ネトウヨが考える「皇室-2」

前回は女性天皇と女性宮家について触れたので、今回は少し踏み込みます。

皇位継承は、父親を辿れば神武天皇に行き着くという法則(万世一系)に従って決められます。今現在、践祚できるのは男系男子に限定されていますが、かつては、

①第33代・推古天皇
(父帝 欽明天皇)
②第35代・皇極天皇
(祖父帝 敏達天皇/父親 茅渟王)
③第37代・斉明天皇
(第35代皇極天皇が重祚)
④第41代・持統天皇
(父帝 天智天皇)
⑤第43代・元明天皇
(父帝 天智天皇)
⑥第44代・元正天皇
(祖父帝 天武天皇/父親 草壁皇子/母帝 元明天皇)
⑦第46代・孝謙天皇
(父帝 聖武天皇)
⑧第48代・称徳天皇
(第46代孝謙天皇が重祚)
⑨第109代・明正天皇
(父帝 御水尾天皇)
⑩第117代・後桜町天皇
(父帝 桜町天皇)

と、10代8名の女帝がおられ、その全員が男系女子であります。男系女子は、父親を辿れば神武天皇に行き着く女性皇族のことで、現在の未婚の女性皇族では、

①愛子内親王殿下
(父帝 今上天皇陛下)
②佳子内親王殿下
(祖父帝 上皇陛下/父親 秋篠宮文仁親王殿下)
③彬子女王殿下
(曾祖父 大正天皇/祖父 三笠宮崇仁親王/父親 寛仁親王)
④瑶子女王殿下
(         同上             )
⑤承子女王殿下
(曾祖父 大正天皇/祖父 三笠宮崇仁親王/父親 高円宮憲仁親王)

が男系に当たります。
男系女子の皇族方には「今のところ」皇位の継承資格はありませんが、天皇が成年に達しないとき、重患あるいは重大な事故といった故障によって国事行為を行うことができないと皇室会議で判断されたときには摂政(天皇に代わって国事行為を行う)に就任することができ、上記の番号が摂政就任順序となります。

女性宮家とは、こちら5名の皇族方に宮家を創設していただくことを指します。女性皇族が御結婚により皇籍を離れた場合、内廷(天皇御一家)や各宮家への公務の負担が増えるので、その公務の負担軽減をするために、御結婚後も皇室に残ってもらうことが女性宮家創設の目的とされています。

では、女性皇族が「一般男性」と御結婚され宮家を創設された場合、その夫と子どもはどのような扱いになるのでしょう。前回のエントリーで書いた通り、男性は男系男子でなければ皇族にはなれません。従って、その「一般男性」が、父親を辿っても神武天皇に行き着かない場合、彼を皇族にすることはできません。もちろん、その子どもを皇族にすることもできません。ならば、わざわざ「女性宮家」なるものを創設する意味はあるのでしょうか。

そもそも、天皇が行う国事行為や公的行為を「公務」と呼べばいいのであって、皇族方の御活動全般を「公務」とすることに無理があるんじゃないかとワシは思っています。理由は簡単で、皇族方の行われる「公務」には何ひとつ法的根拠がないからです。もちろん、公的な御活動を全て否定するものではありませんが、その御活動のほとんどが、皇族方の義務ではなく御厚意によって行われているのだから、皇族が減ったのなら、その御活動も減らせばいいのではないかと思うのです。庶民がブラック企業を駆逐しようとしているのに、その我々が皇族方へ過度な御負担をお掛けすることを何とも思わないのはおかしいでしょう。そりゃあね、佳子さまが様々な場所にお出ましになられ、キュートな笑顔でお手振りされておられているのを拝見すれば、オッサンのワシは癒されまくりですし、ずーっと見てられますけどね、いや、そういうことじゃねえんだわ。

皇族方の負担軽減ということなら、宮家を創設するまでもなく、女性皇族の方々に御結婚後も変わらず公務を担っていただけるような環境を整備すればいいだけのことでしょう。少なくともその方が、女性皇族の夫や子どもに要らぬプレッシャーをかけることも、万世一系の終了を目的にしてるのでは?という在らぬ疑いをかけられなくて済みます。もう一度確認しますが、女性宮家創設の目的は、神武朝の破壊ではないのですよね?

というわけで、ワシは、たとえ女性宮家創設が極めて限定的な運用であっても、一般男性が皇族になる可能性が少しでもあれば反対です。サヨクの付け入る隙があるものは全て否定します。

さて、これまた厄介なのが「女性天皇」です。秋篠宮家に眞子さまと佳子さま、東宮に愛子さまと、女性皇族の御誕生が続き、男性皇族の御誕生が秋篠宮殿下以来なかったことで、小泉政権で議論になったのが「女性天皇」ですね。一旦は盛り上がった議論でしたが、紀子さまの御懐妊から悠仁さまの御誕生で下火になりました。その頃からすでに「女性天皇と女系天皇の違い」が大いに話題になったにも関わらず、十数年経った今でもなぜか燻り続けています。

これまで存在した女帝は、上記で示した通り、父親を辿れば天皇に行き着く「男系の女性天皇」です。それに対し、女系天皇というのは、男系以外の男性(仮にタナカさん)と女性天皇(または女性皇族)との間に産まれた子どもが天皇になった場合のことを言います。これは、男系の「神武朝」ではなく「タナカ朝」の天皇が誕生するということです。

万世一系という観点から考えると「女系」という言い方は不適切で、父親を辿っても天皇に行き着かないのだから「雑系」とするのがベターです。万世一系を継続することで正統性が幾重にも保たれてきた皇室が「タナカ朝」に代わるということは、最早それは「皇室」ではなく「タナカ」によって乗っ取られ侵略された「皇室とは別の何か」です。「タナカ」が純粋な日本人なら、まだ少しは救いがあるかもしれませんが、これを「キム」とか「習」とか「プーチン」とか「バイデン」とか「ステイサム」に置き換えるとどうでしょう。万世一系を否定するということは、そういうことなのです。「ステイサム」でもダメなんですよ。

女系推進派は「男系での維持が難しければ直系主義にすればいい」などと軽口を叩きますが、先人が知恵を振り絞り、努力や議論を重ね、時に争いまでして2000年維持してきた皇室の正統性を、頑張ってもせいぜい100年程度しか生きないお前ごときの浅知恵でブッた斬ろうとするとは何様のつもりなんですかね、と思うわけです。戦後、日本を占領したマッカーサーでさえ、皇室を弱体化はさせたものの、破壊まではできなかったんですよ。

女系云々という話は、男系男子が完全に途切れてから初めて議論されるべきであり、旧宮家などに多くの男系男子が存在する以上、その方々を説得するところから始めるのが筋というものでしょう。それを「現実的ではない」などと一刀両断した気でいる自称保守派を見かけますが、自らは積極的に動こうともせず、初っ端から話の腰を折り、2000年の歴史と人々の努力を軽視して見下すような傲慢なクズは、いくら保守を気取っていても害悪でしかありません。おそらく、この手の輩は「保守派」ではなく、保守派を名乗る工作員なんだと思いますが。

それにしても佳子さまかわいい。好きすぎるわあ……