保健・医療・福祉職の連携「むさしのIPE」開催報告
こんにちは。社会福祉学科教員、小俣智子です。
本学には医療に関連する専門職(看護師、薬剤師、言語聴覚士、社会福祉士)を目指す学部学科が存在します。国家資格取得後、実践現場において各専門職が共同して患者さんやご家族を支えるために、学生時代から学ぶのが、専門職連携教育(Interprofessional Education)、IPEです。
本学では、保健医療専門職養成を行う看護学部(看護師)、薬学部(薬剤師)、言語聴覚コース/大学院専攻科(言語聴覚士)、社会福祉学科(社会福祉士)と4つあり、2015年からむさしのIPEの名称で各部署の教員が共同、実施しています。
2022年度から「保健医療福祉と社会の連携教育」という専門職連携を学ぶ授業が誕生しましたが、それとは別に、保健医療専門職の理解を深めるために実施していたイベントを、今年度も開催しました。新年度が始まってすぐの4月27日(土)の半日、ちょっとテーマが長いのですが「のみこみが難しいけれど、食べたり飲んだりする体験―その介助・援助を専門的に工夫する体験をしてみよう」と題して、患者体験・支援者体験を行いました。
それぞれの専門職の説明を聞いた後、二人一組になり患者役はアイマスクをして視覚障害者、支援者役はアイスや和菓子、おかきなどの嚥下食
おやつを介助しました。飲物はとろみをつけたものを試飲、「まず~い」「美味しくない…」という声が聞こえていました。(ちなみに嚥下食おやつは大好評でした)
さらに参加者の皆さんは、アイマスクをしたまま室内の歩行を試みました。「ちょっと段差があります」「少し行くと机があります」という表現は、「〇センチの段差」「あと3歩進むと」のような具体的な説明が必要といった気づきや、私たちが情報の8割以上を視覚から取り入れていることから、見えないことの大変さを感じていました。
10名のむさしのIPE教員と、総勢30数名の学生さんたちが学部学科を超えて交流し、共に学びを得た貴重な時間でした。