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JCS敗者の振り返り&デッキレシピ×4

こんにちは。

サトルバンクの新入りのむすこもりです。油は飲めませんしヲタ芸も痴漢もしませんが頑張ってやっていきます。

今回はJCSの環境考察、作成デッキ、デッキの選択方法といった考え方を解説します。

一瞬有料にしようと思いましたが、

中途半端な成績でお金を取るのはダサい

という信条から逃れられないので無料です。(あくまで個人の考えです)


1.使用デッキの考え方

大会慣れしていない人、自分が何を使えばいいのかわからない人に自分の考え方をお伝えしようと思います。

最初に前提として、1からデッキを作ることができる人にはこの考え方は当てはまりません。参考にしてほしいのは、今年の私のように「デッキを作れない分、プレイングで補うしかないと考えている人」です。

まず、そもそもの話ですが、大型大会は長期戦です。デッキが回った時と回らなかった時の差や、先攻後攻の差で不安定になるデッキを持ち込むことはまずありえません。

※「超越ゲッコウガ」なんていうデッキを持ち込むのは愚の骨頂です。そんなデッキを作る人の顔が見てみたい。

重要なのは、
①デッキパワー
②環境における強さ
③安定感
です。

特にデッキパワーがないと、強いデッキに安定して勝つことができず、マッチングに成績が左右されることになります。

少し乱暴な表現にはなりますが、上記のような要素を兼ね備えたデッキにしか人権はないという考え方です。

逆にそのようなデッキと対照的なデッキ(不安定なもの、デッキパワーが低いもの、環境デッキに勝てないもの)を持ち込む人は、①練習していなくてワンチャン狙う人②正しいデッキ評価ができていない人③エンジョイ勢、のいずれかであるため、そこを意識せずとも強いデッキのデッキパワーで押し切れることが多いです。

また、少し飛躍した話になりますが、大型大会のスイスドローを勝ち続けていると、高確率で強い環境デッキとマッチングします。デッキパワーが低いデッキを使うと、

大会序盤で負ける→下位卓で謎のデッキを踏む→下位卓で初心者にあたって時間切れになる

など悲惨なことになりかねません。(今回の例はかなり極端なものを使いましたが、心当たりがある方も多いと思います)

例えば、今回のJCSで「オニシズグモ+アローラキュウコンを握ったのにレシリザにもルガゾロにも当たらずに0-3した」という対戦レポがあったとして、それは果たして運負けでしょうか?

当然ながら、運負けではありません。オニシズグモ+アローラキュウコンではルガゾロやレシリザに勝てますが、「ルガゾロやレシリザだらけの上位卓に行くことができない」からです。そもそも2000人規模の大会で1回戦から自分が想定したデッキと当たり続けられる運があるなら、何握っても勝てます(笑)

変なデッキにあたって負けたというのは運が悪いのではありません。「そんなデッキと当たる(=序盤で負ける)こと」が悪いのです。

(もちろん1回戦で変なデッキと当たることもありますが、それはその日がそういう日だったというだけです)

なので、困ったら

強い人が作った強いデッキを練習して持ち込む

のがおすすめです。なかなか勝てない人は、まず強い人の記事を読んで、コピーデッキを練習するところから始めることからですね。

そもそも、環境デッキをよく知らないのに環境デッキに勝てるわけありません。

ポケモンカードで勝てるようになるためには、強いデッキを強く使う練習をしていれば近道です。強いデッキには強い理由があります。(私のようにデッキが作れなくなるという弊害はありますが強いデッキが何をされたら嫌かを理解することで新しいアイデアにつながることもあります)

「ガチデッキ」「コピーデッキ」「環境デッキ」を嫌う人が一定数いますが私にはその感覚が少々ズレているように思えます。ポケモンカードは対戦ゲームですし、チャンピオンズリーグは競技としての場です。あなたが大会に持ち込んでいるデッキ、そのデッキで参戦したことを大会後に本当に後悔しませんか?

また、話が本筋から外れますが、「記事を書くこと」をお勧めします。

記事は強い人の考え方を見るだけのものではなく、自分の考えを文章化することによって、ゲームプラン等を整理することができます。私が知っている人の中でも、「福沢諭吉さん」「リョウさん」は記事を書いてから大会に参加し、自分が負けたらすぐ記事をアップしています。私も来シーズンはこのやり方をまねしようと思います。


2.環境予想

次に環境予想です。今回のJCSは新弾発売翌週ということ、各地の大会の情報が封鎖されていることから、情報が少ない中で環境を考えなければなりませんでした。

その中で環境を考え、新弾及び構築済みデッキの中から次のカードが環境に参入することが予想できました。

これらを踏まえてJCSの環境は以下のようになると考えました。

tier1
レシリザ+ミュウミュウ+特性サポート(うおん亭レシピ想定)
ルガゾロペル(みやししさんレシピ想定)
tier2
ミュウミュウバレット
ガブギラ+カラマネロ
マニューラ軸悪バレット(あむさん、福沢諭吉さんレシピ想定)
tier3
パンプジン(タクヤさんレシピ想定)
HAND
ピカゼク

①レシリザ+ミュウミュウ+特性サポート
・デッキパワーの暴力。
・1ターン目カキの爆発力を考えるとブルー型でなく、システムポケモン型で回すほうが安定して勝てる。
・アタッカーがミュウミュウでもよくなり、ヤドキングやユキメノコといった対策カード1枚では対策できないようになった。

②ルガゾロペル
・ミュウミュウを採用することで、マシャリキ1枚でサイドを取り切られることがなくなり、相手のマシャリキのリベンジをミュウミュウで返すことで、逆に勝ちの目が太くなった。
・プレシャスボールにより、リソースをキープしながらゾロアークをゲーム序盤から並べられるようになった。
・相手のミュウミュウを潰すカードとしてべトンの勝ちが相対的に上がった。
・みやししさんが直前に記事を出したため誰でも強いレシピが手に入る。(HANDを使いにくくなったので記事up直後はガチギレしました笑)

③ミュウミュウバレット
・炎軸、オンバーンやラティオスを積んだ広範囲対応型などを組みましたが、ものすごく弱かったです。
・しかし昨年のJCSで新弾のレックウザGXを強く組める人が少なかった中、レックウザがジュニア・シニア・マスターの優勝をかっさらったことを考えると、絶対に強い人は強いミュウミュウを持ち込んでくると思いました。
・オンバーン→パンプジンやゾロアークにイージーウィンしうる。
・2種リザードン→TAGを2枚倒して勝つ雑なゲームができる
・ゲッコウガ→フーパで詰まない

④ガブギラ+カラマネロ
・超+闘という色が強い。
・小物へのギラティナループ、大物へのガブギラという太い勝ち筋がある。
・イカが並べば雑に強い。

⑤マニューラ軸悪バレット
・HP270のトランス満タンは弱いわけがない。
・ブラダークのデッドムーンGX、ヤミバンギのグリードクラッシュが非常に強力。
・アーゴヨン、ガオガエン、ヤミラミのスローゲーム、(後から気づいたマルマインGX)などが相方として考えられました。後述しますが、私のデッキ構築力ではすべて大型大会に持ち込むレベルになりませんでした。
・あむさんと福沢諭吉さんが質の高い記事を上げたので、使用デッキに困って持ち込む人は一定数いる。

⑥パンプジン
・簡単、非GX。
・ミュウミュウに強そうに見える。(実際はオンバーンを採用したミュウミュウが有利と思っていた)

⑦HAND
・メルカリHANDは2日目のBO3で戦いやすいのでTAを取りに来る人が持ち込みそう。

⑧ピカゼク
・環境からは消えない


3.作成デッキ

①悪

ポテンシャルは一番だと感じたので、カードが発表されてからすぐに作成しました。アーゴヨン型は早々に見限り、ガオガエン型を煮詰めた結果がこちら。

アーゴヨン型の弱さは①もっさりすること②ルガゾロに勝てないこと

まず①の解決。この問題を解決すべく、エネを1度に加速できるガオガエンを採用しました。

しかし、ガオガエン+マニューラを毎ゲーム盤面に立てるのに普通のドローサポートだけでは安定しません。

このため、山札サーチをできるフーパGXに目を付けました。後1または先2からローグリングを使って盤面を作るため、ナイトシティも最大枚数採用。

また、練習の過程で、フーパのGX技は30×6をGXにバラまけるため、ブラダークのばらまきと合わせて効率よくサイドを取れること、ヤミバンギの210の圏内に入れれるようになることに気づきました。

次に②の解決。2ターン目からルガルガンが殴り始めてきた場合、一方的なゲーム展開になってしまいます。

この問題を解決すべく、ルガゾロへのアタッカーとしてあくのいましめマニューラを採用しました。プレシャスボールによって序盤からゾロアークが並びやすくなったため、警戒されない限りは200点でルガルガンを返せることが多かったです。

JCSに持ち込まなかった理由は、安定感が改善したとはいえそれでも不安定なゲームがあったこと、ルガゾロへの回答が相手依存であることでした。

福沢諭吉さんの記事にある「あのカード」にもっと早く気づいていれば使用していたかもしれません。


②レシリザ

レシリザは強いが、自分が炎デッキを使えないという弱点を克服すべく、京都からずっと練習していました。練習中の勝率は1番高かったです。

ファミリーポケカのリザードンGXを不採用としたのは、
「4エネも6エネも変わらんでしょ」
という雑な理由です。(あと持っていませんでした。)

また、レイジングアウトGXのリザードンGXを採用したことによって、300打点を2回押し付けてTAGを2枚取る雑なゲームプランの他、相手をLOする勝ち筋もできました。HANDやパンプジンなどはデッキを掘ることが多く、本来不利なこれらのデッキに勝ちを拾えること、そもそも山札を10枚以下にできないため相手のプレイングが歪むことがあり、採用はマストだと考えています。

最後の最後まで自分が炎デッキで8-1するイメージが湧かなかったため、使用は断念。


③エンニュートHAND

シティ福山でエンニュートHANDの深みを知ってから、自分でもこのデッキタイプをカスタマイズするようになっていました。

いろいろ試すうちにハンデス+ビリジオン型に行きつきました。

1番苦手なゾロアークを無人発電所で重く見たうえで、勝ち筋を強引に作るデッキです。

具体的には、序盤の出遅れや相手からの妨害札によって手札が35枚になる前にサイドを取り切られるパターンがあります。

そこでカウンターキャッチャー+リセットスタンプ+ムサコジ→ブリーズアウェイGXで相手を止めながら盤面のカードを戻すことで、強引にHANDを決めに行くことができるようになります。(ザグザグピッケルまで採用すればよりロック性能が高まりますが、枠の関係で断念しました)

シティ福山時からHANDへの練度が上がったこともあり、JCS2週間前からずっと使用予定でした。このため2回の自主大会で使用。

2週間前のるんる杯(BO3)
・水バレ〇×〇(負け試合は、序盤出遅れ、ヤレユータンとヌオーがいたため妨害札が使えなかったため負け)
・ウルネク〇〇
・ピカゼク××(手札戻すカードが6枚入っているレシピで禿げました)
・ゾロアーク〇〇
・ルガゾロ〇〇

1週間前のあずまん杯
・ガブギラ〇
・モクナシガノン〇
・ルガゾロ×(ヤトウモリ2、カウンターキャッチャー2がサイド落ちで初手も事故った)
・プテラジュゴン×(初手で事故り、スタンプ&キャッチャーも通らなかった)
・ピカゼク×(初手で事故った)

この時気づきましたが、エンニュートHANDは事故ります。初見殺しができない今では8-1はできないと思い知らされました。今回も大会直前にデッキがなくなるパターンでもう笑うしかありません。


4.前日

前日の使用候補は次の通りでした。

レシリザ、エンニュートHAND、サナニンフミュウミュウ、悪バレット、アキノヒトスペシャル1、アキノヒトスペシャル2。

※アキノヒトスペシャルについては以下を参照。


地獄です。頭はパニックでした。そして気づきました。

「自分は勝てない」

前日までデッキ選択で悩んでいるようではダメです。自分が世界大会の権利を確実に手に入れるために必要な成績である8-1なんてできるはずもありません。

そして考えました。

勝てない自分が勝つためにはどうすればよいのだろうか。

そして気づきました。

ポケモンカードしなければいいじゃん。

(どこかで見たことがある流れですね…)

ちなみにこの考え方はポケモンカードでなかなか勝てない人にもお勧めできます。HANDやLOは難しそうに見えてただの作業です。

ポケモンカードしないデッキはリスト公開直後から考えていたので、デッキは一通り作っていました。それらを前日に再検証しました。

①エンニュートHAND
前述の通り事故るため断念。

②メルカリHAND
DAY1で8-1することを目的として握るデッキではない。

③ラフレシア
アロキュウまたはモクナシと合わせることでゾロアークへの勝ち筋も太くなり、そこにデンジュモクまで採用すればパンプジンにも勝てるようになる。総じてHAND以外には勝てると考えた。ただし、デッキがぐちゃぐちゃになる。モクナシ+クワガノン+ラフレシア+デンジュモクは第2候補でした。

④超越ゲッコウガ
すみません。何でもないです。

⑤フーパブラッキー
対戦相手用として練習していたデッキでもあり、このデッキタイプに決定。
あむさんのすばらしいnoteがあるのでデッキの詳細はそちらをご覧いただいたほうが良いと思います。


ここから環境に合うようにカスタマイズしました。自分はこの作業は得意ですし、前日にいろいろな人にチェックしてもらいました。その結果がこちら。

コンセプトである「フーパでつませる」を達成するためにフーパ周りを固めました。

新弾の強化としてハプウが挙げられます。

ジュゴンが強く動くためには、トリプル加速エネルギーが必要になりますが、エリカが弱いタイミングや使えないタイミングでも山札を上から6枚めくることでエネに触りやすくなります。強い。

またこのデッキは安定札をかなり採用しているため、ゲーム中盤からは不要なカードが増えます。それらのカードを圧縮できることも強かったです。
ハプウというカードは一見強く見えないかもしれませんが、使ったことがない人はぜひ試してみてください。

このハプウを採用したフーパブラッキージュゴンは安定感がさらに高まりましたが、どうしても勝てないデッキがありました。HANDとパンプジンです。

HANDは自分の評価が低かったのもあり切りました。

パンプジンはジュゴンで裏のゼブライカを取りながら、終盤スタンプ+ブラックマーケットが勝ちプランでしたが、それだけでは半分取れればよいほうだと考えました。そこで、デッキを掘らせてからデンジュモクを出してLOする勝ち筋も採用しました。

この枠はミュウミュウに入っているゲッコウガGXをロストするためのキリンリキと悩みましたが、パンプジンと天秤にかけて不採用。

ここまで考察してデッキ登録を済ませ、AM3時に就寝。

問題なく起床して、「自分は勝てる」という自信をもって会場に入りました。しかし、デッキ登録時間が過ぎた後に気づきました。

「祠割るカードがないからパンプジンに勝てないじゃん…」

正直死んだと思いました。

(パンプジンには戒めの祠が2枚以上のレシピがテンプレート。デンジュモクを出して特殊エネルギーからの攻撃をカットし、そのままドローして何もせず番を終わり続ければ相手の山札切れで勝てるはず・・・が、相手の戒めの祠を張り替えれないので、スタジアムダメージだけでデンジュモクが気絶してしまう)

大ポカに気づいた後はこの世の終わりのような顔をしていたと思いますが、まっちゃさんから花丸のグッズをいただきましたので、プチ復活できました。かわいいは正義。


5.当日のマッチング

レシリザ〇
ルガゾロ〇
ゾロメノコ×
モクナシ×
レシリザ〇
水バレット〇
レシリザ〇
ルガゾロ〇
ルガゾロ〇
最終7-2の111位。

環境読みとマッチングは自分でも驚くくらい完璧でした。

しかし、初め6戦中1ターン目にサポートを使えた対戦が1度のみで、運は死ぬほど弱かったため早々に2敗してしまいました。

ポケモンカードの神様はよく見ていますね。デッキを作れず、前日にデッキ選択をする私が世界に行くのはまだ少し早かったようです。


6.終わりに

最後まで読んで下さりありがとうございました。JCSから1週間たった今でも世界に行けなかった事実が私を苦しめていますが、来シーズンも頑張ります。この記事やデッキレシピに関連する質問等がありましたらTwitter(@musukomori)までご連絡ください。

最後に、ブラボー神のコメントで締めさせていただきます。

ブラちゃんコメント

今回のJCSの環境読みは非常に難しかったと思います。難しかったと思いますが、レシリザとデデンネGXを軸とした炎構成、これだけは本命の選択肢としても逃げの選択肢としても間違い無く正解だったと思います。そういった意味では周知の王道が君臨している以上、環境は複雑でもデッキ選択は容易だった、と感じている人もいるかもしれません。実際自分も練習してて、何度レシリザを使おうと思ったか・・・。

レシリザはTAGデッキとして唯一至高の領域、完成された動きが出来ていると感じます。

私の考えているTAGデッキの理想とは、TAGポケモンの圧力により他のサポートポケモンを出すことがデメリットにならない、こんな感じのイメージです。

例えば、1ターン目の相手の場に4枚炎エネルギーが付いたレシリザ、デデンネGXとカプテテフGXがいるとします。この場合、自分はデデンネGXとカプテテフGXを倒してもサイドを取り切って勝利することが出来ないため、先に脅威となっているレシリザと対面せざるを得なくなります。とにかくレシリザを倒さなければ、一方的にフレアストライクを食らい、即全滅してしまうからです。ですが当然相手は2ターン目以降も2体目のレシリザを育てるよう努めます。このように超強力なTAGポケモンを育て続けることによって、サポートポケモンGXに手出し出来る猶予を相手に与えない戦法、この戦法を実行できる構築こそTAGの理想の構築だと考えています。

考えれば考えるほどレシリザは強い。めちゃくちゃ強い。強いのですが、私はJCSでは使いませんでした。何故かというと、単純にデッキタイプとして好みでなかったからです。私のように、強い=好き、というのが成立しない人も少なからず存在します。こもりの言う、強い人が組んだ強いデッキを使うというのは、あくまでデッキ選択をする上での1つの選択肢であるという事を忘れないでください。


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