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篠澤広ッッッッ!!!!

タイトルを見てこのnoteを開いてくれた事だろうから説明はいらないと思うが、オタクが篠澤広に触れて感じた事を書くだけなので怪文書を見たくない人は回れ右推奨だと言っておこう。

まず、第1回のnoteにも関わらず私の個人情報をひとつ晒すとしよう。

私の年齢は27歳だ。
「27歳無職オタクこどおじ」という終末さえ思わせる役満感は気にしないでもらえると嬉しい。

話を戻すとアイドルマスターというコンテンツが始まったのは約20年ほど前の2005年に「THEiDOLM@STER」が発売された事が始まりらしい(Wikipedia調べ)

大長寿コンテンツであり日本のオタク達の魂に刻まれしコンテンツの1つと言っても過言では無いだろう。
そんなアイドルマスターの新作が先日、アプリにて配信がスタートした。
その名も「学園アイドルマスター」だ。
アイドル要素、学園要素、そしてアイマスのアイドルとプロデューサーとの絆(恋心)を融合させた欲張りセットのような内容で既に胃もたれを起こしそうな内容だ。

そして今の段階で書かせてもらうと私はプロデューサーではない。
厳密に言うとプロデューサーではあったのだ。

1番初めに触れた作品はPS3時代のアイドルマスター2だった。
そして私は星井美希ちゃんのプロデューサーだった。
初めてのプロデューサー業には心躍るものがあった事を今でも覚えている。
画面の向こう側にいる彼女たちは心の奥底からアイドルを目指し、ファンの笑顔の為、輝きの向こう側へといつだって駆けていた。

私の推しの星井美希ちゃんはそんなアイドル達の中でもイレギュラーな存在だったと記憶している。
アイドルになるべく存在するような彼女の圧倒的存在感。美貌や才能も相まり、挙句には「ハニー」呼びだ。落ちないわけが無い。

話が逸れそうなので軌道修正すると、私がちゃんと触れたアイドルマスターシリーズの作品はそれしかない事になる。

モバマス(死語)やグリマス(死語)も一応やっていたもののほぼログボだけを回収していただけなので割愛。

そして最近話題になりTLからブルアカの少女達が消え、学マスの少女だらけになった事から「やるかァ」と無職の持て余した時間を使いプロデューサーになる決意を固めたのだ。

最近のゲームのリセマラは簡単だなと思いつつ先生カードを手に入れてゲームがスタートした。

数多ものゲームをやっている歴戦のオタクだ。怖いものはないと思っているといきなり躓いてしまった。
それは担当アイドルを誰にするかという事だ。

ビジュアルで選ぶべきか性格で選ぶべきか。
しかし性格なんて知る由もない。
ならビジュアルでと決め、初めに私の視界に映ったのは篠澤広……ではなく藤田ことねだった。

「ふーん、可愛いじゃん」

客観的に見なくても気持ちの悪い鳴き声をあげながら私は他のアイドルにもねっとりとした視線を向けていく。これが現実だったなら間違いなく豚箱に入っていただろう。
しかし、これはゲームだ。気にせずアイドル達を舐め回すように見、そしてふと篠澤広の存在に記憶の蓋が開いたのだ。

なんかリリース前にTwitterで話題になってたな。と。

ブルアカのユウカとふとももの比較をされていて笑った記憶があった。
なにより彼女のガリガリ具合がすごいという事で話題になっていたのかもしれない。

全く本件に関係ないが、私は太ももが大好き!!!!
だから細すぎる子に興味がない。
そしてビジュアルも特別私に刺さる事も無かったが、久しぶりのプロデューサー業だ。
育成要素がある事もあり、本命アイドルを決める前に肩慣らしで篠澤広というアイドルで育成を始める事にした。

するとどういう事だろう。
アイドルという存在を舐め腐ったガキがそこにいた。
14歳で既に大学を卒業した少女が褒められすぎて自分が1番向いていない事をする為にアイドルになったとか。
かつてのアイドルという存在に目を輝かせ汗を流しがむしゃらに頑張っていたアイドル達を知っている私は「れ、令和の時代だしな……多様性ってやつだ……」と意味のわからない納得を無理矢理キメてゲームを進めた。

ここではゲーム性について語る事はしないが、進めていくが篠澤広という人間が特殊なのだと分かった。

頭脳明晰な篠澤広。そんな彼女はアイドルには全くと言っていいほど向いていなかった。

まずガリガリの体がその証だろう。
普通のレッスンどころかウォーミングアップですらこなす事がままならず、更に酷いのは歩く事すらも彼女にとって困難だと言うことだよ

この段階で篠澤広という少女がアイドルになれる訳がないと思い、私の気持ちと同調するかの様に画面の先にいるもう1人の僕も「向いていない」と言い切っていた。

しかし、もう1人の僕は学生でありプロデューサーだ。無職の僕とは違い、向いていないと分かった上で彼女をプロデュースすると決めてしまった。

そうなると私も腹を括るしかない。
とりあえず上級者向けらしいロジックタイプの育成に四苦八苦しながら中間試験を迎えた。

「なんですか、これ?」

余りの酷さに心の中の滝先生が顔を覗かせた。
他のアイドルたちは100や200とポイントを上げているのに篠澤広は10や20、よくても80くらいしかポイントが上がらない。
他のアイドルの性能がおかしいのかと思ったがよく考えてみろ。この女がおかしいんだ。

相手はアイドルになる為頑張り続けている内部進学生や学園首席のような子達だ。
篠澤広という少女が相手になるはずがない。

ゲーム性をちゃんと理解し、もう一度プレイしなんとか3位で中間試験を乗り越えることができた。
それでも2位と比べると差は歴然だ。というより篠澤広より下の子達はどうして負けたんだ? インフルエンザにでも罹っていたのかとツッコミをいれたくなる程だった。

ゲームにいちいち現実性を求めるのはご法度なので程々にしよう。

育成ゲームという事で、中間試験を突破すると篠澤広と触れ合う機会が増えた。
あまりに優秀すぎる彼女は褒められる事に嫌気がさし気分が落ち、見限られる事で喜びを得るやべー女だった。
14歳でこの域に達しているのはある意味優秀なのかもしれない。

だが、彼女と触れ合っている事で気がついた事があった。
最初に「アイドルを舐め腐ったガキ」と記述したがそれは間違いだったという事だ。
アイドルになる理由は確かに他の真摯に夢へと向かう子達と比べると少し思うところがない訳では無い。
しかし、篠澤広はアイドルになる事が夢ではなく、アイドルをしているのは趣味だと言う。
そう、頭脳明晰で勉強ばかりしていた彼女からすればアイドルも興味の一端でしかなかったのだ。

しかしそれは悪い事なのだろうか?
私が知るアイドル達もアイドルを目指す理由は様々だった。
それに、趣味だと言い切った彼女がアイドルになる為に気絶するほどの練習を繰り返しても嘆く事はない。むしろ喜び、アイドルになる努力を惜しまない姿勢なのだ。
そう、そこで私は篠澤広にも他のアイドル達と同じように「芯」があるのだと理解った。

そこからは言わずもがなだ。
私は篠澤広という少女に興味が湧いた。
1周目では親愛度によるストーリーが3話までしか見れない。
最終試験も3位だったが気にせず4話を見る為に2週目を始めた。

そしてどんどん篠澤広という少女を本気でプロデュースしたいと思うようになっていた。

順位が悪いと「見限る?」と言う彼女の台詞に胸が辛くなる。
分かっていた事だ。彼女はアイドルには向いていない。
もう1人の僕の夢はトップアイドルを育てる事だ。
篠澤広という少女はトップアイドルにはなれない。そう分かっているのにまたしても中間試験3位という結果を目にし、悪いのは彼女ではなく「プロデュースできていない自分」なのだと気付き頬をぶった。

そこからは彼女を理解するのと同じようにロジックタイプの育て方を理解していった。
最終試験で2位を取った時は嬉しかったがもう1人の僕はかなり辛辣で、喜んだ自分を恥じた。

そして本格的にプロデュースを初め、どうやらトゥルーエンドがある事を知った。 
親愛度9、ファン数5万、ボーカル1000以上
が条件だった。

ボーカル1000なんて無理だろ!!!!
篠澤広に求めすぎるステータスではないとブチ切れたがこんな所で怒っていても仕方がない。
黙って黙々と篠澤広をプロデュースしていく内に中間試験も最終試験も1位を取れるようになっていた。
これがプロデューサーとアイドルの絆だ!と勝ち誇り更にトゥルーエンドを渇望するようになった。

しばらくするとプロモードが解放され、ボーカル1000を余裕で超えてしまった。
どうだ!うちのアイドルはすごいんだぞ!

そして流れるように親愛度が上がり、最終試験を突破し、定期公演「初」に篠澤広の出演が決まった。

あっという間の流れに面を食らっていると、彼女は自分が楽しむだけではなく「ファンにも楽しんでもらいたい」と言ったのだ。
耳を疑った。趣味でアイドルをしている彼女がいつしかアイドルに魅了され、ファンの事を考えている事に。

成長した彼女の背中はなんだか大きく感じた。
そして始まった彼女のステージにオタクは涙した。
あの篠澤広が踊り、歌っているのだ。
そこにはもう貧弱なアイドル適正なしの少女の影はなく、初星学園のアイドル、篠澤広がいたのだ。

オタクがどうしてここで涙を流すのか分からず困惑する者もいるだろう。
だから説明するが最終試験後に3位以内に入るとライブが開催されるのだ。
特に3位だと能力が足りていないのか控えめに言っても酷いライブだった。
ステータスや順位によってライブ内容が変わるというシステムで育成に力が入る仕様がとてもいい。
だからこそ何も分からず進めてきた私だからこそ篠澤広の成長を見る事ができた。

順位が高いと以前のライブよりもしっかりと声が出ていて動けている事に感動するのだ。

そして定期公演「初」まで辿り着いた彼女のアイドルらしさに心を奪われた。

広ッ!そんなに動いて大丈夫なのか!?

彼女の体の心配を真っ先にしていた。
信じて送り出したにも関わらずこんな台詞が出るのはプロデューサー失格かもしれない。
しかし私の心配を他所に彼女はやり切ったのだ。

歌い終え、舞台袖で見ていた私へ微笑む彼女の姿。そして彼女にエールを送るファン達。これがアイドルでは無いならなんなのだろう?

そしてLIVE後、篠澤広は少しだけ不安げに言った。
きっと成長したと実感していても他のアイドル達との力量差に気付いていたのだろう。

「夢が叶わなくていいの?」

この言葉は自分の力じゃどう足掻いてもトップアイドルになれないと理解して上でのものだろう。
聡い彼女だ。ここで私が見限ると少なからず思っていただろう。
夢と趣味は違う。しかし趣味は夢に劣る道理などない。
この気持ちはもう1人の僕も同じようだった。

「夢を叶えるより篠澤広との日々の方が価値がある」そう言い切ったのだ。

最後の言葉はもはや告白のようなものだったけれど、私と篠澤広の物語は終わらない。

なぜなら私は彼女のプロデューサーだ。

トップアイドルになれないと理解している彼女をトップアイドルへと導くのがプロデューサーなのだ。

ゲームをクリアし、心の奥底から震えるような衝動が私を包み込んだ。

「これがプロデューサー……」

過去にもここまでプロデューサーとしてアイドルを導きたいと思った事はなかった。

トゥルーエンドを見たが評価Sを目指して私と篠澤広の活動は続いていく。

苦しい事が好きでドMだと勘違いされがちだが、彼女は私の苦しんでる姿にも悦を感じている。
「困難」にうち向かったり「下」から進む事が好きなだけなのだ。
自他共に苦しむ姿が好きな彼女は狂人のそれだが、私も彼女が苦しみながら進もうとする姿にすっかり虜になっている。

互いにままならない困難に立ち向かいながらきっとトップアイドルになれると信じ、私は篠澤広の手を取り、共に進むと決めたのだった。

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