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2021 11月の読書日記

読んだ本の数:5
読んだページ数:1058

今月は、いつもの半分ほどしか読んでない。
おすすめ本も1冊しかありません。


森見登美彦さんが古典の名作をパロディにした




この1冊だけです。
表題作の走れメロス。
このパロディが秀逸。
読む価値ありです。

帰ってきたヒトラーは、本好きの間で評価の高い作品なのですが
僕には合いませんでした。
映画は最高です。

以下、読んだ本の簡単な感想

本が紡いだ五つの奇跡の感想
1つの小説、それに携わる編集者、作家、装丁担当者、書店店員、読者。短編集ですね。前半の2つは、かなりいい。編集者の情熱と背景。そして、作家が渾身の力で書こうと思った理由とか、読んでてかなりのめり込んだ。装丁の夫婦の話しで中だるみし、次の書店員の恋愛でちょっと挽回。この回もディテールまで拘っていて、とてものめりこめた。そして、まとめのような読者のおじさん。本に背中を押されて恋愛を始めるという形なんだけど、なかなか良い言葉がここにはあったが、話しとしては既視感がある。どこかにあったような当たり前のラスト。
読了日:11月07日 著者:森沢 明夫

老い蜂の感想
老人のストーカーの描写がとてもリアルで気持ちが悪かった。老人の執着の話しかと思うと、20年も前の連続殺人事件が絡んできて、それストーカーとかいらんやんと思ってしまった。とにかく、ストーカーがインパクト強すぎて、その後の謎解きやら誘拐、殺人やらが霞んでしまい。ラストの犯人とか、そこのところになると、残念というのか、ちょっとちょっと・・・となってしまった。せっかくの筆力なのに、この犯人はないだろうと思う。確かに、わからなかったが、一種の反則に近い展開だと思った。読後感はそんなに良くない。
読了日:11月14日 著者:櫛木 理宇

7.5グラムの奇跡の感想
目の病気の話し。検査技師のお仕事小説。緑内障という病気は治らない。悪化するのをできるだけ遅らせるという話しを聞いて、あらためて目が見えることの大切さを実感した。カラコンを入れる女の子。心因性の視力低下。目の病気も色々とあることに気づく。真摯に病気と向き合う技師の姿を通して目が見えることの大切さを知った。いい小説。ただ、普通に良い小説。感動とかはなかった。
読了日:11月20日 著者:砥上裕將

新釈 走れメロス 他四篇 (角川文庫)の感想
名作を森見風に現代に蘇らせたパロディ?。いや、これは新しい森見さんの小説である。面白かった。太陽の塔や夜は短し歩けよ乙女の世界と類似している森見ワールドで、太宰の「走れメロス」や芥川の「藪の中」。中島敦の「山月記」。坂口の「桜の森の満開の下」「百物語」という古典の名作を完全に現代化というか森見化してしまっている。表題作の「走れメロス」のパロディが好き。逃げまくる主人公。原作とは真逆の行動をとる。原作を読んでいて感じていた、いかにもという雰囲気が打破されて、それもありじゃんと思ってしまった。
読了日:11月21日 著者:森見 登美彦

帰ってきたヒトラー 上下合本版 (河出文庫)の感想
ヒトラーが現代のドイツに蘇った。本人は本気なのが笑えるが、これは、そんなヒトラーを笑う小説ではなくて、ヒトラーとともに今の世界を笑うというか観察するというか、そういう小説なんだろうなと思った。前半はかなり楽しめるが後半になればなるほど、よくわかんなくなる。というのもドイツのシステムとかテレビとか何から何まで、その何が駄目なのかもわかんない。トルコ人をバカにするコメディアンとか、タブロイド紙とか、ドイツの政党とか何じゃこりゃと思ってしまうだけだった。
読了日:11月30日 著者:ティムール・ヴェルメシュ

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