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思うままに、突き抜けていく

Man's extremity is God's opportunity.


直訳:人が切羽詰まった時は、神の出番である

意訳:人事を尽くして天命を待つ

自分の出来る限りの事をやりきったと言えるところまでたどり着いたとき、初めて口にできる言葉

何もやらずに何かを与えてもらうのではなく、やるだけやったら神様が私にそのやったことに見合うものを与えてくださるか決められるのをあとは静かに待つ

あくまでも、私の、私なりの、今の気持ちでの解釈

自信を持ってやる、とか堂々とやっていく、とか言う場合そうして自分がやってきたことをお守りにして精神を安定させるしか方法を持っていない

色々なやり方を試しても結局は不安で行きつ戻りつしてしまうので、それならやはり準備万端整えて取り組むほうが近道だから

そして出来ることならそこからもう少しだけ突き抜けたい私はそれ込みでやれるところまで力を尽くしたいと思う

そんな時、そんなに沢山の引き出しがない私の頭にぱっと頭に思い浮かぶ”やりすぎちゃってる“お手本は

映画なら
『フォレスト・ガンプ』
『カンフーハッスル』
『少林サッカー』
『RRR』
『犬王』

本なら
『かもめのジョナサン』
『名人伝』

である

それぞれ感じ方は違うし、このあたりの話をしてもなかなか共感を持ってもらえることが無いが、気にせず書いていこう

ただ、『かもめのジョナサン』についてはつい先日何回も読んでいたはずなのにおそらくはじめて訳者である五木寛之のあとがきをしっかり読んだ

今まで読まなかったのか、読んだけどそんなに深く心に残っていなかったのか、はじめて買って読んだ高校生のときに読んでその後何度も読み返した時にはもう読んだと読まなかったのかわからない

衝撃を受けるというか、なんというか、いろいろな意味でショックを受けた

頭の整理がついたらまた自分なりに考えをまとめて書いてみるのも良いのかもしれないけれど、私に足りないものや私に欠けているものについて考えたり立ち止まったりするときに必ず出てくる問題と言うか命題というか、乗り越えるべき点を書いていたように感じた

しばらくは向き合うのが無理かな


それは置いておいて、中島敦『名人伝』

読書記録とか言うほどのものでもないし、冒頭の『人事を尽くして天命を待つ』とは全然違いますよ、のご指摘やご意見があることは重々承知の上である

趣味ではあるが作品制作をするということにおいて、基本的な技術・見極めたり選んだりする能力といったその人が持っていたり身につける力と、道具・アトリエといった環境やそれを準備・維持する経済力、教えを請うたり支え合う同士(師・先輩・後輩・同期・生徒・弟子)というものは私にとっては大切だし必要なもの

特殊な能力や才能があるとか、資金の調達や環境整備などなんの心配もないとか、全く人との関わりは必要ない、敢えて避けてこそ芸術だ本物だという人や考え方もあろうことだけど、少なくとも私のような普通の人間にとっては大切で必要なものと考える

何かに向かって一直線、なりふりかまわず努力する、鍛錬を怠らないといったことは『これだ!』と決めると、得意というか、できる環境があれば染まってしまえる方だと思う

けれども、常軌を逸するような正気の沙汰ではないような、そういう突き抜けたものが心─大袈裟に言うと魂─なりに宿っていなければ自分が納得するものは言うまでもなく、他人の心を打つものや震わせるものなど出来ないように考える

才能に溢れ、選ばれし、将来有望な期待の星ではなく、平凡で取り立てて華やかな経歴など持たない、趣味の一環でやっている片隅の私なんだけれどそう言う気持ちを無くさないように持っている

情熱もいっぱい持っておりますので


『名人伝』には死ぬ気で頑張りましょうね!とか、努力は大切ですよ!といったことが書かれているわけではないように感じるが、行くところまで行かないと見えない何かとかつかめない何かとか、見えた・つかめた、のその先の世界観を感じる

その道で食べて行っている人、沢山の弟子がいて教室の運営や後続の指導など自分のことだけ考えてはいられない人、その道そのものの存続について真剣に頭を悩ませている人などからしたら何というお気楽な事を言っているのかと思われそうだけれど、これが今、私の思うところ

思いきり落ち込んだり気が滅入って浮上出来ない状態から少し浮き上がり、また沸々と小さな力が顔をのぞかせた時すかさずそれをすくい上げ、離さない

そして同士と語り合ったり飲んだりするという何気ない時間をともにして士気を上げたり、その趣味とか仕事以外で思いがけないつながりを持つことの楽しみを知り『人との関わり』という心躍る感覚を戸惑いながらも楽しみな、今なら、少しは思うままに突き抜けて行ける気がする

なーんて熱く語りつつも、こうして誰にともなく何度も決意表明しているのはまだまだ人の声や評価が気になるし、思い切れない自分へ向けたものでもある

まだまだ修行が足りないですね

そんな私も『自分は』『私は』と、ひとりよがりで自己完結だけで生きていっている中に、ここ最近はほんの少し、本当にほんの少しだけ変化があらわれつつある

こういう私の心を動かす全てが何らかの形で影響を与えてくれたら良いな

『名人伝』を読んで今の自分に思いを馳せ、それを力に変えていく、初夏のある日の心持ち











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