄するとか、そういうことは二の次でいい。ただ世界全体の方向性が、協調と配慮に進んでいくことを私は望む。

 私は暴力による戦争が嫌いだし、歴史的な見方を持たない主張も嫌いだ。単純な考え方が嫌いだし、耳が痛くなるような意見を避ける生き方も嫌いだ。

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