禁煙が続いている理由を考えてみた

1.はじめに

僕は今禁煙している。(2年連続3度目)
期間はおよそ2ヶ月、愛煙家の皆様なら共感できると思うのだが、まあまあ頑張ってる方だと自負している。
今まで何度もぶつかってきた禁煙継続の壁が、いとも簡単に突破されている。
有吉の壁のMCの佐藤栞里さんに何度も突破って言ってもらえている妄想をよくしてしまう。
「わたしが貴方のことが好きという気持ちの壁も突破しましたね…♡」
って言ってもらえそうじゃん。なんとなく喫煙している男性好きじゃなさそうじゃん。

妄想はさておき、僕はこれほど簡単に禁煙に成功した経験はない。
禁煙外来に通わないで禁煙に成功しちゃっていいの…?とも思い始めた。

個人的にはタバコが好きだったのになぜ吸うことをやめたのか、大きく2つの要因があると考えている。


2.禁煙できたのは新型コロナウイルスさんのおかげでした

2020年6月現在は世界的にパンデミックになっている。
得体のしれない新型コロナウイルスが流行し、世界で約800万人の感染者がいる。
僕は普段は営業職に就いているため
「外に出て仕事をしろ!!足で稼げ!!!!!」
と言われ続けていた。さすがに誇張しているが、これに近いことは言われていた。
そんな僕が家から出ずに大人しくする生活が当たり前になってしまうと生活が一変する。

まず電車に乗らない。

電車に乗らないと家から駅まで歩くことがない。
駅に行く目的を失うと、外に出る理由すら無い。
外に出る理由を失うと、外に出ない生活に慣れてくる。
外に出ない生活に慣れると、動くことが億劫になる。
動くことが億劫になると、わざわざタバコを買いに行かなくなる。
タバコを買わないと吸う機会も失うため、禁煙生活が始まる。

僕の思考を改行を使って書き並べたが、出不精になったから禁煙した。
居酒屋にいくこともなくなったので、喫煙席でタバコを嗜むこともなくなった。

ノドを矢で射止められた気分だった。

しかしこのままだと禁煙を目指していらっしゃった方々に
「出不精になっただけで禁煙できるわけないだろ!!」
という苦情が入りそうなので、僕の喫煙環境を補足する。

・家ではタバコを吸わない
・電子タバコは未所持
・喫煙本数:7本/1日
・よく使う職場付近の喫煙所が閉鎖

家で吸わないかつ、電子タバコ未所持では、引きこもりが続くと吸うタイミングを失う。自然消滅してしまうカップルのように、自然とタバコから離れていった。
そして僕は元々吸う本数が少なめである。タバコと共存していたようで、していなかったのだ。
なかなか恋人に別れを切り出せずに惰性で付き合ってしまうこともなく、キッパリと別れを告げることができた。
禁煙と共に、女々しさを捨てた。

最後によく使う喫煙所が密閉、密封、密接の3密という理由で閉鎖されていた。
いつもの場所がないと吸う気力も失う。
お気に入りの定食屋が潰れたら同じようなショックを受けると思う。

これらの理由が奇跡的に掛け算されて禁煙生活を続けられている。
そして更に追い打ちをかけるような理由がもう1つがある。

3.受動喫煙防止条例で喫煙席が消えた

主に東京都を中心に制定された条例で、飲食店は完全禁煙か喫煙所を別に設けることが義務付けられた。
これが結構シャレにならない。
街の喫煙所も減ったのに、飲食店でもタバコが吸えなくなったのだ。
僕だけでなく、タバコを吸う場所が制限されて禁煙を決意した人も多いのではないだろうか。
冒頭にも書いている通り、過去に禁煙に挑戦したことが何度もある。
だいたいきっかけはタバコが値上がりしたときだ。
絶賛禁煙チャレンジ中に、友達と居酒屋でお酒飲んでいるときに、貰いタバコをしてチャレンジ失敗することが毎度お決まりのパターンだった。
心を鬼にしていたつもりだったが、簡単に覆された。意志の弱さなのか、タバコが恋しかったのかは定かではない。

しかし今日現在は、貰いタバコ文化が消えている。

禁煙の最大の敵である貰いタバコができないとなると、わたしの勝ちだ。ぶっちぎりの優勝だわ。

超優勝した僕は、タバコを吸ったあとの口臭を気にすることもないし、帰宅後の衣類のニオイを気にする必要もなくなった。タバコを嗜むために犠牲が伴っていたんだな…。
タバコに恋して盲目だったことを痛感した。

4.最後に

書いていて思ったのだが、タバコを辞めるためには外部環境が大事なのがよくわかった。
というよりも自分の意志だけで禁煙するのは本当に難しい。
なのでパンデミックと新条例のダブルパンチでも禁煙が上手く行かない人は是非とも禁煙外来に行った方がいいと思う。僕も今後禁断症状が出たら行くことを考えている。

とはいえ僕は愛煙家のことを否定するつもりもなければ、嫌いになることはない。
マナーを守れば楽しむ権利はある。
喫煙者からタバコを楽しむことを奪わないでほしいかな。

タバコ吸ってていいことだってあったからね。

会社の研修で縁もゆかりもない土地に住んだことがあったが、工場の喫煙所で仲良くなった人もいた。
色気のある女性が吸ってるタバコを真似したこともあった(僕には合わなかった)
今後禁煙が続いてもタバコにまつわる思い出は色あせることはない。壁にこびりついた拭いてもとれないヤニみたいに、思い出は心の中にしがみつくだろう。

少しタバコの思い出を書こうとしたら禁煙チャレンジ失敗しそうになった。
これを読んでいる知人よ、くれぐれも僕にタバコを与えないでくれ。
今回の禁煙こそ本気(マジ)だからな。

【この作品はLL Magazine8月号に寄稿しています】


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