再版したので比べてみた
8月に出した鈍器本(文庫:320P)が予想よりも好評で通販が瞬殺した。
再販希望をたくさんいただいたので、じゃあ再版すっか~と立ち上がる。
で、最初の印刷所よりコストを下げたかった(+別の用事があった)ので、再版分は納期はかかるが他所にしてみた。
【仕様】
本体:文庫サイズ/320ページ/本文用紙:淡クリームキンマリ72.5
表紙:色上質最厚口 銀鼠/モノクロ/
カバー:コート135/カラー/片面クリアPP/
本文フォント:リュウミンR
【データ作成】
本文:一太郎
表紙他:クリスタで作成したものをPhotoshopで調整した。
印刷所様に作例を掲載していただきました。
他にもたくさんあるので、仕様に迷ったら参考に見に行って欲しい。
初版:ちょいのま印刷
大変申し訳ございません。今回利用するまで知りませんでした!!
(Twitterで「オンデマの文庫本どうしよ~~~」ってこぼしてたらダイマされ、サイトをのぞきに行ったのが出会い)
半信半疑で見積もり取ったら、まあ安い、というか、びっくりした。何なのこのお値段???
カバーの用紙もいろいろあるし、言えば大抵のことはできるようです。
ただ、イベント合わせではなく、入稿後〇日で発送、なので、感覚がつかめるまでちょいと慣れが必要かも。
(直接搬入もやっていないので、宅配搬入になる。それも見越して納期計算しないと詰む。あと、お盆は普通にお休みです)(今回、それもあってイベント一ヶ月前に入稿というアクロバティックなことになった)
納期は入稿後、一週間ほどたってから「〇日くらいに発送予定」と連絡が来るのでその間、ちょっとソワソワする。
あと、テンプレートというものもないので、ある程度自分でデータ作成に慣れていないといけない。(今回は他社のテンプレートで入稿したけど問題はなかった)
仕上がりについては「きれい」の一言に尽きる。カラーはCMYKなので、昨今増えているRGB印刷ばかり利用している場合は注意が必要。
(印刷所でRGB→CMYK変換はやってもらえるようだが、色の変化は自己責任)
問い合わせのレスポンスは非常に速い。
最初、営業時間ギリギリに送ったので翌日に返事が来ればいっか~だったら15分後に来た。惚れる。
再版:おたくらぶ(大阪印刷株式会社)
少部数の味方、おたくらぶ。
豊富な紙、多彩な印刷、何と言っても料金が安い!!!
大丈夫なの??? って毎回思う。
ただ、冊子だと納期が二週間ほどかかったり、オプションによってはさらに早まる。
しかも、予約制ではないので急に締め切られたりするので注意が必要。
(サイトを確認して「明日入稿しよう」と思った二時間後に「そのセットは終わりました」と告知が出たこともある)
今回、初版は本体とカバーはちょいのま、帯としおりはおたで刷った。再版は、全部おたにした。
(言えばちょいのまでも全部できたっぽい)
で、何で再版で印刷所を変えたかというと……
おたくらぶは新刊カードがもらえる
いま、とあるカプのオンリーを開こうと上記のカードを集めているので、どうしても複数枚欲しかった。でも、ちょいのまは対応していない。なので、再版で印刷所を変えた。
で、5,000円以上で1枚なので、本体とそれ以外に分けて二回納品にしてもらい、無事に二枚ゲットしました!!
(運賃は二回分かかる)(そこで運送事故が多発するが、それはまた別件)
比べてみた
カバー
おたはRGB、ちょいのまはCMYK。なので仕上がりにかなり差が出ます。おたは元画像のフィルターのせいで青みが強い。ちょいのまはがっつり色が出ている感じ。金色もちょいのまの方がそれっぽく見える気がする。
どっちがいいかは好みかな?
カバーはちょいのまは料金払って巻いてもらったので、仕上がりのきれいさに感動しました。やはり、金払って外注!!
再版分は、カバー巻きすると納期+一週間ということなので、自力で巻いた。帯も含めて二時間以上かかった。
本体
正直、仕上がりに差はほとんどない。
比べたら、ちょいのまの方が線が細いかな? レベル。あとどちらもオンデマンド印刷特有のテカリが若干あります。
どちらも角がぴしっと出ているし、断裁もきれいです。
(おたはたまに10P単位くらいで小口部分が凹凸になっていることがある。市販の文庫でスピンなどをつける仕様上、あえてそういう装丁にしている出版社もあるが、ここのは不明)
本文
ちょいのまの方が若干繊細な印刷かな??? あと、どちらもベタ部分はてかります。なので、挿絵などで濃い目のベタは避けた方がいいかもしれない。
(てかってもいいならそれも味)
余部について
あったらうれしい余部。ちょいのまは「サンプル」として一部ついてきました。
おたは、ときどきで違う。1部~8部くらいついてくる。
今回は4部あったがカバーも同数だったので、折る際に失敗しないかドキドキしながら作業した。
帯としおりはさらに多めにつく印象。
しおり
初版と再版でしおりの紙替えをしました。
←左「キュリアス」:右→「星物語」
これ、紙選びどころか最初のデザインで大敗北。
まったく紙の良さを生かせていない。
キュリアスの独特の光沢も星物語のキラキラも印刷面からだとまったく見えない。
デザインするならどの紙を使うかも考慮に入れましょう。
帯は紙替えできなかったのでそのままです。仕上がりは、再版の方が若干赤味が薄いかな。けど、比べてそうかもしれないレベル。
反省点
本文が300P越えるなら、書籍用紙72キロではなく、55~62を選べ!!!
背幅が「16ミリ」になってしまったので見た目の圧力がすごい。
あと、物理的に重い。
かさばるので搬入や搬出が大変。委託先への納品も、120サイズの段ボールが必要となるレベル。
書籍用紙72キロで16ミリ、55キロだと12ミリまで小さくなるので……
会場で「分厚い!!」と驚かれましたが、それは紙も厚めだからです……
(余談ですが、2冊目はギリギリだったので書籍用紙が使えずコミック紙になった(約90キロ)なので、60Pしかないのにかなりしっかりとした【本】になった)
内容はともかく、仕様と印刷に関しては、どちらの印刷所も大満足しております。
別件としては、
とらのあなの再販投票ボタンの数は三割と思え!!
これ、システム的に「一日一回」押せるんです。
なので、同じ方が何度も押せる。(スマホとPCといった、媒体違いでも押せるらしい)
まあ半分も予約が入れば~と思ってたら、まさかの三割です。
(バンドやっている上司曰く「そんなもん」らしい)
残った分に関しては、年内にWEBオンリーあるし、来年もイベントに出るので問題ないです。
通販先はこちら。
ただ、今回は「おまけ」の変更が入る兼ね合いで、ボタンを押してもらったページでそのまま追納分の予約が取れなかったんです。
そのせいで、ボタンを押した方が入荷に気づいていない可能性が高いという問題もある。
おまけについて
本とは関係ないけどついでに。
おまけをつけたはいいが、再版分は内容を変更したい、あるいはなしにしたい。
その場合、とらのあなは「完売している場合のみ変更可能」とQ&にあります。
ただこれ、落とし穴があって「完売し、かつ、とらのあなが発送済みに限る」という隠し条件があったりします。
これ、利用者側はいつ発送完了になるかはわからないので……(おまとめ便などは、へたすれば一か月先とかある)
なので、今回は新規扱いでおまけ変更分としてページを作りましたとさ。
まとめ
言えるのは、「作ってよかった」です。
同じデータで別印刷所に再版って、ありそうでやったことなかったので比べられて面白かったです。
カバー付き文庫本は、手間もお金もかかりますが、「市販の本っぽい」と満足度が高い。
実際、頒布しているとこちらが何も言ってないのに裏に返して帯のあらすじを読んだり、カバーにある人物紹介を読んでもらえるので、すごいなぁ、と思いました。
今はオンデマンド印刷で少部数から作れるので、やってみたい、という方は挑戦してみましょう!!
本当に、紙は薄いのを使おう……(営業所へ荷物を持って行くだけで疲弊した)
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