森下

気ままに書いています。

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マガジン

  • 創作まとめ

    新しい順に並べてます。 中には続きとなる話、前作の人物が出て来る話があるので古い順に読む事をおすすめします。

最近の記事

想い

2024年6月8日 僕の元に、知らない方からメッセージが届きました。 文面から怪しい人ではなさそうだったので、電話をかけました。 ……… (しかし、自分は交友関係は狭い方だ。 連絡先を知ってる人なんて、田淵さんと菊川さん以外に誰が…) ……… ……… 森下:初めまして、森下と申します。 篠崎:あ…お電話頂きありがとうございます。 (か細い女性の声だった) 篠崎:突然で申し訳ありません。この度、森下さんに一つお伺いしたい事がありまして…。 森下:僕にですか

    • 三毛猫の話

      東京のとある商店街のアパートで、お婆ちゃんと暮らす1匹の三毛猫がいました 名前は「ミケ」 お婆ちゃんは高齢であり、癌を患っていました しかし、ミケの事が心配で入院はしませんでした 数ヶ月後、お婆ちゃんは息を引き取りました ミケは、お婆ちゃんが亡くなった事を理解できていませんでした ミケは家の前で、お婆ちゃんの帰りを待ち続けました 日が暮れると、商店街の中を鳴きながら探し回りました 人情溢れる街の人達は、そんなミケをほうってはおけませんでした やってきたミケに

      • 森下の雑談

        こんにちは、森下です。 (雑談.1) 日本のスズメって可愛いですよね。 頬の黒い部分の下には、耳があると最近知りました。 自分が住んでる周辺では、5年くらい前に比べてスズメの鳴き声が減った様に思います。 調べると、スズメは年々減少傾向にあるそうです。 巣を作る一つの場所として民家の軒下が挙げられるんですが、そういった家があまり作られなくなったので巣を作れないこと。 また、餌となる虫の数も減り雛を育てる事もままならない、とか。 でも実際、巣を作られた家の住民からす

        • 夜の糸

          ……… ……… 今日も、か ーーー 高校の頃から親しかった総一とは、毎週金曜の夜に電話で話をしていた。 とはいっても他愛もない話。 日々の暮らしで起きた変化、仕事の事とか、最近観た映画のことなど。 なぜ飽きないのか、多分波長が合うんだろう。 ただ、いつからか電話で話しても言葉が通じなくなった。 例えば「あの映画、観た?」と話すと  「そっか…」、「大丈夫だよ」といった返しがくる。 最近、落ち込んでるのか元気がないように感じる。 どうしたのか聞くも似たよ

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        • 創作まとめ
          15本

        記事

          森下のたわごと

          こんばんは、森下です。 唐突ですが、Twitterってあるじゃないですか 今は「X」っていうみたいですね。 自分もアカウントは持ってるんですが所謂観覧用です。 持ってないと情報見れないので。 で、元々SNSの知識には乏しいのですが noteとの違いではっきり感じた事として noteって身近に感じるんです。 フォローしてる方、又は相互フォローして頂いてる人達が、 (特に相互フォローの人達が) 自分の住んでる地域の人なんじゃないか、とか 近所にいるんじゃないか

          森下のたわごと

          雨の日の踊り子

          ………その日から、見えなくなった。 森下:…きっと、その子は安心して旅立ったんですね。 菊川:きっとね。 ーー先日、知人の菊川さんが電話でこんな話をしてくれました。 菊川:中学のとき、夏祭りで1匹の出目金を掬ったから家で育てようって事になって。 菊川:水槽で飼い始めたはいいんだけど、あまり元気はなかったんだよね。 森下:屋台の金魚って、元々弱ってる固体が多いと聞きますからね。 菊川:そう。だからどうしてあげればいいのか分からなかったんだけど、何日かそっとしてたら

          雨の日の踊り子

          創作について補足します。 ・異質な詩と夢の中の少女の田淵さんは同一人物です ・静寂な夜の雪は万誘引力の法則のその後の話ではありません ・雪の積もった道路での語り手は森下ではありません

          創作について補足します。 ・異質な詩と夢の中の少女の田淵さんは同一人物です ・静寂な夜の雪は万誘引力の法則のその後の話ではありません ・雪の積もった道路での語り手は森下ではありません

          静寂な夜の雪

          あたりが静まった公園のベンチで過ごしていたら、しんしんと雪が降り出した。 パーカーのフードを被ってやりすごした。 寒くはなかったし、しんみりとなれる雪の静けさがどこか好きだった。 5年前のある人のことを思い出した。 いつからか、気づけばいつもそばにいてくれていた。 たくさん話をして、笑い合って。 一緒に出掛けて、綺麗な景色も見たりして。 ここもそうだった。 人の声もない静まった雪夜の公園。 一つのマフラーを一緒に使って、手を繋いだ暖かい記憶。 君のあの温もりは、

          静寂な夜の雪

          孤独な巫女

          (こちらは6月2日の記事「異質な詩」の内容を含んでいます) みんなみたいに普通の暮らしがしたかった。  いつか家庭を持ちたかったし、子供も産みたかった。 自分の歪んだ家系を恨んだ。 祖先を恨んだ。 来る日も、来る日も。 いっそのこと、生まれたくなかった。 悟られないように、知られないように 誰にでも笑顔で振る舞う事を教えられてきた。 母も、そして私も不治の病を受け継いでいる。 母は、耐えきれずに自らの手で逝ってしまった。 泣きながら何度も私に謝っていた。

          孤独な巫女

          異質な詩

          2020年3月、知人の田淵さん(当時29歳)と電話で雑談をしていました。 田淵さんは先日、大学時代のサークル仲間だった人から1通のメールが届いたとのこと。 その内容が奇妙なものなので一度見てほしいと言われ、こちらに転送してもらいました。 森下:なんですか?これ 田淵:活動していた頃のメンバーです。内容は各々が詩を書いて公表しあう、といった感じです。 森下:なるほど…。(名前は伏せた方が良いと思うけどな…) 田淵:問題なのは、そのリンクの先です。開いてみて下さい。

          異質な詩

          帰宅病

          僕の知人のKさんは、「帰りたい」という口癖があります。 ケース1. 出勤した時 おはようございます! 早く帰りたいですね! ケース2. 朝起きた時 はああ〜 今日も仕事かあ 起きたくねえなあもう帰りたい…(?) ケース3. 友人と待ち合わせた時 よう!久しぶり! お互い顔見れたし、そろそろ帰る? ケース4. 上司と食事の時 ……… ……… あの部長、そろそろこの辺で… 22時になったら寝ないといけなくて… (早く帰らせてくれよもう) ケース5.

          帰宅病

          万誘引力の法則

          (5月26日の記事「雪の積もった道路で」のその後の話となっています) 君が壊れそうなくらい泣いても ずっとそばにいるから 思い思いの想いで ずっと ーーー 2012年 3年前に神奈川の実家を出て東京に移り、今は質素な本屋でアルバイトをしている。 文字通り、その日暮らしといったところだ。 将来に夢見る子供時代の自分が見たら、随分と寂しい生き方してるんだね、と心の底から落胆するだろう。 弥生は今どこにいるのか、どうしているのかも分からずじまいだった。 時間に頼り必

          万誘引力の法則

          noteの振り返り

          2024年5月6日からnoteを始めてますが、未だに何を主軸にするか方向性が決まってません。 色々な方のノートを拝見すると、半数以上が「写真」「読書感想」「おすすめホラー映画」といった発信するテーマを決めて、それに沿った記事を一貫して書き続けてるんですよね。 自分のスタンスを持ってて良いなと感じてます…。 ・これまで投稿した記事について一言。 1.「亡くなった女の子」 これを書きたくてnoteを始めました。 16年ほど前なので記憶にズレはありますが概ね実話です。 2.

          noteの振り返り

          雪の積もった道路で

          2005年。 当時、僕の家から数軒隣の家には、望月弥生という同い年の女の子が住んでいた。 幼稚園の頃からの幼馴染であり、小学、中学も一緒で、中2だった。 登校時はいつも二人で一緒に歩いていた。 弥生は身体が弱く、生まれつき心臓が通常より小さかったため、軽い運動だけでもすぐ息が上がるほどだった。 それでもお互いの家に遊びに行く事も多く、小説や漫画を貸しあっていた。 卒業後もきっと同じ高校に入ると思っていた。 なんでも打ち解け合える、笑い合える存在だった。 2月のある

          雪の積もった道路で

          昭和の自販機

          撮影日:2023.02.13 場所:神奈川県相模原市 中古タイヤ市場相模原店 去年ですが、YouTubeで紹介されていたので行きました。 平日の昼間だったので自分含め人は10人くらいでしたが、土日は更に混んでそうですね。 オーナー曰く、売上げより電気代の方が高いらしい。 レトロ自販機を愛するファンが増える事を願って、またいつか行こうと思います。

          昭和の自販機

          映画記録「こねこ」

          製作年:1996 製作国:ロシア 本編時間:84分 (あらすじ) モスクワの子供たちの家にもらわれてきた子猫がチグラーシャと名付けられる。ところがチグラーシャは見知らぬ場所に迷い込んでしまい、屋根裏で暮らす猫たちと出会うことに。 (森下の感想) 当たり前ですが、猫達に危険がないように配慮して撮影されたのが伺えます。 夜に店の商品をカサカサと食べているところを店長に見つかり捕まったものの、空腹を察して食べ物を与えるシーンに思わずほっこり。 動物が主演でバッドエンドを迎え

          映画記録「こねこ」