夢なら覚めて……


東京都知事選挙に立憲民主党の〝ブーメランの女王〟が出馬を表明したこともあって、ワシのXアカウントのTLには頻繁にその話題が流れてきます。女王は早速、記者会見や街頭演説を実行したが、政権批判に話の重点が置かれていて、都知事になって何をしたいのかが(当たり前だけど)全く伝わらなかった人も多かったようです。公約に関しては、現職の都知事が出馬を表明したらその時に発表するなどと宣わったらしく、(一部の熱狂的支持者を除く)多くの都民や傍観者が首を傾げたことと思います。

都知事になってやりたいことを何も決めずに立候補を表明したところを見ると、仮に都知事選に通れば儲けもんだし、空いた参議院の議席は次点の立憲候補が繰り上がる、さらに都知事選に敗退したとしても次の総選挙へ立候補ができる、おそらく女王本人も党にもその算段があり、自民党がヘタっている今が攻めどきと思ってのことなのでしょう。「都民の皆さん、蓮◯さんを無職にするチャンスですよw」と呼びかけるXの投稿がありましたが、ワシも禿げしく同意します(笑)

さて、ワシ個人的には、ブーメランの女王は都知事どころか政治家として不適格だと思っています。

例えば、二重国籍問題。
女王の周辺や支持者たちは「二重国籍は問題ない」「二重国籍問題は解決済み」などと口々に言っています。確かに重国籍状態のまま国会議員になったことは時効が成立しているし、重国籍自体は保守派が騒ぐほどの重大な問題ではありません。
自民党の小野田議員のように、発覚した時点で正式な手続きをして関連する書類などを公表し「ごめんなさい」と一言言えばそれでよかったのに、何か突っ込まれるたび発言を二転三転させた上に「プライベートの問題」だの「人種差別」だのを持ち出して話をすり替えた挙句、ダンマリを決め込んだことが問題視されています。
子どもじゃあるまいし、こういう不誠実な対応は社会人としての適正を欠いているのではないかとワシは思いますよ。取引先の担当者がこんなやつなら、担当者を代えてもらうか取引自体を見直すのは当然のことです。

例えば、女王が仮に都知事になった場合、行政の長として職員たちと信頼関係が築けるかという問題。
民主党政権が、すでに成立した予算を人質に官僚イジメを公衆の面前に晒す「事業仕分け」と称するパフォーマンスを行い、女王が「二位じゃダメなんでしょうか」という名言だか暴言だかを残したことは有名ですが、果たして部下となる都職員の皆さんはこういう人を上司として信頼しますかね。
女王の特徴といえば「政治家として何かを成し遂げること」よりも、マスコミが「舌鋒鋭く」と表現して持て囃すほど「敵と見做した相手を叩きまくる」ことに長けていて、地方議会でありがちな首長の一人与党では、女王は議論も口論もそれなりにやり過ごすかも知れませんが、都民の目の届かない所で、女王に目を付けられた職員がいるようなことになれば、ひと溜まりもないでしょう。
これまで通り、自民党嫌いのマスコミは大概のことをスルーするでしょうから、世論の味方を期待できない職員にとって恐怖政治の始まりにならなきゃいいんですけどね。

自分で掲げた公約のほとんどを反故にする反面、頼んでいないことを全力で実行する学歴が怪しい現職の都知事は未だ出馬を表明していませんが、早くも世間では「学歴詐称 vs. 国籍詐称」の選挙として盛り上がっています。
警視庁を管理下に置き、皇居を擁する土地ゆえに、間接的に選ばれる総理大臣よりも直接選挙で選ばれる東京都知事は時に強い権限を持つことがあるとも言われています。
マスコミは日本初の女性首相候補としてこの両名を持ち上げることがありますが、どう見ても軽薄すぎるこの2人が都知事や首相という地位に相応しいと個人的には思えません。どちらが当選したとしても、その任期中に明るい兆しを感じることはないです(断言)。

隣県の傍観者としては、都民の皆さんの心中を察するに余りある、という感想しかないですが、これが悪夢であってほしいし、悪夢なら早く覚めてほしいものですな。