じぶん物語vol.8〜夢を集める人たち〜
お母さんたちと
わいわい言いながら
おむすびとつみれ汁が出来上がった。
その地域では家にいた
お父さんたちや子どもたちの分
家族の分のをおうちに持って帰って
みんなたべてくれた。
そうこうしているうちに
直ねえの友達たちが
車で到着した。
男の人が3人と女の人が1人。
直ねえが、愛知に住んでいたときの
仲間だったけれど
ふたりはなんと、佐賀から車を走らせてきたらしい。
途中、名古屋によってふたりを乗せて
何十時間もかけてやってきたそうだ。
なんだか、遠すぎて
現実離れしたような話でよくわからなかった。
はじめての人たちは
すこし、緊張する。
おむすびやつみれ汁を
とりにきてくれる人たちに
わたしながらその人たちのはなしをちょっと聞いた。
佐賀からきたのは
大志さんと、まきさん。
名古屋からふみくんと、トニー。
なんだか
みんなそれぞれになにをしている人なのか
謎すぎて、
女の人、まきさんに聞いた。
「普段はなにをしてるんですか?」
「え、普段?ふだん?なんだろー
んー、遊んでる!」
え、この人たちなんなんだろう?
なんかよく正体もわからないし
ちょっと変な人たちなのかも。と
マイナスに判断したわたし。
気がつくと
その人たちは
おじいちゃんやおばあちゃんに
白い紙になにかかいてもらって
その様子をパシャパシャと写真をとりはじめていた。
え、ほんとに、なんなの?
この人たち。
こんなところで
写真を急にとりだすなんて、
なんて非常識....。
一気に不信感と
怪しさが加わり、わたしの
厳戒態勢はMAXに。
その地域での炊き出しを配り終えて
もうひとつの炊き出しをする場所へ向かう。
車でいくと
5分もかからない場所だ。
川の横の
津波がきたであろう場所を通りながら向かう。
行き止まりは
なんと、倉庫のようなところに
船が突っ込んでいることにより
道がふさがれていた。
教えてもらった場所はちょうど、このあたり。
ちょうど人がいて
このあたりで炊き出しをしたいことを
はなすと、隣のお家の庭はどうだろう。と
そのお母さんが隣のお家のお母さんへと話をしてくれた。
いいよ。と了承をもらい
車もその敷地内に泊めさせてもらい
炊き出しの準備をはじめた。
先ほどのお母さんたちが
近所の人たちに声をかけてくれて
大人も子どももおじいちゃんもおばあちゃんも
みんな集まってきた。
愛知からきた人たちも
一緒におむすびを結びはじめた。
もってきたブルーシートをひいて
そこに座ってたべるひと、立ってたべるひと
座れそうなところに腰をかけたべるひと
みんなそれぞれに場所をみつけて
たべはじめた。
わたしたちも
手伝ってくれた4人にも
どうぞ。といい、最初は遠慮していたけれど
わたしたちもいつも一緒にたべるから。と
一緒にたべはじめた。
おかわりしてくれたり
たのしそうにはなしたり
そんなじかんをすごしながら
気がつくと
また白い紙になにかをかいてもらっている。
今度は子どもたちにかいてもらっていて
また写真をパシャパシャ撮っていた。
でも、子どもたちはたのしそうだし
子どもたちの親御さんもかいて
かいたもののを手にもって写真をとったり。
そのあとは子どもたちと
一緒に、あそんでいて
なにより子どもたちがとってもたのしそうで...
だから
悪い人たちではないのかもしれない。
んーでもなあ。と
なんだか納得できなかった。
炊き出しの片付けをおえて
仙台へと車で帰る。
また、来週もくる。と
その地域の人たちにお伝えして、
帰路にむかう。
きてくれた4人と
夜ごはんをどこかでたべよう。という話になり
今日炊き出しにいったメンバーだけでなく
せっかくだから、とみさんやみっちゃんも誘おう。と
みっちゃんがこれることになった。
毎回、炊き出しはわたしの休みにあわせて
いくことにし、直ねえは仕事が震災の影響で
休業になっていたため
わたしと直ねえは固定メンバーで
そのときそのときで
炊き出しをしてると知った友達で
一緒にいきたい。といってくれる人が
一緒にいってやってくれるようになっていた。
その日も一緒にいってくれた
メンバーがいてその人たちも一緒に
帰り道、あいていたファミレスにはいった。
大志さんという人が
何やら熱く語っていて
あまり話を聞く気がなかったわたしだけれど
聞こえてくるフレーズになんだか
スピリチュアルなかんじのはなしっぽい。
スピリチュアルな、ことが
すきなわたしだったけれど
スピリチュアルといっても怪しい人もいるからな。と
警戒していたけれど
この人のいうことは、ほんとっぽい。
惹かれてきがついたらはなしを、ききはじめていた。
きょうの、白い紙についての話もしていた
それは夢ハンカチといって
じぶんじしんの、ゆめをえがくらしい。
「真っ白いハンカチを目の前にしたときに
じぶんじしんとの対話がはじまる。
みんな、そんなじかんをなかなかもてないけれど
それを大切にしてほしい。」
そのコトバに、ふかく共感した。
そうそうそうそう。そうだよね
わたしがコトバとして認識できていなかったけれど
じぶんのなかに、あった大切なおもいだった。
わ〜!
そういうことだったのか。
今日の出来事への不信感が
一気に払拭される。
だからといって
写真を、無遠慮にとるのは
どうかとおもうけれど....。
大志さんは
被災地の子どもたちのゆめを集めるといっていたけれど
わたしは、そんなことだったら
大人たちにこそ、かいてほしい。おもった。
じぶんとの、対話のじかんを
大人たちにこそ、かいてほしい。
なんだか
素敵な人に出逢ってしまったなあ〜。
わたしは夢ハンカチを
まず、じぶんの分ともう一枚もらい
その興奮冷めやらぬうちに
とみさんの家へと向かった。
大志さんのはなし、
夢ハンカチのはなしを興奮してはなして
夢ハンカチを渡した。
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また、なにかがはじまりそうな
予感がした。
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