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成年後見制度は家族のためならず

85歳になる母の記憶や行動が怪しくなってきたことを先輩に相談すると、

「できるだけ早くお金を一つの口座に寄せた方がいいよ」

と言われました。

その時は、よく意味が解らず、「お金よりまず診断…介護認定をどうするかで手一杯です」と答えて流してしまいました。

しかし、今ならわかります。多分、それを一番にやるべきだったと。

ある日、母の財布がなくなったと、両親から連絡が来ました。お金のことは、父はすべて母に任せきりで、財布に何が入っていたのか、母の記憶もあいまい。パニックもあり、クレジットカード以外に銀行のキャッシュカードがあったのか、何度聞いてもよくわからない。

しかたなく、両親の通帳をすべて出してもらい、各銀行に確認するなどの作業をしました。

そして分かったのが、それほど潤沢な老後資金はないということ(笑)と、分散して4つもの銀行に口座があったということ、多くの貯金を定期にしているということでした。

この時はそのことが面倒なことだ、とは全く知りませんでした。

しかし、これは典型的な困った状況なのです。

もし、銀行が両親を認知症と見なしたら、定期預金は凍結されてしまいます。そして、これを解除できるのは、「成年後見人」という家庭裁判所が認めた人だけになってしまうのです。その制度を使わないと、亡くなってから相続手続きをするまでは、手を付けられなくなる・・・つまり、両親の介護のためには両親のお金は使くなってしまうのです。

じゃあ、その「成年後見人」制度を使えばいいじゃないか…

しかし、この制度、守ってくれるのは親の財産だけで、家族の苦労も、親の思いも反映したものには全くなっていないというのだから、大変なのです。

ということで、今私は「成年後見人」を使わずに親の財産を親のために有効に使える方法として「家族信託」について学んでいます。

テキストは石川秀樹さんが書かれた「成年後見より家族信託」

https://kazokushintaku-shizuoka.net/deposit-agent-card/

両親が意思表示をちゃんとできているうちに対応しないと大変なことになりそうなので、猛ダッシュで勉強しつつ、実行に移していきます。

とはいえ、このコロナ禍のさなか、時間等の戦いです。

つづきは、また次回。

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