なんとかならないものか

今回のお話は、完全にワシの独断と偏見であり、同情が満載です。様々な意見がある中での個人的な意見ですので、予めご了承ください。

では、以下の記事から。


体操・宮田笙子の飲酒喫煙は“内部通報”によって発覚 協会は「通報者の立場も保護」

https://news.yahoo.co.jp/articles/1d891bebb4b4b6162a8978cbd7db6843b3124461

日本体操協会は19日、緊急で会見を開き、宮田笙子選手のパリ五輪代表辞退を発表しました。

会見の冒頭、「7月15日、宮田選手に関する情報提供が現地モナコの強化本部に入りました」と発表があり、18日の聞き取りでプライベートの場での喫煙行為、NTC(ナショナルトレーニングセンター)のアスリートビレッジの居室内での飲酒行為と確認がされたことで、行動規範に反する行為として代表辞退に至ったということです。

報道陣からは、15日の情報提供について、それらの行為を知ることができた人は限られており、いわゆる内部告発ではないかと質問がなされました。

これに協会は「否定はできないと思います。内部の通報者ということは、現地の通報を受けた田中本部長から聞いていますので、そうなんだろうというふうに思っています。決して外部の誰かではないというふうに理解しています」と回答。

追加で田中光強化本部長が“内部通報”と認めているかさらに問うと、「そうです」とした上で、「通報してもらった方の立場も保護しなければいけないという認識を持ってますので、これ以上のお話は差し控えさせていただきます」と具体的な説明は避けました。


・内部通報者は保護されるべきである
・未成年の喫煙飲酒は違法行為である
・違法行為および行動規範の違反に対する処分は当然である

この3点を否定する気は全くありません。その上での話です。

ネットを見る限り、世論は真っ二つに割れているように思いますが、ワシは基本的に「たかが喫煙程度で」という意見寄りです。もちろん、規範に反したことについては何らかの処分があって当然ですが、窃盗や詐欺、傷害などと違って被害者がいないわけですから、五輪代表を辞退させるのは少々厳しすぎかな、というのが率直な感想です。

一方で、処分を甘くすることは、体操女子のみならず日本代表の全選手に対しても示しがつかないという事情も理解できます。日本体操協会や代表監督、宮田選手の所属する順天堂大学の会見などを見ると、関係者の誰もが、これまでの宮田選手の奮闘ぶりを思いやり「何とか五輪に出場させてやることは出来ないものだろうか」と苦悩したのだろうな、ひょっとすると、各方面への根回しにも奔走したかもな、と感じました。しかし、ルール違反が「宮田笙子」という名前とともに世間に知れ渡ってしまった以上、このまま五輪に出すわけにいかないというのもわかります。ただ、スケートボードの未成年選手4名が、パリ五輪予選シリーズの開催地で飲酒していたことが発覚したにも関わらず、処分は厳重注意のみ、選手名は非公表で、予選にもそのまま出場しているということもあり、この〝差〟には疑問が残ります。

スケボーがよくて体操はダメ、の理由は何なのでしょう。スケボーの4選手も宮田選手も、五輪に手が届くところまで登り詰めるために、怪我を乗り越え、「並大抵の努力ではない」という月並みな言葉では言い表せないような、血の滲むような思いをして日々鍛錬を重ねてきたのだと思います。その上、10代の若さで「日の丸を背負う」という重圧も我々の想像を絶するものと思います。

宮田選手を批判する声の中に「自覚が足りない」などというものが多く見られますが、そういうあなたは、さぞや立派な19歳だったのでしょう。まさか、親のスネを齧って大学へ行き、仕送りをもらったり、合コンに参加したり、バイトに精を出して旅行へ出かけたり、趣味に没頭したり、恋愛で悩んだり、そんなことは決してなかったのですね。自分で稼いだお金で大学へ行き、趣味も恋愛も一切断ち切って、誰からも尊敬される社会人になるために一生懸命勉学に励んだんですね。今は役人さんですか?社長さんですか?これまで一度も他人様に迷惑をかけることもなかったのでしょうね。19歳の女の子に日本代表としての自覚を求めるのですから、19歳のころのあなたにも日本代表の自覚があったのですね!いやー立派です。あなたこそ尊敬に値する19歳です。いやー立派立派!

ワシは、これまでの人生で他人様に誇れるような生き方はしてきませんでした。育ってきた家庭環境を言い訳にするつもりはありませんが、家族ではなく他人様の力を借りながら大人になり、社会に出てからも、人生のピンチといえる状況でも、生きるためになりふり構わず周りに迷惑をかけながらやってきました。ですから、他人様に清廉潔白を求めたりはしません。

人間誰しもスネに傷のひとつやふたつあるものですし、自らのミスを他人様に救ってもらうといった経験も一度や二度ではないはずです。まして、宮田選手はまだハタチ前です。他人様の世話になりながら、時には迷惑をかけながら、それを反省して乗り越えて人として成熟していくんです。何も「トップアスリート」だから特別ではないんだと思うのです。自覚が足りなかった、確かにそうかもしれませんが、そんなことは見ず知らずの赤の他人に言われるより、宮田選手本人が一番よくわかっているはずです。だから、彼女が大勢の大人から責め立てられているのを見るのが非常に忍びないのです。

宮田選手はもうすぐ20歳になるとのことで、4年後のロサンゼルス大会の時には24歳です。女子の体操選手のピークは20歳前後だそうで、今回辞退すると次はないかも知れません。何とか念願のパリ大会には出場してもらい、その後「煮るなり焼くなり」というわけにはいかないのでしょうか。これまでの努力が水の泡となるのが本当に気の毒です。10代で不祥事を起こしながら、自分を見つめ直しトップに登り詰めたアスリートもいます。そういったことを考慮………

いや、もうヤメておきます。書いていて虚しくなりました。失礼しました。