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なんとも不思議な夜のひととき

7月23日の夜のこと


7月23日の夜、祗園祭後祭の宵山の日和神楽(巡行時の晴天祈願)が終わると23時頃から行われる南観音山の”あばれ観音“なるものが見たくて出かけた

新町通りを南へ、北観音山を過ぎるあたりから人・人・人!

あばれ観音目当てにたくさんの人で溢れかえっていた

どこにも入る余地がなくウロウロしていたが、南観音山の西側のホテルの前あたりはあまり人気(にんき)がないみたいで人も少なかったのでそこで待つ

山の上では日和神楽にいかなかった人たちのお囃子が聴こえているし、御神体をお祀りしているあたりも準備で活気づいている

そうして眺めていると隣に立たれた浴衣姿のとても綺麗な女性に突然『何であばれ観音するのか知ってますう?』と声をかけられた

薄い布のエコバッグにスニーカーというこなれた出で立ちで、頭には浴衣と合わせたきれいな色の布をお洒落に巻きお団子を結った美人

今年のトレンドなのか、この美人も浴衣の丈が短い

何となく調べた感じでは晴天祈願や巡行の無事を祈ると言うぼんやりとした認識でいたので『いいえ、何でなんですか?』と返す

とても茶目っ気ある可愛らしい笑顔で『北観音に失恋した南観音が巡行の日に暴れたらダメだから前日に暴れてもらっとくんだってぇー、それ面白くなーい?』

うわさの北観音さま

私も『ええっ、そうなんですねー!』などと返していると今度はいつの間にやら反対側におられた、日に焼けたカリッとした年配の男性が布に包まれた楊柳観音を指差し、『あの白い布に包まれたのを担ぎまわるんですねっ』と仰る

『おそらく黄色い布だと思うんですけど、この辺りを3周するんです』とか話していると、前におられた女性が振り返り『3周するんですか!?この前も通るのかしら?どこを周るの?いつ始まるの?』と興味津々で聞いてこられる

男性は2019年頃からカメラ片手に早いうちから京都に来られるようで(どこからかは知らない)、少しずつ神事を見ておられるようでお手製のパンフレットを見せてくださったし、驚くほどたくさんの神事を見ておられる

浴衣美人と『ひょえ〜すごい!』とお手製パンフレットをパラパラ見ていたが、もうひとりの女性は『ちょっと貸してくださる?』と、熱心に目を通しておられた

この女性も祗園祭がとても好きなようで、巡行のときテレビ中継の解説をされたりNHKのニュースの文化を学ぶコーナーなどに出ておられる八木先生の講義(カルチャーセンターみたいなところの)を受講したり、調べたりして色々知ったのだと話されていた

巡行はこの暑さに体力的に自信がないからテレビで見るけれど、あばれ観音は1回見てみたかったのだと力強く話されていて、もう始まるのではないかという瞬間まで熱く話をされていた

いざ“あばれ観音”が始まると男性は2周目から激しく動くポイントがある!と走って撮影に行き、女性は『私小さいから前にいてて大丈夫?』と最前線で動画を撮ったり写真を撮られているし、浴衣美人は『面白いねぇー!』とニコニコしているし、私も背伸びして必死でこの目に、写真に収めようとしつつ大いに楽しんだ

あばれ観音が終わっても、あたりは熱気に包まれていたが時間も遅いのでぞろぞろと四条の方面へ人が流れる中、熱心な女性と浴衣美人と挨拶を交わしていると汗だくの男性が戻ってきて『あっちの方では観音様を激しく揺らしていて良いのが撮れました!お疲れ様でした!』と嬉しそうに告げ、それぞれに帰る

どこの誰とも知らぬ3人と、少しの時間をともに過ごした、そんな夜

私、社交性を持ち合わせず、すぐ心開けるフレンドリーさも無いのだけれど、見た目が”あれ“なのでナンパはされないが写真撮ってください(シャッター押して)、道教えて、お店の場所教えて、などよく話しかけられる

美人には声をかけづらいですもんねっ

父からは『器量が悪いのだから返事だけはちゃんとしなさい、愛想よくしなさい』と言われていたし、友人に紹介された人にご飯に誘われた時も『すごい美人とか可愛い人とかは緊張するじゃないですか〜』と言われた

でもそのおかげで楽しい時間を過ごせたなっ


昨年は用事を済ませて出かけたら終わっていたが、3年前は隣に来た方が島原太夫の中のおひとりだった

最初はコスプレ?と思っていたが、その割には豪華な衣装や独特の髪型、お化粧だったし、顔見知りの方や関係者が挨拶したり声かけたりされ、その度に付き人?が『岐阜の出張の帰りで都合ついたし見に来ました』というような事を仰っていたし、後日別のニュースで見た島原太夫は確かにその方だった

ここに来ると面白いことがあるのかも

来年もまた見られますように・・・

もってるわたくし、色々とチャンスをつかめ!






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