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前編へ 「ねえ、君なんて名前?」 みそらはようやく触手の拘束から解いてもらって、地べたに直接座りながら先ほど脱がされたスカートやショーツ、そして鞄や携帯を整理していた。 下半身裸のまま体育座りをしているので、粘液が地面には小さな水溜りが出来ている。 「それと何で……その……エッチな……ぉっゅ……がいるの?」 少し冷静になると、その言葉はひどく恥ずかしく思えた。整理するふりをして顔を背けながら、少年に少女は続けざまに尋ねた。 一方少女の作り出した透明な珠を物欲しそう
――よく考えれば、最初から"そういう"気配はしていた気がする。 そんな事を考えたのは、ひとしきり暴れて体力が消耗すると共に少しだけ冷静になった頃だった。 「ちょっとォ……なんなのぉ……」 手足は拘束され、腰もがっちりと縛られて少しも動けない。 それから微かに伝わる鼓動から、何か生き物だと判断する。 ――が、池上みそら……一般的な女子高生である彼女の17年の人生の中で、こんな芸当をこなす生物に遭った経験はおろか、噂すら聞いたことがなかった。 こんな、触手を持つ生き