2024春公演キャスト・スタッフブログ⑤

飯田優斗

 この劇団に入団してから何回かブログを書かせてもらったが、テーマに対して真面目に回答しようとするあまり淡白な文章になってしまうのが常だった。このブログを書くのも多分今回が最後となってしまうので、最後くらい充実したものを書いてみようと思う (できるかなぁ!?)
とはいえブログのテーマからあまりに逸脱しては不味いので、今回のテーマである「爆発させたいもの」を出発点として始める。

「爆発させたいもの」として思い浮かぶのは感情である。感情の爆発は素晴らしい。爆発的に溢れ出る感情は、自分自身の人生を生きているという何よりの証であり、自分が生を受け確かにこの地球上に存在しているという生活の実感であるように思う。感情を爆発させるべきでない場面も多いにあるが、時には爆発できることも大事であるように感じられる (爆発できなくなったら終わりとは言えないだろう。しかし人生をいくつかの局面に分けたとき、爆発できなくなったという事実は、最初の局面の終わりを指すと思う)。
大爆発を起こすことのできるような豊かな感受性をもちながら、感情を殺し切ることもできる人間が素晴らしいと思うし、自分はそんな人間になることを志してきた。振り返ってみると、演劇部に惹かれたのもそういう志をもっていたからかもしれない。

「爆発させたいもの」として感情が思い浮かぶのは、最近、日常生活で感情を爆発させる機会が減ってしまったからだろう。正の感情の爆発だけもしくは負の感情の爆発だけ減ってしまったのではなく、両方とも減ってしまったのは興味深い。誰かが言ってた「人間独自の馴化生活」なのかもしれない。爆発させる機会を増やすにはどうすればいいだろうか?日常を変えるか。非日常に求めるか。日常…。今の日常には期待できないなw。もちろん日常は決して悲惨なものではなく、むしろ楽しい。基本的には楽しくて、時には悲しく、時には落ち込み、時には憤りを覚え、でも概してみれば楽しい。ただ、何か火薬が足りないだけである。でも、日常とはつまり全くそれで良いようにも思える。
そうなると非日常に求めることになる。非日常には、まだまだ自分にとって未開のものがたくさんあり、刺激が待ち受けていることは承知している。そう、非日常に求めることはできるはずだ。ただ日常が非日常を覆い隠してしまっているだけだ。

日常とか非日常とか考えていたら一昨年の秋公演のことが思い出された。思えば、あの時期の日常は非日常的だった。非日常達が集まり連なって、あたかも日常であるかのような顔をしていた。ただし当時はそこまで非日常だとは感じなかった。全てが終わって月日が経った後に振り返ってみたら、輝きが増していた。今の日常だって多分同じことがおこるように思われる。墓場で眠りにつくときには美しい記憶になるだろう。書いているうちに、「お前は何をそんなに悩んでいるんだ?」という声が聞こえてきた、時間切れみたいだ。さぁ、日常に戻ろう。

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東京工業大学演劇研究部劇団娘の予感 2024 春公演

『起爆』

公演時間:約20分

日時:4月28日(日) 11:00〜/14:00~/16:00〜
  4月29日(月) 11:00〜/14:00〜

場所:東京工業大学大岡山キャンパスWL1-201(旧W521)講義室特設舞台

アクセス:東急目黒線・大井町線大岡山駅より徒歩10分

※予約不要、観劇無料です。

※開場は開演の30分前です。開演5分前までにお越しください。

※無料カンパ制です。

公演に関して、ご不明な点などございましたらお気軽にお問い合わせください。

Mail: musumenoyokan@gmail.com
Web: https://titechdramaclub.yu-nagi.com
X: @musumenoyokan

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