「ふたりよがり」感想

先日、池袋GEKIBAにて公演された「ふたりよがり」を観劇したので感想をば。

この作品は2人芝居の会話劇×5本という構成でなおかつ時間によってキャストが入れ替わるものとなっている。
要はキャストが公演ごとにお互いの役を入れ替えるというもの。
両方観れば両方の演技を観られるし、もし片方しか観れなくても「もう片方はどんな風に演じていたのだろう」と想像を膨らませることが出来る。

今回私が観劇したのはBキャスト。
さてどんな展開だったか、各々大まかな感想とともに…
※ネタバレを含んでいますのでご注意を。
まぁもう終演した作品だから大丈夫でしょう。


こんな時に、こんな時だから

ブラック企業からトンズラしようとするOLの物語。
後輩ちゃんめんどくさい子だなー、と思っていたら先輩に対して中々ヘヴィな感情を持っていたことが発覚。

何気ない一言で救われる事ってありますよね。

キャストのビジュアル的にAキャストのほうがしっくりきそうな感じではあった、でも逆のBキャストを観たことでこういう一面もあるのか!という発見を得られたので無問題。


リストランテ

面倒くさい注文をしてくる客の正体は幽霊だった!しかも訪れる店を間違えていた!
…という、はた迷惑な幽霊に振り回される話。
見ていて冷や冷やしてしまった人は何かしらの接客業を経験しているはず。

幽霊役の小寺さんがそれはもう強烈な目力の持ち主で幽霊が無茶を通すのに説得力を与えてくれました。

Aキャストの植野さんも強烈な幽霊を演じただろうけど、あの目力に勝つのは大変だろうな…


無色透明ビニール

子どもを捨てた母親と、刑事になったその捨て子の再会。
どう転んでもシリアスな話で実際重い展開が続く。それでいて後味の悪さは感じさせない不思議なお話。

それゆえにだっふんだのくだりは蛇足だった。
何なん?シリアスな話してたのに急にだっふんだて?
捨てられる間際の思い出にしてももうちょい世界観に合ったものは用意できなかったのか?

双方いい芝居をしてABどちらもありだと思わせただけにこれは残念。


化物

インターハイに河童が紛れ込んでいた!というコント

これは間違いなくコントだ。

話の展開や台詞回しが完全にコント

会場が爆笑の渦に包まれたのは言うまでもない。なんならPA席が一番笑っていた。

本部長(ツッコミ)役の安達さんは吉本の方らしい。どうりでキレッキレなわけだ…!


ふれる面会

殺人犯の面会に、弁護士となったかつての友がやってきた。
ふざけた態度で被告をおちょくり倒すも実は…というお話。

女をかばう被告と、そんな友を救おうとする弁護士。
あまりに不器用な男の友情エピソード。

話自体は重いし声を荒げる展開ばかりなのに要約するとあら不思議。こんな爽やかそうなお話に。

話の最後で笑いに持っていこうとしたけどお互い言い合って角が取れた分無色透明ビニールより違和感は少ないか。

ちなみに「化物」と「ふれる面会」はやや特殊で、ABで固定キャスト×入れ替わりキャストという構成になっているが、それを踏まえてもBキャストの圧勝だと思う。
なんせお互いはまり役すぎてAキャストの姿が想像できなかったので…


以上、「ふたりよがり」感想でした。
スタッフに先輩がいたと聞いて駆け付けたのですが不思議な魅力に溢れる作品で良かったです。
先輩にも奇跡的に会えたし良かった良かった…!
(なおこの後陽性反応が出た模様。おかげで投稿が遅れてしまった…´;ω;`)


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