DSIのポリシーオプションのクライテリアの議論


概要

CBD事務局は第4回 のDSIに関するWebinar(2021年4月21日)(https://www.cbd.int/article/dsi-webinar-series-2020)を開催し、ポリシーオプションとそれを分析するためのクライテリア(基準)についての說明を行った。CBD事務局、シャロット・オーブリーから、4つのカテゴリ、9つのクライテリアについて説明があった。その後、オンラインディスカッションフォーラムが開催された。ここでは、セッション2のDSIのポリシーオプションのクライテリアの議論が行われた。33の投稿があった。


クライテリアのカテゴリーと說明

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図 Webinar より

カテゴリーとクライテリア

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議論のまとめ

オープンアクセスの定義に関する議論

・データは営利・非営利を問わずオープンでなければいけない。データのアクセスに条件をつければつけるほどアクセスは促進されず障害が多くなる。オープンアクセス自体が非金銭的な利益配分である。事務局の行ったオープンアクセスの說明は登録の可能性を含み、定義の理解が異なる。(クリス・ライアル)
・FAIR原則は再利用が制限されたデーターセット(クリエイテイブ・コモンズ・ライセンスなど)を許容するために、完全なオープン性を実現するためには十分ではない。アクセスのための登録要求は一部の人の過剰なアクセスの制限などよりサービスを利用しやすくするもの。登録をサービス提供以外の目的で使用することは、摩擦を大きくするだけ(ガイ・コクラン)。
・登録については、一般的には問題視されないが、DSIに関しては登録の目的と結果について疑問が残る。データアグリゲーターにとって特に重要である。NCBI自身はデータの使用や配布に制限を制限を設けていない。したがって、NCBIは分子データーベースに含まれる情報の使用、複製、配布に関するコメントや無制限の許可を提供することはできない。ことを例示し、オープンアクセスは条件や契約に支えられている。FAIRの原則はDSIの進むべき共通の道を特定するための有用なツールとなる。(ポール)

自然情報に関する議論
・境界性のある開放性について紹介、自然情報が、議論のなかでタブー視されていることが問題と指摘(フォーゲル)。

・提唱者の MAYの境界性のある開放性については、特許に連動したロイヤリティーの聴取についてのコメントではない。スケールの問題に対処するためのアプローチにおいて、柔軟性と適応性にもっと注意を払う必要があります。そのためには、複数の現実的な選択肢を見つけ、評価し、追求する必要があるでしょう。(ポール)

ABSシステム
・現行のABSシステムは生物多様性現実に適応しておらず、より広い視野で総合的に見なければDSIに対処することが現実的でない。ABSだけでは、各国の目標にの達成に貢献できるものの、ABSだけでは達成できず、さまざまなメカニズムやイニシアティブを活用した総合的なアプローチが必要であることを念頭に置く必要がある(ICCダフネ)。

・INSDCデータベースの運用コストを考慮した、むしろ分離された多国間システムが、データベースに保持されている「DSI」には望ましいかもしれない。(ニューマン)

・極端な閉鎖性(ブロックチェーンによる暗号化など)や絶対的な開放性(すべてをパブリックドメインに委ねるなど)を追求しても、生物多様性のグローバルな性質や関係者(先住民を含む)の多様な権利や利益のため、社会的にも経済的にもうまくいく結果は得られないだろう、そのためには、複数の現実的な選択肢を見つけ、評価し、追求する必要があるでしょう。

・金銭的な利益をもたらすことに焦点を当てているが生物多様性の保全のための新たな知識の創出するオプションが切り捨てられる可能性がある。商品開発でない生物多様性の知識の想造を将来のDSIの規制から除外することが検討できる。(エドモンド・シラー)

クライテリアに関する意見
・金銭的な利益をもたらすことに焦点を当てているが生物多様性の保全のための新たな知識の創出するオプションが切り捨てられる可能性がある。商品開発でない生物多様性の知識の想造を将来のDSIの規制から除外することが検討できる。(エドモンド・シラー)
・クライテリア 3,4,8,9,10,11,12は設計原則としててきしている。イノベーションにおけるDSIのアクセスと利用を最大化の金銭的および非金銭的利益の最大限の共有を第一層とし第二層を規制管轄の裁定取引の最小化、規制の複雑性、取引コスト。導入コストの最小化(DSMZ Sara)

・国際的な遺伝資源の配列データベースへのオープンアクセスを維持することは、すべての国にとって大きな価値があります。DSIのオープンアクセスシステムを維持することは、研究を支援し、ひいては生物多様性の持続可能な利用を促進することにつながります。(ダフネ)

・実際にはDSIの活用から利益を引き出すシステムを完全に開発するには時間がかかるかもしれません。「効果的かつ効果的な利益配分の確保」、「利益配分を求める国にとって公正なもの」、「研究活動の対処方法の変更」(ペリラ)

・基準については、評価の手段として、利益の計算方法や配分される利益の性質を決定するための可能な方式を検討し、利益を配分する方法も含めるべき(ラクチシア)

・オプション4をクライテリア6,7,8で検討するとどのように機能するか不明。クレイテリア5に運用コストを考慮すべき。クレイテリア1は、DSIを利用する様々なセクターにとってDSIがどのような価値を持つかよく理解することが良い。キャパシティービルディングの大きな可能性を直接感じつことができる(ニューマン)。

・INSDCのオープンアクセスを機能的にそのままにして、利益配分をアクセスから切り離すというのはどうだろうか、生物多様性、保全、持続可能な利用に貢献する新たなDSIの創出を積極的に可能にしている国に、多国間基金から「ボーナス」を分配する、ゲノミクスとDSIは各国のバイオエコノミーを構築し、持続可能な利用を支援する機会を提供。DSIの利用のギャップを埋める。(アンバー)


問題提議

国際法の話、ABSの話、ポリシーの選択視なのか問題を定義した。(山本)

実施方法を検討を推奨:(1)既存のデーターベースか新規データーベースか、(2)既存のデーターベースの対応、(3)知財権の対応、(4)病原体などの取り扱い、(5)金銭的利益の見積もり、実施コスト、先進国が金銭的利益の多くを受け取るここと、(6)コレクションの閉鎖の可能性。レガシーコレクションの対応。(パンディー)

これらについてフォーゲル氏が回答。(3)特許が商業的に成功した場合のみ支払う。(4)病原体の対応は、GISAIDやPIPなどがモデルとなる。(5)緻密さは必要ない。PCRは20億ドル稼いだ。提供者が有利になるだろう。(6) 利用者はまだ時間があるうちに状況を解決しなければいけない。 

ABS制度で経験する高い取引コストと法的不確実性は、遺伝資源の利用に投資することが可能かどうかについての企業の判断に大きな影響を与えている。(ダフネ)

DSIに関しては提供国と利用国の分布が遺伝資源と異なる、途上国が報われる可能性は低い(パンディー)。

・GBIFの新しい指標とし、INSDCは生物多様性指標パートナーシップの新しいメンバーとなるべきではないでしょうか(アンバー)

・私たちが「DSI」と呼んでいるものについて、はっきりとしていると同時に広い範囲をカバーする、実行可能な定義が必要です。その範囲と社会的、法的、経済的基盤において技術的に健全なABSの「アプローチ」またはモデル。現在、並行して進められている様々なアプローチ(NP、UNCLOS、WHOなど)を首尾一貫したフレームワークの下で統合することができるABSアプローチが必要です。保全のためのインセンティブを論理的に調整し、非貨幣的利益と貨幣的利益を同時に提供するABSアプローチ(ミューラー)







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