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詩「秋」

咲きこぼれる
桂花の枝を
挿頭(かざし)に挿して
いよいよ高く
うるわしい
あなた

輝く瞳は
目映(まばゆ)いばかり
朗らかに
笑みを浮かべて
陰りなく
蒼々として
澄み渡る
あなたに

対するわたしの
胸のうち
この秋晴れの
好日に
ただ独り
虚しさばかり
積もりゆく

あなたには
小さいでしょう
それでも
どんなに
小さくても
あなたはいつも
すべてを悟り
無言のままに
慰める

どこまでも
清らかな
その優しさが
ありがたくもあり
それゆえに
かなしくもあった

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