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アートワーク裏話:Memory of the Cartridge

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https://www.otherman-records.com/releases/OTMN051

無想りんね(旧tac-t!s)のOtherman Recordsリリース第2弾であり、何より本格的なチップチューン/チップブレイクアートワーク初挑戦ということもあり、今も思い出に残っている一枚だ。2013年作。

邪神氏経由で送られてきたCa5さんのデモを聴いた瞬間、一発でイメージが湧いたのを覚えている。そう、思い出はカートリッジの中に。忘れてしまっても、カートリッジを刺せばまた蘇るんだ。何度だってね。

タイトルチューンである「Memory of the Cartridge」は、とにかくエモい。メロディがエモいし鳴り止まないサンプリングもエモい。アーメンブレイクもエモいしBPMも速くてエモい。叙情要素まみれなのだ。正直これを書いている間もちょっと涙腺が潤っている。これまでチップサウンドを用いた音楽で泣いたのは、星のカービィ夢の泉の物語の「レインボーリゾート」以来だったような気がする。そこで「みんなが懐かしんだゲーム」「泣きの要素」「オールスター」感を押し出していくことに決めた。

【ストーリーを作る】

実は誰にも言っていないが、このアートワークには裏ストーリーがある。
ジャケ中央にいる女の子は、小さい頃お父さんと一緒にファミコンをプレイして過ごしていた高校生。しかし、不慮の事故によりお父さんを失った女の子は、ある日埃を被っていた思い出のファミコンを発見。いざ電源を入れると、そこからたくさんの思い出が蘇ってきて…。
冒頭で述べた「一発で浮かんだイメージ」はまさにこれ。この頃から、無想りんねのアートワークには「ちょっとした短いストーリー」が組み込まれるようになる。

【ゲームへの無限の愛を込めました】

さて、肝心のアートワークの中身だが、登場するキャラクターにはある程度の元ネタが存在する。ほぼ全てゲームからのインスピレーションであり、以下にそのタイトルを記しておく。

・ファイナルファンタジ−1(一番やり込んだFF。大部分のキャラの元ネタはこのゲームから)
・ドラゴンクエスト1(しかしドラクエよりFF派だった)
・ゼルダの伝説(時のオカリナを途中で挫折したのを覚えている)
・テトリス(ボーナストラックにテトリス(コロブチカ)のRemixが入っていたため)
・星のカービィ64(あの一つ目のビカビカ光るやつ)
・スキタイのムスメ(ファミコンどころかiOSゲームだが、昔懐かしいハイブリッドドットゲーである)
・天国の塔(2種類用意したうちの深緑画面のほう。主に背景がそれ)
・LJN(ゲームどころか会社名。別名:死の虹。通常ジャケの虹)

また、ジャケットも通常版(カラー)と初代ゲームボーイ版を用意する徹底ぷり。さらにファミコンのタイトル画面でおなじみ「START / CONTINUE / スコア)も表示するなど、徹底的にレトロゲー要素を組み込んだ意欲作だ。

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件のゲームボーイ画面ジャケット。色にもこだわる。

【セルフファンイラスト】

さらに、ドットで作ったセルフファンイラストも存在する。こちらはジャケット中央の女の子がカセットを「おっミュウツーか?」って思われるようなサイコキネシスで浮かしているものだ。このイラストはのちに、FUCKOKAのMaru303氏によって、動くGIFになり、これまたミラクルを起こすことになった。ありがとうMaru303さん….

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そんな思い出深いMemory of the Cartridgeのジャケットだが、2018年にセルフリミックスしたジャケを公開した。キャラを増やし、ファミカセのデザインを取り入れたり、よりキラキラに加工したりしたが、なんといっても一番の改善点は「カセット」がジャケットの中に描かれたことだろうか…..忘れてた…….。

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