ネトウヨが考える「皇室-3」

2024年7月16日付のヤフーニュースで、共同通信配信のこんな記事を見つけました。


旧宮家の子孫たちが皇族になる現実味は… 77年前に離脱、復帰案に賛否渦巻く

 皇族の減少と高齢化によって皇室が先細りする中、77年前に皇室を離れた「旧宮家」の存在がクローズアップされている。

 政府の有識者会議が2021年12月、旧皇族の男系男子の子孫を皇族復帰させる案を提言し、この対象者を抱えるからだ。

 議論の場は国会に移り、各党派が出した意見は賛否が割れている。(共同通信=志津光宏)

 ▽継承資格32人

 終戦直後の皇室は、大正天皇の長男である昭和天皇の家のほか、弟たちの秩父宮、高松宮、三笠宮の直系3宮家があった。

 これとは別の傍系が伏見宮、東伏見宮、久邇宮、東久邇宮、竹田宮、山階宮、賀陽宮、梨本宮、北白川宮、朝香宮、閑院宮の計11宮家だ。

 現在の皇室と共通の祖先は室町時代の伏見宮貞成親王で、約600年前にさかのぼる。

 1947年5月施行の皇室典範では直系に連なる上皇さま、常陸宮さま、秩父宮、高松宮、三笠宮、三笠宮の長男寛仁親王の6人に次ぐ皇位継承資格者として、11宮家の男子26人が想定された。

 だが、1947年10月に皇室会議が開かれ、片山哲議長(当時首相)は、皇族に皇室を離れる意思があると指摘。戦後の国内外の情勢や経済的な事情から「やむを得ないところとして、意思を実現することが適当」とした。

 11宮家計51人の皇籍離脱が決まり、「旧宮家」となった。

 ▽養子

 皇室を離れた後、旧宮家は土地を売るなどして生計を立てた。子孫は現在、就職している人が多い。

 一方で「菊栄親睦会」や、旧華族らで構成する一般社団法人「霞会館」を通じて皇室との交流は続いている。

 有識者会議が示した皇族復帰案は、子孫を養子として迎える方法で、自民、公明、日本維新の会、国民民主の各党は賛同する。

 立憲民主党は憲法上の問題から慎重な立場で、共産党、社民党は反対する。

 自民は、養子になった後に生まれた男子は皇位継承権を持つとする見解だ。

 共同通信が今春実施した世論調査では、旧宮家の子孫を皇族にして男系男子の天皇を維持する考えに計74%が反対だった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/392b4d689bef58cefb8e96bb4fd86e5effaf9888


まず引っ掛かるのが、最後の一行です。我が国では、日本国憲法ならびに皇室典範により、男系男子による皇位の世襲と順位が定められており、そこに「世論」の入る余地はありません。この「世論調査」なるものが、どういう設問で行われたのか、どのような方法で調査したのか、調査した人数は何人なのか、調査の対象は誰なのか、日本人だけに聞いたのか、外国人にも聞いたのか、根拠が全く示されていない調査が何の参考になるのか、マスコミの穢らわしいところは、こうした「どこの馬の骨ともわからない調査結果」を、さも正当な世論のように騙る浅ましさにあります。

民衆が皇位についてあれこれ介入し、民衆が気に入らないものを斬り捨てるなどという出来事は、我が国の歴史上ただの一度もありません。時の権力者が権力を誇示するために天皇の権威を利用し、皇位の継承に介入することは度々ありましたが、強大な権力を持つ征夷大将軍にさえ、万世一系という一定のルールを破った人は一人もいません。こうした歴史があるにも関わらず、調査対象も人数も全く明らかにされない調査の結果を以て世論を誘導しようとするマスコミの薄汚さには、毎度のことながら辟易します。

また、この記事では、旧宮家の皇族方が臣籍降下(皇室を離れること)した状況について、「(片山哲首相・皇室会議議長が)皇族に皇室を離れる意思があると指摘。戦後の国内外の情勢や経済的な事情から「やむを得ないところとして、意思を実現することが適当」とした。』と書かれていますが、11宮家の皇籍離脱は、宮家が経済的に困窮するようGHQが仕向けた、という背景が抜けています。GHQは「天皇となる可能性の非常に低い者」「そのような者を皇族として遇し、歳費を支出するのは如何なものか」と各宮家の皇族方を軽視した上でその歳費を完全にカットし、経済的に追い込まれた皇族方が、止むに止まれず臣籍降下を受け容れた、というのが事実です。共同通信は、誰に配慮してか、こうした経緯に全く触れず、如何にも当時の皇族方が自発的に皇籍を離れたかのように書き、ついでに、根拠不明な「世論調査」の結果を持ち出して、皇室の歴史について詳しく知らない人たちに対し「男系継承断念やむなし」を印象付けているのです。まるで詐欺師の手口ですね。

このヤフーニュースの記事に対するヤフコメも「これ書いてんの工作員じゃね?(ずんだもん口調)」と思うほどヤバい内容で溢れていました。中でも、旧宮家の方々の血筋について「600年前が現在の皇室と共通の祖先なら血が薄い」というのが印象的でした。「血が濃いか薄いか」の話で言えば、男系男子の血統を引き継いで現存している旧宮家の方々は、確かに男系では600年前まで遡らなければ共通祖先へ辿り着きませんが、いずれも女系で明治天皇の血筋です。「血が濃いか薄いか」なら「血は濃い」ですね。また「600年前まで遡るのは遠すぎるので、男系はやめて直系にすべき」という意見もありましたが、今上陛下は神武天皇から数えて126代目ですから、時間が経てば遠くなるのは、男系継承の法則から言えば全て平等です。今一度繰り返しますが、万世一系とは、父親を辿って神武天皇に行き着く血統を言うのであり、血が濃いか薄いか、あるいは近いか遠いかは関係ありません。そう考えると、旧宮家が高々77年前に皇籍離脱したことなど、まるで昨日のことのようでしょ?

皆さん、印象操作満載のマスコミの記事には騙されないように気をつけてくださいね。彼らは、真実の中に嘘を織り交ぜたり、大事なことを隠したりして我々を欺こうとしています。自発的にやっているのか、誰かにやらされているのか、そんなことはどうでもいいですが、動機や背景がどうであれ、公平公正でなければ、彼らの記事は単なる便所の落書きです。こういう真偽不明の低質で低劣な記事で泣いたり怒ったり(ワシだ)するのはムダなので、一切無視して毎日を楽しく過ごしましょうw